「え?」
14日にオンラインで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)+3(韓日中)首脳会議。 同席した参謀が演説を見ながらあわてて頭を上げて文大統領を見つめた瞬間があったという。文大統領が冒頭発言で「特に日本の菅首相、会えてうれしいです」と話した時だった。あらかじめ作成された演説文に含まれていなかった文言だったためだ。大統領が首脳会議で演説文にない内容を述べるのはよくあることではない。多国間首脳会議で特定国の首脳を指してあいさつをしたのも異例だ。
日本の菅義偉首相に向けた文大統領の歓迎あいさつの後、他国の首脳らも同様の方式で菅首相に「うれしい」とあいさつをしたという。文大統領のあいさつがASEAN+3首脳会議に初めて参加した菅首相に各国首脳の関心が集中する契機になったのだ。また、最初の発言者だった文大統領が菅首相にあいさつをせず他の首脳があいさつをした場合には冷え込んだ韓日関係のためという誤解を生じさせなかねない状況も避けることができた。結果的に文大統領が演説文になかったあいさつで冷え込んだ韓日関係を解決しようとする努力を見せたとの評価が出てきた。青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)関係者は「外交に対する文大統領の瞬発力が発揮された」と話した。
◇トランプ大統領が圧迫すると「民主主義、米国に学んだ」
文大統領は首脳会議で相手国を称賛する言葉で雰囲気を和らげたりもした。2017年6月に文大統領とトランプ大統領の初の韓米首脳会談でもそうしたという。非公開で行われた拡大首脳会談でトランプ大統領は貿易不均衡問題を取り上げて韓国代表団を圧迫した。韓米自由貿易協定(FTA)発効後に米国の対韓赤字が2倍以上増えたとし、自動車と鉄鋼を例に挙げた。
特に当時は知らされていなかったが、トランプ大統領は激しい表現まで使って不満を表出したという。その時文大統領は「韓国の経済発展と、特に民主主義は米国から学んだもの」としながら米国が韓国に友邦以上の意味があると強調したという。するとトランプ大統領の激高はやや和らいだという。
文大統領はまた、拡大首脳会談に同席した当時の張夏成(チャン・ハソン)政策室長をトランプ大統領に紹介し、「張室長はあなたと同じウォートンスクール(米ペンシルバニア大学経営大学院)出身」と説明した。張室長は当時会談で米国側の主張を防御する役割を担当したが、2人が同窓であることを強調し交渉ムードを和らげるためだ。会談が激しい舌戦で熱くなった時も張室長が「これからは英語で話す」と述べると、トランプ大統領は「おぉ、ウォートンスクール! 賢い人だ」とジョークを飛ばして会談場に笑いが起きたりもした。
◇習近平主席の文章引用し李克強首相と対話ほぐす
文大統領は2017年11月の韓中会談で、習近平国家主席がしばしば引用した言葉を言及しながら李克強首相との対話を解いていった。文大統領は当時「中国古典で『花が一輪だけ咲いたのではまだ春ではない。あらゆる花が一斉に咲いてこそ真の春だ』という言葉を見た。李首相との会談が多様な実質協議の多様な花を咲かせられるように肥沃な土壌を作る契機になることを希望する」と話した。
文大統領が引用した言葉は明の時代に編さんされた格言集「増広賢文」に出てくる。原文は「一花独放不是春百花斉放春満園」だ。習主席は2013年に中国版ダボスフォーラムと呼ばれるボアオフォーラムで世界経済協力を強調しながらこの言葉を引用している。2014年7月3日付中央日報には習主席の特別寄稿文が掲載されたが、その時にも習主席はこの文を再び使った。
「『花が一輪だけ咲いたのではまだ春ではない。あらゆる花が一斉に咲いてこそ真の春だ』という言葉があります。国際金融危機の深い影響が完全に去っていない状況で中韓両国は同じ船に乗り川を渡っています。ともに組んで困難を克服し、地域の発展を導き、アジアの繁栄と振興に向け寄与しなければなりません」(2014年7月3日付)。
文大統領と李首相の会談に同席した中国参謀は文大統領を初めて見る人が大部分だった。倍席者の表情は冷ややかで、文大統領がどんな人なのか試してみようという表情だったという。だが文大統領は習主席がしばしば言及する言葉を引用するとうなずいたという。
◇アイルランド系後裔のバイデン氏にはアイルランドの詩で
文大統領は12日に米大統領に当選したジョー・バイデン氏と通話をしながら過去に贈られた詩集の詩句を出した。青瓦台核心関係者は「(文大統領はバイデン氏との電話で)シェイマス・ヒーニーの詩を引用した。『歴史は語る』から始まる詩だが、この部分を大統領が引用して祝った」と話した。
ヒーニーの「トロイの癒し」という題名の詩だ。「生涯で一度、待ち望まれた正義の津波が巻き起こり、希望と歴史が一致することがありうる」という一節で有名だ。バイデン氏は2008年にオバマ前大統領の副大統領提案を受諾し「若いオバマは希望で、年輪が多い私は歴史」と話した。文大統領はバイデン氏との電話で「いまやあなたは希望であり歴史になった」として祝ったという。
ロックバンドU2のリーダー、ボノは昨年12月に訪韓し文大統領にシェイマス・ヒーニーの詩集を贈った。ボノとヒーニーはどちらもアイルランド人だ。バイデン氏はアイルランド移民者の末裔で、ヒーニーの氏を暗誦できるほど好きだという。バイデン氏が文大統領の祝いに耳を傾けた理由だ。
