ジョー・バイデン米大統領時代がもうすぐ開かれる。世界経済・通商舞台の「第1人者」米国の指揮者が変わる大きな変数だ。9日、バイデン氏の通商・経済政策を予想する緊急座談会を開いた。
専門家らの診断は同じ方向だった。「予測の可能性は高まった。それでも韓国に友好的なことばかりではない。楽観論は危険だ」。
座談会には朴泰鎬(パク・テホ)法務法人広場国際通商研究院長(元通商交渉本部長)、崔晳泳(チェ・ソクヨン)外交部経済通商大使、チョ・ヨンムLG経済研究院研究委員が出席した。朴院長が司会を務めた。
朴氏=バイデン政権の政策が世界経済に及ぼす影響は。
チョ氏=民主党は増税して支出も増やす「大きな政府」の基調を見せてきた。ところが選挙の結果、大統領は民主党であり、上院は共和党が守った。増税や財政拡大の規模は予想ほど大きくならない可能性がある。それでも財政支出が増えるはずだが、量よりも内容が重要だ。トランプ大統領はシェールガス、石油、化学など伝統的な社会間接資本(SOC)投資を重視した。バイデン氏は新・再生可能エネルギー、電気自動車などに対する支出の比率を増やすと予想する。この分野で韓国企業のチャンスはそれほど多くないかもしれない。バイデン氏の核心公約は、米国企業に投資の結果がもたらされるようにするというものだった。
朴氏=韓国企業の対応は。
チョ氏=予測の可能性が高まったが、韓国には負担になるかもしれない。トランプ大統領はトップダウン(上が決めて下が実行)方式でしてきたが、バイデン氏は実務陣から上がってきた政策を実行していくだろう。いくつかピンセット規制に対する準備を細かくする必要がある。北朝鮮の立場では米国が関心を向けないと感じる状況になるかもしれない。過去にはそのたびに北朝鮮はミサイル発射試験や核実験をした。国内企業は(北朝鮮の挑発が)増える可能性に対応する必要がある。
朴氏=保護貿易政策を駆使するという話が出ている。
崔氏=トランプ大統領とバイデン氏の通商政策において似ている点は、自国優先主義と不公正貿易慣行の抑制だ。米国の製造業に多くの恩恵を与え、米国の外に投資する企業に懲罰的な課税をする政策だ。政府の調達において米国企業優待政策をすると予想される。異なる点としては、対中国関係においてトランプ式の一方的な圧力政策よりも、規範と国際協力を強調すると予想している。トランプ大統領は通商拡大法232条に基づき中国産の鉄鋼・アルミニウムに懲罰的課税をしたが、バイデン氏は政策の見直しをするようだ。スーパー301条に基づいて中国に関税も賦課したが、バイデン氏はこれをずっと批判してきた。ただ、中国の産業補助金、不公正貿易、知識財産権などに対しては民主・共和党ともに共通した問題意識を持っている。
朴氏=関税以外の手段は。
崔氏=世界貿易機関(WTO)をまた活性化する努力をするとみている。合意、規範に基づく貿易秩序を確立するのに、より多くの努力をすると期待している。
朴氏=トランプ大統領とは違い、米中が協力する分野もあるはずだが。
崔氏=環境の分野で共に進むことができる部分もあるが、中国が圧力を受ける部分も多い。炭素税の導入も発展途上国や中国の立場では費用が多くかかる可能性がある。温室効果ガス排出量を減らさなければ反ダンピング関税のような税金を課される。
チョ氏=米国は民主党・共和党を問わず先端産業において中国の崛起を阻止すべきという認識がある。韓国にも適用されるかもしれない。必ずしも輸出環境が良くなるとはみていない。労働、環境、知的財産権など米国が強い部分でピンセット方式で改善要求を受ける可能性がある。最近、ベトナムが為替操作国の対象に入った。今後、通商環境が改善するという楽観論は危険だ。
朴氏=WTOが厳しい状況だ。上級委員会を新しく選出することもできず、事務局長の選挙も遅れている。総体的改革の措置があるだろうか。
崔氏=バイデン氏の当選で米国が欧州連合(EU)と協力して具体的な改革案を出すだろうという期待感がある。誰がWTO事務局長がなろうと、まひしたWTOの司法・立法機能を復活させ、新しい議題を提示し、期間を持って交渉していくことが重要だ。
朴氏=米国がまたリーダーシップを見せ、自由貿易を重視する同盟国と共にすれば、WTO改革にプラスになる可能性がある。すぐに変わることはないだろうが、不確実性が薄れたという点で希望がある。
崔氏=トランプ大統領は環太平洋経済連携協定(TPP)を一方的に脱退した。韓国はTPP、包括的及び先進的なTPP協定(CPTPP)ともに入っていない。米国がTPPに再加盟したりCPTPPを修正する方式で地域貿易協定に参加すれば、韓国も一緒にするのが望ましい。韓国のように貿易依存度が高い国の場合、特恵貿易地帯が近隣地域に生じれば、その外側にいるよりも内側に入るのが絶対的に有利であるからだ。
