「尹ソバン派の親分」「陰湿」…。２７日、与党・共に民主党は尹錫悦（ユン・ソクヨル）検察総長にこうした表現を使いながら辞任圧力を加えた。

金斗官（キム・ドゥグァン）民主党議員はフェイスブックに「もう尹総長は検察集団の利益のために陰湿なことをするのをやめて辞任すべきだ」とコメントし、鄭清来（チョン・チョンレ）議員はラジオ番組で「（尹総長は）私から見れば『尹ソバン派親分』という感じだ」と話した。待遇されずいやがらせをする暴力団のイメージを重ねて非難戦を繰り広げたのだ。

尹総長の責任論を浮き彫りにしながら解任の可能性にも言及した。宋基憲（ソン・ギホン）民主党議員は尹総長がソウル中央地検長だった当時、オプティマス関連事件が「嫌疑なし」で処理されたことなどを取り上げながら「（法務部）長官が解任を建議することも可能だと考える」と話した。金南局（キム・ナムグク）議員は「過去の歴代総長は従いにくい指示があれば、常にそれに異議を提起しながら本人の職を放棄して出て行った」とし「（尹総長は）総長をしたいという。おかしい」と皮肉った。


野党は民主党の圧力に反発した。国民の力の朴洙瑩（パク・スヨン）議員はラジオ番組に出演し、「検察総長をやめろという言葉は総長任期制を全面的に無視するものだ」とし「国民が非常に疲れている。大統領が（法務部長官と検察総長の）２人とも解任するか、２人のうち間違っている人を解任するか決心しなければいけない」と述べた。

尹総長の去就をめぐる攻防の中、任命権者の文在寅（ムン・ジェイン）大統領の立場に関心が集まっている。青瓦台（チョンワデ、韓国大統領府）関係者はこの日、記者らの質問に対し、「争点の懸案は監察または捜査事案であり、これに言及しないのが原則」と言葉を控えた。尹総長が国政監査で「文大統領が総選挙後に適切なメッセンジャーを通じて任期を守るべきというメッセージを伝えた」と発言したことについても、「それに関する話は聞いたことがない」とだけ話した。

秋長官と尹総長の激しい対立は、青瓦台の立場では負担となる状況だ。これに先立ち青瓦台の姜ミン碩（カン・ミンソク）報道官は２０日、「現在の状況で捜査指揮は避けられないとみている」と秋長官に力を与えたが、１年ほど前の尹総長任命当時に文大統領がした要求とは相反する面がある。当時、文大統領は「生きた権力に対しても同じ姿勢でなければいけない」と強調した。政治争点となった事件を理由に尹総長を解任する場合、文大統領の人事の失敗を自ら認める姿になるほか、逆風を勘案しなければいけない。解任建議案や弾劾訴追案の発議にも同じ負担がある。現在としては尹総長の辞任に向けて圧力を加えること以外に妙案がないということだ。

尹総長が文大統領のメッセージに言及しながら任期を守ると述べたことにも、与党は困惑している。秋長官は「（大統領は）決して正式報告ラインを省略して『秘線』を通じて意思を伝える人ではない」と疑問を表した。青瓦台関係者はこの日、「少なくとも最近は文大統領がそのような趣旨のメッセージを与えたことはないと把握している」と一線を画した。

こうした中、文大統領は２８日、国会で「危機に強い国」をキーワードに来年度予算案を説明する施政演説をする。姜報道官は「文大統領はこれまで経験したことがない危機の中で、むしろ希望を生み出した国民に深い感謝の意を伝えながら、予算案を通じて来年はどう防疫と経済を共に成功させ、危機に強い国をしっかりと作っていくかを明らかにする計画」と説明した。