「できるだけ早く私とお母さん、妹がマカオから脱出できるように助けてほしい」
2017年2月14日反北朝鮮団体「自由朝鮮」のリーダー、エイドリアン・ホン・チャン氏(36)に差し迫った電話一通がかかってきた。4年間北朝鮮関連情報を交換してきた相手だった。彼は自身がマカオで身辺を脅かされているとして逃避を助けてほしいと求めた。彼が金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の異母兄である金正男(キム・ジョンナム)氏の息子、ハンソル氏だった。
韓国系在米作家であるスキ・キム氏が16日(現地時間)、ホン・チャン氏とのインタビューに基づいて3年前金正男暗殺事件が発生した直後、彼の息子キム・ハンソル氏と家族が逃避する過程を公開した。米国週刊誌「ザ・ニューヨーカー」の寄稿を通じてだ。ホン・チャン氏は2019年2月、駐スペイン北朝鮮大使館を襲撃して米捜査当局の手配を受けている。
寄稿によると、ホン・チャン氏とハンソル氏は2013年パリで出会った。ホン・チャン氏はハンソル氏を「ブランド・グッチの靴を履いた、お金持ちの子供」と記憶した。初対面でハンソル氏は「あなたが北朝鮮について何をしているかを知っている」と話した。その後、2人は北朝鮮の情報を交換するために持続的に連絡を取った。
ハンソル氏がホン・チャン氏に助けを求めたのは2017年2月14日夜。金正男氏が殺害されて一日が過ぎてからだった。ハンソル氏は自身の家を守ってきたマカオ警察が消えたことを見て危険を感じた。
直ちにホン・チャン氏に電話をかけて状況を知らせた。ホン・チャン氏は「ハンソル氏をめぐる『ゼロサムゲーム』が始まったことを直感した」と話した。ホン・チャン氏は自由朝鮮でともに活動してきた韓国系米国人、クリストファー・アン氏(38、クリス)に助けを求めた。おりしもフィリピン・マニラに滞在していたクリス氏は直ちにタイペイ空港へ向かった。
15日早朝、台北空港でクリス氏とハンソル氏が会った。二人は暗号「スティーブ」で身分を確認した。ハンソル氏は身長178センチで長袖のシャツとコートを着ていた。ハンソル氏の妹はジーンズ姿で典型的な米国の10代後半の青少年のように見えたという。
二人は英語が流ちょうだったが、彼らの母とは韓国語で対話した。彼らはマスクで顔を隠していた。ハンソル氏は家族に「ホン・チャン氏が送った人だ。私は彼を信じる」と安心させた。対北朝鮮消息筋はハンソル氏はキム・ソルヒという妹がいると伝えた。
クリス氏とハンソル氏は空港ラウンジのファミリールームに留まった。緊張を解くために声をかけるクリス氏にハンソル氏は祖父である金正日(キム・ジョンイル)総書記と釣りをしたエピソードを紹介した。ハンソル氏の妹はクリス氏が手渡したアイパッドでネットフリックスを視聴した。同じ時刻、ホン・チャン氏は米国でハンソル氏家族を受け入れられる国家3カ所と接触した。
15日夜、一国家からハンソル氏家族を受け入れると知らせてきた。ホン・チャン氏がオランダ・アムステルダムの郊外にあるスキポール空港へ向かう飛行機チケット3枚を購入し、ハンソル氏家族も乗り場に移動した。
だが、空港職員はハンソル氏側が差し出したパスポートを確認すると「搭乗するには遅すぎた」として阻止した。それから数時間後、自分たちを米中央情報局(CIA)要員だと明らかにした男性2人がクリス氏を訪ねてきてハンソル氏との面会を求めたが、クリス氏が斡旋しなかった。
翌日の朝、ハンソル氏家族は空港職員に助けられてアムステルダム行きの新しいチケットを購入した。ハンソル氏は搭乗前自身の状況を明らかにしてオランダや米国、中国に感謝するという内容が入ったビデオ動画を撮影した。2017年3月8日自由朝鮮が「千里馬民間防衛」のユーチューブを通じて公開した動画だった。
「CIA、台湾で金正男氏の息子・ハンソル氏と接触を試み…アムステルダムから連れていったかも」(2)
