民主党大統領候補であるジョー・バイデン前副大統領が第46代米国大統領に当選することが確実視され、今後の韓米関係と韓半島(朝鮮半島)の情勢にもたらされる変化に関心が集まっている。「米国優先主義」を前面に出して同盟国に圧力をかけてきたドナルド・トランプ行政府とは違い、新たに発足するバイデン行政府は「多国間主義」に基づいてグローバルリーダーシップを強化することに外交政策の焦点を当てるだろうというのが専門家らの観測だ。防衛費分担金問題などに不協和音が生じていた韓米同盟も次第に本来の席に戻るだろうという見通しが優勢だ。
同盟の価値を重要視するバイデン氏と米国民主党の伝統的な外交安保路線がむしろ米中間の均衡・中立の外交路線を貫く文在寅(ムン・ジェイン)政府に負担になるだろうという懸念も提起される。激化しつつある米中覇権争いの中で韓国政府の綱渡り外交が重大な分岐点に立たされるという分析だ。
バイデン氏は大統領選の遊説の過程で国際機関および同盟国との協力を通した多国間主義外交の必要性を強調してきた。漢東(ハンドン)大学国際地域学科のパク・ウォンゴン教授は「バイデン氏の外交分野構想はトランプ大統領の一方主義の外交に相反する互恵的な相互主義に近い」として「同盟の管理によりトランプ大統領就任以来国際社会で失墜したと評価される米国のリーダーシップを再び引き上げようとするだろう」と見通した。
このような基調の変化により韓米同盟のアキレス腱とされてきた韓米防衛費分担金交渉も新しい局面を迎えるものとみられる。バイデン氏は先月、聯合ニュースに送ってきた寄稿文でトランプ行政府の防衛費交渉のアプローチを「脅迫」「恐喝」と表現してより強力に批判した。両国は昨年9月から交渉を始めたが適正分担金の規模をめぐって1年以上平行線をたどっている。亜洲(アジュ)大学統一研究所のチョン・デジン教授は「韓国政府の提案を相当部分受け入れるレベルで防衛費交渉が早期に終わる可能性が大きくなった」と話した。
防衛費交渉に関連してトランプ行政府がかけてきた在韓米軍縮小の圧力も当分水面下に沈むだろうという見方がある。バイデン氏は寄稿文で「大統領として私はわが軍隊を撤収すると韓国を脅迫するより東アジアとそれ以上の地域で平和を守るためにわが同盟を強化して韓国とともするだろう」と強調した。在韓米軍の兵力を現水準に維持するという意向を明らかにしたことに読まれる。国家戦略研究院外交安保センター長のシン・ボムチョル氏は「バイデン氏が在韓米軍の駐留に肯定的な立場を見せており、トランプ行政府のように公然と縮小問題を取り出して韓国政府を圧迫することはないだろう」とした。
ただし、2000年代初期から国際情勢の変化により徐々に推進されている海外駐留米軍の戦略的再配置が在韓米軍にも適用される可能性を排除できないという意見もある。国家安保戦略研究員研究委員のチョ・ソンニョル氏は「米軍が強調する戦略的柔軟性原則にしたがって現在2万8500人規模である在韓米軍兵力のうち定期的に循環配置される6500人余りの人材を減らす形で兵力を再調整できる」と話した。
専門家らはトランプ行政府の対中けん制政策がバイデン行政府でも続くものと予想した。バイデン氏が同盟との連携強化に重きを置いているだけに、反中路線への参加の圧力を避けられないだろうという分析だ。パク教授は「多国間主義原則という名分まで備えたバイデン行政府は同盟の反中戦線への参加をさらに強く求めるだろう」としながら「トランプ行政府が推進したクアッド(日米豪印戦略対話)戦略に韓国が参加するよう圧力をかける可能性がある」と見通した。
米中間の均衡・中立外交政策を展開する文在寅政府がもう一度選択を強要されるだろうということだ。ユン・ドクミン元国立外交院長は「政府が『経済は中国、安保は米国』としながら均衡外交を云々しているが、米中葛藤に事案別に対応できる時代はすでに過ぎ去った」として「中立の灰色地帯から抜け出して片方を選ばなけれならない時が迫ってきている」と話した。
