「韓国の『綱渡り外交』が重大な岐路に立った」。
代表的な知韓派に挙げられる米国のロバート・ガルーチ元北朝鮮核特使は14日(現地時間)、現地外交専門メディアのインタビューでこのように述べた。こうした見方に米国の大半の韓半島(朝鮮半島)専門家が共感しているというのが、現地外交関係者の話だ。
米中覇権争いが激化する中、韓国のいわゆる中立外交に対して米国は露骨に不満を表してきた。「同盟国の線引き」をする米国と「韓国はどちら側か」と繰り返し問う中国の間で、韓国政府が維持してきた「戦略的あいまい性」が近く限界に直面するというのが専門家らの指摘だ。
◆高官級協議で主要懸案の解決目指す
青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の徐薫(ソ・フン)国家安保室長が3泊4日の日程で米国を極秘訪問したのは、両国で提起される韓米同盟の亀裂に対する懸念を払拭させるためと考えられる。今回の訪米は年次行事の定例安保協議(SCM)開催日と重なった。今年のSCMでは両国間の主要軍事懸案である戦時作戦統制権と防衛費分担金に関する議論が核心議題だった。
昨年9月から進められてきた韓米防衛費分担金交渉は1年以上も成果なく駆け引きが続き、戦作権転換の時期と条件をめぐる韓米軍当局の神経戦はまた激しくなる状況だ。戦作権と防衛費交渉によるさらなる同盟亀裂を防ぎ、最高位級の協議を通じて解決に進もうという意図があると分析される。徐室長が、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が先月の国連総会演説で提案した「韓半島終戦宣言」について説明し、協調を求めるという見方もある。
韓国国家戦略研究院の申範チョル(シン・ボムチョル)外交安保センター長は「今は韓米間の見解の違いがいつよりも克明になっている状況」とし「防衛費分担金など主な懸案に対する米国の誤解を先に解く必要性を感じたとみている」と述べた。続いて「個別観光など政府が推進する独自の対北事業のためにも、まずは米国を説得する必要がある」と強調した。
◆「戦作権の早期転換」vs「時間かかる」
この日、米国防総省で開催された第52回SCMで、両国防長官は戦作権の転換をめぐる見解の違いを公開的に表した。徐旭国防長官は会議冒頭の発言で「戦作権転換の条件を早期に具備し、韓国軍主導の連合防衛体制を確実に準備することに共に努力する」と明らかにした。「戦作権転換条件の早期具備」に傍点を打ったのだ。エスパー米国防長官は「戦作権転換のためのすべての条件を完全に満たすのは時間がかかる」と述べた。期間に拘束されず転換条件を満たすことに焦点を合わせるべきという意味と受け止められる。
文大統領は「任期内の戦作権転換推進」を大統領選挙公約として掲げた。軍内部では文在寅政権の任期が満了する2022年5月を事実上の戦作権転換期間と設定している。しかし新型コロナ事態のため今年施行する計画だった戦作権転換第2段階の検証評価は来年に延期された。全体的な戦作権転換日程の修正も避けられない状況だ。
この日、両長官は会議直後に開く予定だった共同記者会見を事前公示なく取り消した。一部では戦作権転換をめぐる隔たりに米国が記者会見取り消しで不満を表したという解釈が出ている。韓国国防部は「米国側の事情で了解を求めて決まった」と説明した。
◆中国牽制参加圧力続く
エスパー長官はSCMで防衛費分担金の早期妥結に改めて圧力を加えた。エスパー長官は冒頭発言で、米国納税者が不公平な待遇を受けてはならず、朝鮮半島での米軍の安定的な駐留を保障するために速やかな合意が必要だ、と強調した。トランプ大統領が非公式的な席で「在韓米軍撤収」に何度か言及したと伝えられている中で、エスパー長官が在韓米軍の駐留と防衛費を結びつけるような発言をしたのだ。トランプ政権は今年の韓国の防衛費分担金を前年比で50%増やすよう要求している。韓国は13%引き上げ案を提示した状態だ。この日の共同声明も例年とは違い、在韓米軍を現水準で維持するという内容が抜け、米国が防衛費交渉と在韓米軍の規模を連係するのではという疑問が強まった。
