◆バイデン氏当選後の情勢は…韓半島平和作り緊急座談
米国大統領選挙投票から5日の間で逆転に逆転を重ねた末、ジョー・バイデン民主党候補の勝利が確定した。ドナルド・トランプ大統領の不服訴訟という変数は残っているが、現在のところ来年1月20日にバイデン氏が第46代米国大統領に就任することになる可能性が高い。バイデン政権の発足は、過去4年間、韓半島(朝鮮半島)情勢を規定してきた主要前提条件の変化を意味する。米中戦略競争が深刻化し、韓半島非核化政策に対する大々的な修正が予想されていて、韓国政府もまた備えが必要だ。
財団法人「韓半島平和作り」〔理事長・洪錫ヒョン(ホン・ソクヒョン)〕は8日午前、緊急シンポジウムを開いて「米国大統領選挙以降の情勢展望」という主題で、バイデン政府執権以降の米中戦略競争の行方を予測し、韓半島問題に対する代案を考える場を用意した。シンポジウムには高麗(コリョ)大学の金聖翰(キム・ソンハン)教授、韓半島フォーラムの朴英鎬(パク・ヨンホ)委員長、北朝鮮大学院大学の安豪栄(アン・ホヨン)総長、魏聖洛(ウィ・ソンラク)元駐ロシア大使、尹永寛(ユン・ヨングァン)元外交部長官(カナダラ順)が出席し、中央日報論説委員兼コンテンツ製作エディターのキム・スジョン氏の司会で討論が行われた。
--トランプ政府の遺産(レガシー)と今回の大統領選挙の意味は。
尹永寛氏「トランプ大統領の統治キーワードは怒りだった。大統領選挙当時から『ラストベルト(さびついた工業地帯)』の低学歴白人労働者の怒りが原動力となって当選し、彼ら支持層を意識しながら過去4年間政治を行ってきた。その結果、世界秩序は不安定・不確かになり、同盟は弱まり、米国が代弁した自由主義的価値は損なわれた。米国国内的には分裂が深刻化した。今このような状態を一旦落ち着かせる状況がやってきたが、果たしてバイデン政府がさまざまな困難や後遺症、混乱を十分に克服できるかは大きな課題だ」
魏聖洛氏「トランプ大統領は反体制的ポピュリズムに基づいて執権し統治した。そのようなアプローチは米国の伝統的な大統領とは距離がある、異端的なものだった。しかし注目すべきことは、ポピュリズムとトランピズムはいまだに相当盤石であるため、バイデン大統領の将来は順調とは言えない」
安豪栄氏「最近、米国の人々が口々に言うのは『トランプが負けてもトランピズムは残っている』ということだ。米国の孤立主義の伝統は非常に強い。トランピズムと米国の伝統的孤立主義が結合した状況だが、このような状況でバイデン氏は難しい課題に取り組むことになった」
--バイデン氏の優先課題、次期政府に対する期待は。
魏氏「まず新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)への対応が喫緊の課題だ。また、経済をどのように復興させるかだ。最後に『和合』が最も主要な課題になるのではないだろうか。バイデン氏が僅差で選挙に勝ったが、東北部と西部を中心とした『自由主義・国際主義的米国』があり、中部と南部を中心にした『米国第一(アメリカファースト)主義』に基盤を置く孤立主義的米国がある。この勢力はほぼ拮抗している。彼らを和合させることが最も急がれる」
安豪栄氏「バイデン氏が昨日、ゴールデンタイムにテレビに出演して4つのイシューについて話をした。第一は新型コロナのパンデミック状況、第二は経済危機、第三は人種和合、第四は気候変動だった。これがバイデン政府の主要優先順位課題になると考える」
--米中葛藤状況で、バイデン氏はどのように中国を扱うだろうか。
尹永寛氏「基本的にトランプ氏が国際政治でのリーダーシップを放棄して『力の空白』ができ、そこに別のアクター(中国)が力を使って新しいルールを作った。バイデン氏はこのような状況が決して米国に利益にならないと考えているようだ。これに対する米国の基本戦略は多国間主義だ。他の民主主義国家と共に、中国・ロシア・北朝鮮などに対して圧迫を加えて国際政治秩序の回復を図る考えのようだ」
金聖翰氏「多国間主義と多国間協力を区分し、中国を政治・軍事的に圧迫するために同盟国との多国間主義的連合を図るだろう。反面、気候変動など人類の普遍的福祉に影響を与えることができる衛生・安全保障問題では中国と協力するものとみられる。経済的側面では、根本的に中国を世界貿易機関(WTO)などの国際体制から排除することは自制する見通しだ。核心キーワードは『技術覇権』だが、この問題と伝統問題を分離し、特に5GやAIなどの技術で徹底して中国を排除する戦略を駆使するだろう」
魏聖洛氏「バイデン氏も今の対中けん制政策を維持するのではないだろうか。トランプ政策に対しては賛否両論あるが、中国政策だけは大規模な支持を得た。そのため全体的な基調は維持されるものとみられる。ただし、指導者の間の関係を見ると、バイデン氏と習近平中国国家主席は、オバマ政府時代の米中関係に対して互いに直接額を突き合わせて扱ったことがある。その時に蓄積されたものがあるため、リーダーシップ次元での介入があれば妥協点を探る可能性が残っていると予想する」
バイデン当選後の韓半島情勢…「韓日関係にはどのような影響があるか」(2)