専門家らの診断は同じ方向だった。「予測の可能性は高まった。それでも韓国に友好的なことばかりではない。楽観論は危険だ」。
座談会には朴泰鎬(パク・テホ)法務法人広場国際通商研究院長(元通商交渉本部長)、崔晳泳(チェ・ソクヨン)外交部経済通商大使、チョ・ヨンムLG経済研究院研究委員が出席した。朴院長が司会を務めた。
朴氏=バイデン政権の政策が世界経済に及ぼす影響は。
チョ氏=民主党は増税して支出も増やす「大きな政府」の基調を見せてきた。ところが選挙の結果、大統領は民主党であり、上院は共和党が守った。増税や財政拡大の規模は予想ほど大きくならない可能性がある。それでも財政支出が増えるはずだが、量よりも内容が重要だ。トランプ大統領はシェールガス、石油、化学など伝統的な社会間接資本(SOC)投資を重視した。バイデン氏は新・再生可能エネルギー、電気自動車などに対する支出の比率を増やすと予想する。この分野で韓国企業のチャンスはそれほど多くないかもしれない。バイデン氏の核心公約は、米国企業に投資の結果がもたらされるようにするというものだった。
朴氏=韓国企業の対応は。
チョ氏=予測の可能性が高まったが、韓国には負担になるかもしれない。トランプ大統領はトップダウン(上が決めて下が実行)方式でしてきたが、バイデン氏は実務陣から上がってきた政策を実行していくだろう。いくつかピンセット規制に対する準備を細かくする必要がある。北朝鮮の立場では米国が関心を向けないと感じる状況になるかもしれない。過去にはそのたびに北朝鮮はミサイル発射試験や核実験をした。国内企業は(北朝鮮の挑発が)増える可能性に対応する必要がある。
朴氏=保護貿易政策を駆使するという話が出ている。
崔氏=トランプ大統領とバイデン氏の通商政策において似ている点は、自国優先主義と不公正貿易慣行の抑制だ。米国の製造業に多くの恩恵を与え、米国の外に投資する企業に懲罰的な課税をする政策だ。政府の調達において米国企業優待政策をすると予想される。異なる点としては、対中国関係においてトランプ式の一方的な圧力政策よりも、規範と国際協力を強調すると予想している。トランプ大統領は通商拡大法232条に基づき中国産の鉄鋼・アルミニウムに懲罰的課税をしたが、バイデン氏は政策の見直しをするようだ。スーパー301条に基づいて中国に関税も賦課したが、バイデン氏はこれをずっと批判してきた。ただ、中国の産業補助金、不公正貿易、知識財産権などに対しては民主・共和党ともに共通した問題意識を持っている。
朴氏=関税以外の手段は。
崔氏=世界貿易機関(WTO)をまた活性化する努力をするとみている。合意、規範に基づく貿易秩序を確立するのに、より多くの努力をすると期待している。
朴氏=トランプ大統領とは違い、米中が協力する分野もあるはずだが。
崔氏=環境の分野で共に進むことができる部分もあるが、中国が圧力を受ける部分も多い。炭素税の導入も発展途上国や中国の立場では費用が多くかかる可能性がある。温室効果ガス排出量を減らさなければ反ダンピング関税のような税金を課される。
チョ氏=米国は民主党・共和党を問わず先端産業において中国の崛起を阻止すべきという認識がある。韓国にも適用されるかもしれない。必ずしも輸出環境が良くなるとはみていない。労働、環境、知的財産権など米国が強い部分でピンセット方式で改善要求を受ける可能性がある。最近、ベトナムが為替操作国の対象に入った。今後、通商環境が改善するという楽観論は危険だ。
朴氏=WTOが厳しい状況だ。上級委員会を新しく選出することもできず、事務局長の選挙も遅れている。総体的改革の措置があるだろうか。
崔氏=バイデン氏の当選で米国が欧州連合(EU)と協力して具体的な改革案を出すだろうという期待感がある。誰がWTO事務局長がなろうと、まひしたWTOの司法・立法機能を復活させ、新しい議題を提示し、期間を持って交渉していくことが重要だ。
朴氏=米国がまたリーダーシップを見せ、自由貿易を重視する同盟国と共にすれば、WTO改革にプラスになる可能性がある。すぐに変わることはないだろうが、不確実性が薄れたという点で希望がある。
崔氏=トランプ大統領は環太平洋経済連携協定(TPP)を一方的に脱退した。韓国はTPP、包括的及び先進的なTPP協定(CPTPP)ともに入っていない。米国がTPPに再加盟したりCPTPPを修正する方式で地域貿易協定に参加すれば、韓国も一緒にするのが望ましい。韓国のように貿易依存度が高い国の場合、特恵貿易地帯が近隣地域に生じれば、その外側にいるよりも内側に入るのが絶対的に有利であるからだ。
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