一部ではバイデン行政府が事実上機能を失われた韓日米三角同盟の復元のために韓日葛藤の仲裁に出る可能性も提起している。この場合、国内政治的利害関係と重なって昨年GSOMIA(韓日軍事情報包括保護協定)の時起きた3カ国間水面下での神経戦が再演される公算が大きい。
同盟の価値を重要視するバイデン氏と米国民主党の伝統的な外交安保路線がむしろ米中間の均衡・中立の外交路線を貫く文在寅(ムン・ジェイン)政府に負担になるだろうという懸念も提起される。激化しつつある米中覇権争いの中で韓国政府の綱渡り外交が重大な分岐点に立たされるという分析だ。
バイデン氏は大統領選の遊説の過程で国際機関および同盟国との協力を通した多国間主義外交の必要性を強調してきた。漢東(ハンドン)大学国際地域学科のパク・ウォンゴン教授は「バイデン氏の外交分野構想はトランプ大統領の一方主義の外交に相反する互恵的な相互主義に近い」として「同盟の管理によりトランプ大統領就任以来国際社会で失墜したと評価される米国のリーダーシップを再び引き上げようとするだろう」と見通した。
このような基調の変化により韓米同盟のアキレス腱とされてきた韓米防衛費分担金交渉も新しい局面を迎えるものとみられる。バイデン氏は先月、聯合ニュースに送ってきた寄稿文でトランプ行政府の防衛費交渉のアプローチを「脅迫」「恐喝」と表現してより強力に批判した。両国は昨年9月から交渉を始めたが適正分担金の規模をめぐって1年以上平行線をたどっている。亜洲(アジュ)大学統一研究所のチョン・デジン教授は「韓国政府の提案を相当部分受け入れるレベルで防衛費交渉が早期に終わる可能性が大きくなった」と話した。
防衛費交渉に関連してトランプ行政府がかけてきた在韓米軍縮小の圧力も当分水面下に沈むだろうという見方がある。バイデン氏は寄稿文で「大統領として私はわが軍隊を撤収すると韓国を脅迫するより東アジアとそれ以上の地域で平和を守るためにわが同盟を強化して韓国とともするだろう」と強調した。在韓米軍の兵力を現水準に維持するという意向を明らかにしたことに読まれる。国家戦略研究院外交安保センター長のシン・ボムチョル氏は「バイデン氏が在韓米軍の駐留に肯定的な立場を見せており、トランプ行政府のように公然と縮小問題を取り出して韓国政府を圧迫することはないだろう」とした。
ただし、2000年代初期から国際情勢の変化により徐々に推進されている海外駐留米軍の戦略的再配置が在韓米軍にも適用される可能性を排除できないという意見もある。国家安保戦略研究員研究委員のチョ・ソンニョル氏は「米軍が強調する戦略的柔軟性原則にしたがって現在2万8500人規模である在韓米軍兵力のうち定期的に循環配置される6500人余りの人材を減らす形で兵力を再調整できる」と話した。
専門家らはトランプ行政府の対中けん制政策がバイデン行政府でも続くものと予想した。バイデン氏が同盟との連携強化に重きを置いているだけに、反中路線への参加の圧力を避けられないだろうという分析だ。パク教授は「多国間主義原則という名分まで備えたバイデン行政府は同盟の反中戦線への参加をさらに強く求めるだろう」としながら「トランプ行政府が推進したクアッド(日米豪印戦略対話)戦略に韓国が参加するよう圧力をかける可能性がある」と見通した。
米中間の均衡・中立外交政策を展開する文在寅政府がもう一度選択を強要されるだろうということだ。ユン・ドクミン元国立外交院長は「政府が『経済は中国、安保は米国』としながら均衡外交を云々しているが、米中葛藤に事案別に対応できる時代はすでに過ぎ去った」として「中立の灰色地帯から抜け出して片方を選ばなけれならない時が迫ってきている」と話した。
一部ではバイデン行政府が事実上機能を失われた韓日米三角同盟の復元のために韓日葛藤の仲裁に出る可能性も提起している。この場合、国内政治的利害関係と重なって昨年GSOMIA(韓日軍事情報包括保護協定)の時起きた3カ国間水面下での神経戦が再演される公算が大きい。
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