米国大統領選挙投票から5日の間で逆転に逆転を重ねた末、ジョー・バイデン民主党候補の勝利が確定した。ドナルド・トランプ大統領の不服訴訟という変数は残っているが、現在のところ来年1月20日にバイデン氏が第46代米国大統領に就任することになる可能性が高い。バイデン政権の発足は、過去4年間、韓半島(朝鮮半島)情勢を規定してきた主要前提条件の変化を意味する。米中戦略競争が深刻化し、韓半島非核化政策に対する大々的な修正が予想されていて、韓国政府もまた備えが必要だ。
財団法人「韓半島平和作り」〔理事長・洪錫ヒョン(ホン・ソクヒョン)〕は8日午前、緊急シンポジウムを開いて「米国大統領選挙以降の情勢展望」という主題で、バイデン政府執権以降の米中戦略競争の行方を予測し、韓半島問題に対する代案を考える場を用意した。シンポジウムには高麗(コリョ)大学の金聖翰(キム・ソンハン)教授、韓半島フォーラムの朴英鎬(パク・ヨンホ)委員長、北朝鮮大学院大学の安豪栄(アン・ホヨン)総長、魏聖洛(ウィ・ソンラク)元駐ロシア大使、尹永寛(ユン・ヨングァン)元外交部長官(カナダラ順)が出席し、中央日報論説委員兼コンテンツ製作エディターのキム・スジョン氏の司会で討論が行われた。
--トランプ政府の遺産(レガシー)と今回の大統領選挙の意味は。
尹永寛氏「トランプ大統領の統治キーワードは怒りだった。大統領選挙当時から『ラストベルト(さびついた工業地帯)』の低学歴白人労働者の怒りが原動力となって当選し、彼ら支持層を意識しながら過去4年間政治を行ってきた。その結果、世界秩序は不安定・不確かになり、同盟は弱まり、米国が代弁した自由主義的価値は損なわれた。米国国内的には分裂が深刻化した。今このような状態を一旦落ち着かせる状況がやってきたが、果たしてバイデン政府がさまざまな困難や後遺症、混乱を十分に克服できるかは大きな課題だ」
魏聖洛氏「トランプ大統領は反体制的ポピュリズムに基づいて執権し統治した。そのようなアプローチは米国の伝統的な大統領とは距離がある、異端的なものだった。しかし注目すべきことは、ポピュリズムとトランピズムはいまだに相当盤石であるため、バイデン大統領の将来は順調とは言えない」
安豪栄氏「最近、米国の人々が口々に言うのは『トランプが負けてもトランピズムは残っている』ということだ。米国の孤立主義の伝統は非常に強い。トランピズムと米国の伝統的孤立主義が結合した状況だが、このような状況でバイデン氏は難しい課題に取り組むことになった」
--バイデン氏の優先課題、次期政府に対する期待は。
魏氏「まず新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)への対応が喫緊の課題だ。また、経済をどのように復興させるかだ。最後に『和合』が最も主要な課題になるのではないだろうか。バイデン氏が僅差で選挙に勝ったが、東北部と西部を中心とした『自由主義・国際主義的米国』があり、中部と南部を中心にした『米国第一(アメリカファースト)主義』に基盤を置く孤立主義的米国がある。この勢力はほぼ拮抗している。彼らを和合させることが最も急がれる」
安豪栄氏「バイデン氏が昨日、ゴールデンタイムにテレビに出演して4つのイシューについて話をした。第一は新型コロナのパンデミック状況、第二は経済危機、第三は人種和合、第四は気候変動だった。これがバイデン政府の主要優先順位課題になると考える」
--米中葛藤状況で、バイデン氏はどのように中国を扱うだろうか。
尹永寛氏「基本的にトランプ氏が国際政治でのリーダーシップを放棄して『力の空白』ができ、そこに別のアクター(中国)が力を使って新しいルールを作った。バイデン氏はこのような状況が決して米国に利益にならないと考えているようだ。これに対する米国の基本戦略は多国間主義だ。他の民主主義国家と共に、中国・ロシア・北朝鮮などに対して圧迫を加えて国際政治秩序の回復を図る考えのようだ」
金聖翰氏「多国間主義と多国間協力を区分し、中国を政治・軍事的に圧迫するために同盟国との多国間主義的連合を図るだろう。反面、気候変動など人類の普遍的福祉に影響を与えることができる衛生・安全保障問題では中国と協力するものとみられる。経済的側面では、根本的に中国を世界貿易機関(WTO)などの国際体制から排除することは自制する見通しだ。核心キーワードは『技術覇権』だが、この問題と伝統問題を分離し、特に5GやAIなどの技術で徹底して中国を排除する戦略を駆使するだろう」
魏聖洛氏「バイデン氏も今の対中けん制政策を維持するのではないだろうか。トランプ政策に対しては賛否両論あるが、中国政策だけは大規模な支持を得た。そのため全体的な基調は維持されるものとみられる。ただし、指導者の間の関係を見ると、バイデン氏と習近平中国国家主席は、オバマ政府時代の米中関係に対して互いに直接額を突き合わせて扱ったことがある。その時に蓄積されたものがあるため、リーダーシップ次元での介入があれば妥協点を探る可能性が残っていると予想する」
バイデン当選後の韓半島情勢…「韓日関係にはどのような影響があるか」(2)
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