2017年2月14日反北朝鮮団体「自由朝鮮」のリーダー、エイドリアン・ホン・チャン氏(36)に差し迫った電話一通がかかってきた。4年間北朝鮮関連情報を交換してきた相手だった。彼は自身がマカオで身辺を脅かされているとして逃避を助けてほしいと求めた。彼が金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の異母兄である金正男(キム・ジョンナム)氏の息子、ハンソル氏だった。
韓国系在米作家であるスキ・キム氏が16日(現地時間)、ホン・チャン氏とのインタビューに基づいて3年前金正男暗殺事件が発生した直後、彼の息子キム・ハンソル氏と家族が逃避する過程を公開した。米国週刊誌「ザ・ニューヨーカー」の寄稿を通じてだ。ホン・チャン氏は2019年2月、駐スペイン北朝鮮大使館を襲撃して米捜査当局の手配を受けている。
寄稿によると、ホン・チャン氏とハンソル氏は2013年パリで出会った。ホン・チャン氏はハンソル氏を「ブランド・グッチの靴を履いた、お金持ちの子供」と記憶した。初対面でハンソル氏は「あなたが北朝鮮について何をしているかを知っている」と話した。その後、2人は北朝鮮の情報を交換するために持続的に連絡を取った。
ハンソル氏がホン・チャン氏に助けを求めたのは2017年2月14日夜。金正男氏が殺害されて一日が過ぎてからだった。ハンソル氏は自身の家を守ってきたマカオ警察が消えたことを見て危険を感じた。
直ちにホン・チャン氏に電話をかけて状況を知らせた。ホン・チャン氏は「ハンソル氏をめぐる『ゼロサムゲーム』が始まったことを直感した」と話した。ホン・チャン氏は自由朝鮮でともに活動してきた韓国系米国人、クリストファー・アン氏(38、クリス)に助けを求めた。おりしもフィリピン・マニラに滞在していたクリス氏は直ちにタイペイ空港へ向かった。
15日早朝、台北空港でクリス氏とハンソル氏が会った。二人は暗号「スティーブ」で身分を確認した。ハンソル氏は身長178センチで長袖のシャツとコートを着ていた。ハンソル氏の妹はジーンズ姿で典型的な米国の10代後半の青少年のように見えたという。
二人は英語が流ちょうだったが、彼らの母とは韓国語で対話した。彼らはマスクで顔を隠していた。ハンソル氏は家族に「ホン・チャン氏が送った人だ。私は彼を信じる」と安心させた。対北朝鮮消息筋はハンソル氏はキム・ソルヒという妹がいると伝えた。
クリス氏とハンソル氏は空港ラウンジのファミリールームに留まった。緊張を解くために声をかけるクリス氏にハンソル氏は祖父である金正日(キム・ジョンイル)総書記と釣りをしたエピソードを紹介した。ハンソル氏の妹はクリス氏が手渡したアイパッドでネットフリックスを視聴した。同じ時刻、ホン・チャン氏は米国でハンソル氏家族を受け入れられる国家3カ所と接触した。
15日夜、一国家からハンソル氏家族を受け入れると知らせてきた。ホン・チャン氏がオランダ・アムステルダムの郊外にあるスキポール空港へ向かう飛行機チケット3枚を購入し、ハンソル氏家族も乗り場に移動した。
だが、空港職員はハンソル氏側が差し出したパスポートを確認すると「搭乗するには遅すぎた」として阻止した。それから数時間後、自分たちを米中央情報局(CIA)要員だと明らかにした男性2人がクリス氏を訪ねてきてハンソル氏との面会を求めたが、クリス氏が斡旋しなかった。
翌日の朝、ハンソル氏家族は空港職員に助けられてアムステルダム行きの新しいチケットを購入した。ハンソル氏は搭乗前自身の状況を明らかにしてオランダや米国、中国に感謝するという内容が入ったビデオ動画を撮影した。2017年3月8日自由朝鮮が「千里馬民間防衛」のユーチューブを通じて公開した動画だった。
「CIA、台湾で金正男氏の息子・ハンソル氏と接触を試み…アムステルダムから連れていったかも」(2)
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