14日にオンラインで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)+3(韓日中)首脳会議。 同席した参謀が演説を見ながらあわてて頭を上げて文大統領を見つめた瞬間があったという。文大統領が冒頭発言で「特に日本の菅首相、会えてうれしいです」と話した時だった。あらかじめ作成された演説文に含まれていなかった文言だったためだ。大統領が首脳会議で演説文にない内容を述べるのはよくあることではない。多国間首脳会議で特定国の首脳を指してあいさつをしたのも異例だ。
日本の菅義偉首相に向けた文大統領の歓迎あいさつの後、他国の首脳らも同様の方式で菅首相に「うれしい」とあいさつをしたという。文大統領のあいさつがASEAN+3首脳会議に初めて参加した菅首相に各国首脳の関心が集中する契機になったのだ。また、最初の発言者だった文大統領が菅首相にあいさつをせず他の首脳があいさつをした場合には冷え込んだ韓日関係のためという誤解を生じさせなかねない状況も避けることができた。結果的に文大統領が演説文になかったあいさつで冷え込んだ韓日関係を解決しようとする努力を見せたとの評価が出てきた。青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)関係者は「外交に対する文大統領の瞬発力が発揮された」と話した。
◇トランプ大統領が圧迫すると「民主主義、米国に学んだ」
文大統領は首脳会議で相手国を称賛する言葉で雰囲気を和らげたりもした。2017年6月に文大統領とトランプ大統領の初の韓米首脳会談でもそうしたという。非公開で行われた拡大首脳会談でトランプ大統領は貿易不均衡問題を取り上げて韓国代表団を圧迫した。韓米自由貿易協定(FTA)発効後に米国の対韓赤字が2倍以上増えたとし、自動車と鉄鋼を例に挙げた。
特に当時は知らされていなかったが、トランプ大統領は激しい表現まで使って不満を表出したという。その時文大統領は「韓国の経済発展と、特に民主主義は米国から学んだもの」としながら米国が韓国に友邦以上の意味があると強調したという。するとトランプ大統領の激高はやや和らいだという。
文大統領はまた、拡大首脳会談に同席した当時の張夏成(チャン・ハソン)政策室長をトランプ大統領に紹介し、「張室長はあなたと同じウォートンスクール(米ペンシルバニア大学経営大学院)出身」と説明した。張室長は当時会談で米国側の主張を防御する役割を担当したが、2人が同窓であることを強調し交渉ムードを和らげるためだ。会談が激しい舌戦で熱くなった時も張室長が「これからは英語で話す」と述べると、トランプ大統領は「おぉ、ウォートンスクール! 賢い人だ」とジョークを飛ばして会談場に笑いが起きたりもした。
◇習近平主席の文章引用し李克強首相と対話ほぐす
文大統領は2017年11月の韓中会談で、習近平国家主席がしばしば引用した言葉を言及しながら李克強首相との対話を解いていった。文大統領は当時「中国古典で『花が一輪だけ咲いたのではまだ春ではない。あらゆる花が一斉に咲いてこそ真の春だ』という言葉を見た。李首相との会談が多様な実質協議の多様な花を咲かせられるように肥沃な土壌を作る契機になることを希望する」と話した。
文大統領が引用した言葉は明の時代に編さんされた格言集「増広賢文」に出てくる。原文は「一花独放不是春百花斉放春満園」だ。習主席は2013年に中国版ダボスフォーラムと呼ばれるボアオフォーラムで世界経済協力を強調しながらこの言葉を引用している。2014年7月3日付中央日報には習主席の特別寄稿文が掲載されたが、その時にも習主席はこの文を再び使った。
「『花が一輪だけ咲いたのではまだ春ではない。あらゆる花が一斉に咲いてこそ真の春だ』という言葉があります。国際金融危機の深い影響が完全に去っていない状況で中韓両国は同じ船に乗り川を渡っています。ともに組んで困難を克服し、地域の発展を導き、アジアの繁栄と振興に向け寄与しなければなりません」(2014年7月3日付)。
文大統領と李首相の会談に同席した中国参謀は文大統領を初めて見る人が大部分だった。倍席者の表情は冷ややかで、文大統領がどんな人なのか試してみようという表情だったという。だが文大統領は習主席がしばしば言及する言葉を引用するとうなずいたという。
◇アイルランド系後裔のバイデン氏にはアイルランドの詩で
文大統領は12日に米大統領に当選したジョー・バイデン氏と通話をしながら過去に贈られた詩集の詩句を出した。青瓦台核心関係者は「(文大統領はバイデン氏との電話で)シェイマス・ヒーニーの詩を引用した。『歴史は語る』から始まる詩だが、この部分を大統領が引用して祝った」と話した。
ヒーニーの「トロイの癒し」という題名の詩だ。「生涯で一度、待ち望まれた正義の津波が巻き起こり、希望と歴史が一致することがありうる」という一節で有名だ。バイデン氏は2008年にオバマ前大統領の副大統領提案を受諾し「若いオバマは希望で、年輪が多い私は歴史」と話した。文大統領はバイデン氏との電話で「いまやあなたは希望であり歴史になった」として祝ったという。
ロックバンドU2のリーダー、ボノは昨年12月に訪韓し文大統領にシェイマス・ヒーニーの詩集を贈った。ボノとヒーニーはどちらもアイルランド人だ。バイデン氏はアイルランド移民者の末裔で、ヒーニーの氏を暗誦できるほど好きだという。バイデン氏が文大統領の祝いに耳を傾けた理由だ。
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