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バーチャル世界を描くSMエンタ、6年ぶりの新ガールズグループ「aespa」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

SMエンターテインメントが6年ぶりに公開した新たなガールズグループ「aespa」。 [写真 SMエンターテインメント]

今年の歌謡界最大の期待作のひとつに選ばれたSMエンターテインメントの新たなガールズグループがベールを脱いだ。17日に正式デビューする4人組「aespa」(エスパ)だ。aespaに歌謡界の関心が集まったのは、これまでSMが出したガールズグループが今後の市場の方向舵になることが多かったためだ。

代表的な事例が1997年のS.E.Sと2007年の少女時代だ。これらはそれぞれ第1世代と第2世代のガールズグループ時代幕開けを告げる先導的役割をした。S.E.Sが10~20代の男性を攻略する本格的なガールズグループの始まりだとすると、少女時代は9人のメンバーで登場し多人数ガールズグループの時代を開いた。

SMがRed Velvet(レッドベルベット)以来6年ぶりに出撃させたaespaもやはりこれまでとは全く違う新しいガールズグループのコンセプトを示している。カリナとウィンター(韓国)、ジゼル(日本)、ニンニン(中国)の多国籍4人組で構成されているが、彼女らのまた別の自我であるアバター4人が追加されている。4人組であり8人組ともいえる独特な構造だ。


11日にユーチューブを通じて公開されたティーザー映像「SYNK,KARINA」では現実世界の中でメンバーのカリナが仮想世界にいるアバター「ae-KARINA」(アイ・カリナ)とつながり、一緒に踊ってコミュニケーションする内容が描かれた。彼女らは人工知能システムである「NAVIS」(ナビス)の助けを受けて互いに会うことができ、一緒にストーリーを作りながら世界観を拡張する方式で活動が進められる予定だ。チーム名「aespa」も「Avatar X Experience)」から付けられた。「ae」と両面という意味の英単語「aspect」を結合したというのがSMエンターテインメントの説明だ。

SMは新たな試みに対して少し前にそっと暗示していた。

SMエンターテインメントのイ・スマン総括プロデューサーは9月11日、ベトナムのハノイで開かれた「韓国ベトナムビジネス協力セミナー」で、「私とSMが見つめる未来社会は『セレブリティの社会』そして『ロボットの社会』の大きく2種類だ」と強調した。その上で、「今後AIとロボットを通じて個人化された数多くのアバターが生まれ、これを基に未来に超巨大バーチャル帝国が現れると予想する」と付け加えた。「バーチャル」とは「事実とほとんど変わらない」または「仮想の」という意味を持っている。

SMは技術を活用した革新的な試みを何回も見せた。これに先立ち5月にはSUPER JUNIOR(スーパージュニア)の「Beyond the SUPER SHOW」ではAR技術を使ってメンバーのシウォンが画面からステージに巨大化して飛び出してくるような場面を演出して新鮮な衝撃を抱かせたかと思えば、2013年には江南(カンナム)駅で少女時代のホログラムVコンサートを開いて話題を集めた。また、2017年にも3DオーディオVRを利用してレコーディングルームでファンとEXO(エクソ)のメンバーが一緒に音楽を鑑賞するようなバーチャルリアリティを公開したりもした。ここには米国でコンピュータ工学科修士学位を取得したイ・スマン総括プロデューサーの履歴も作用したという。

これまでにもバーチャル世界を組み合わせた試みはなかったわけではない。1998年に韓国のサイバー歌手第1号としてデビューしたAdam(アダム)が代表的だ。最近も人気ゲーム「リーグ・オブ・レジェンズ」のキャラクターのアーリ、カイ=サ、イブリン、アカリで構成された仮想ガールズグループの「K/DA」がデビューしたりもした。ただaespaの場合、実存メンバーと共存するという点で違いがある。大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は、「過去のAdamなどのサイバー歌手の場合には技術力不足で表現できる限界が明確だったため活動を持続させにくかった。だが各種ITの発達によりVR(バーチャルリアリティ)など拡張現実まで実現できるようになった現在はアバターメンバーが実際のメンバーと同じステージで公演することまで可能になるだろう」と予想した。

これは最近話題になっているメタバースとも近い。メタバースは現実社会をデジタルで複製しながら回る仮想の世界だ。グラフィック、クラウド、VRなどが発展した上に、新型コロナウイルスの感染拡大で非対面文化が流行して急速に拡散している。先月ネイバーZはビッグヒットエンターテインメントとYGエンターテインメントから総額120億ウォン規模の投資を誘致した。ネイバーZは拡張現実(AR)アバターアプリ「ZEPETO」(ゼペット)を運営する会社だ。

芸能界ではアバターを利用した各種キャラクター事業がさらに大きくなるとみている。ある芸能事務所関係者は「アイドルのアバターを活用すれば各種視空間の制約をすべて乗り越えることができる。さらに各自がお気に入りのアイドルのアバターと自分の部屋で2人きりで対話しオーダーメード型公演を観覧することまで可能だ。その拡張性は無限大に近い」と期待した。

だが興行が成功するかに対しては慎重な見方もある。文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「AIの発達により過度に人間と酷似した仮想の存在が出てくることに対し大衆の恐れも明らかに共存している。あまりにも酷似した3Dキャラクターよりは2次元キャラクターに親近感を感じる理由も同じこと。aespaの試みは新鮮だが技術発達に対する反感を克服することがひとつの課題になるだろう」と話した。



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