来月の米大統領選挙で誰が当選しようと、防衛費分担金交渉に対する米国の基調は大きく変わらない見通しだ。解決すべき懸案も多い。米国は対中戦略の一つ、「クアッド(インド太平洋地域安保協議体)プラス」と、まだ概念的レベルの経済繁栄ネットワーク(EPN)への韓国の参加を要求している。韓東大の朴元坤(パク・ウォンゴン)国際地域学教授は「米国はいま韓国の選択を待っている」とし「米大統領選でどのような結果が出ても、米国と中国のうちどちらか一方を選択する時点になったのは明らかだ」と述べた。
代表的な知韓派に挙げられる米国のロバート・ガルーチ元北朝鮮核特使は14日(現地時間)、現地外交専門メディアのインタビューでこのように述べた。こうした見方に米国の大半の韓半島(朝鮮半島)専門家が共感しているというのが、現地外交関係者の話だ。
米中覇権争いが激化する中、韓国のいわゆる中立外交に対して米国は露骨に不満を表してきた。「同盟国の線引き」をする米国と「韓国はどちら側か」と繰り返し問う中国の間で、韓国政府が維持してきた「戦略的あいまい性」が近く限界に直面するというのが専門家らの指摘だ。
◆高官級協議で主要懸案の解決目指す
青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の徐薫(ソ・フン)国家安保室長が3泊4日の日程で米国を極秘訪問したのは、両国で提起される韓米同盟の亀裂に対する懸念を払拭させるためと考えられる。今回の訪米は年次行事の定例安保協議(SCM)開催日と重なった。今年のSCMでは両国間の主要軍事懸案である戦時作戦統制権と防衛費分担金に関する議論が核心議題だった。
昨年9月から進められてきた韓米防衛費分担金交渉は1年以上も成果なく駆け引きが続き、戦作権転換の時期と条件をめぐる韓米軍当局の神経戦はまた激しくなる状況だ。戦作権と防衛費交渉によるさらなる同盟亀裂を防ぎ、最高位級の協議を通じて解決に進もうという意図があると分析される。徐室長が、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が先月の国連総会演説で提案した「韓半島終戦宣言」について説明し、協調を求めるという見方もある。
韓国国家戦略研究院の申範チョル(シン・ボムチョル)外交安保センター長は「今は韓米間の見解の違いがいつよりも克明になっている状況」とし「防衛費分担金など主な懸案に対する米国の誤解を先に解く必要性を感じたとみている」と述べた。続いて「個別観光など政府が推進する独自の対北事業のためにも、まずは米国を説得する必要がある」と強調した。
◆「戦作権の早期転換」vs「時間かかる」
この日、米国防総省で開催された第52回SCMで、両国防長官は戦作権の転換をめぐる見解の違いを公開的に表した。徐旭国防長官は会議冒頭の発言で「戦作権転換の条件を早期に具備し、韓国軍主導の連合防衛体制を確実に準備することに共に努力する」と明らかにした。「戦作権転換条件の早期具備」に傍点を打ったのだ。エスパー米国防長官は「戦作権転換のためのすべての条件を完全に満たすのは時間がかかる」と述べた。期間に拘束されず転換条件を満たすことに焦点を合わせるべきという意味と受け止められる。
文大統領は「任期内の戦作権転換推進」を大統領選挙公約として掲げた。軍内部では文在寅政権の任期が満了する2022年5月を事実上の戦作権転換期間と設定している。しかし新型コロナ事態のため今年施行する計画だった戦作権転換第2段階の検証評価は来年に延期された。全体的な戦作権転換日程の修正も避けられない状況だ。
この日、両長官は会議直後に開く予定だった共同記者会見を事前公示なく取り消した。一部では戦作権転換をめぐる隔たりに米国が記者会見取り消しで不満を表したという解釈が出ている。韓国国防部は「米国側の事情で了解を求めて決まった」と説明した。
◆中国牽制参加圧力続く
エスパー長官はSCMで防衛費分担金の早期妥結に改めて圧力を加えた。エスパー長官は冒頭発言で、米国納税者が不公平な待遇を受けてはならず、朝鮮半島での米軍の安定的な駐留を保障するために速やかな合意が必要だ、と強調した。トランプ大統領が非公式的な席で「在韓米軍撤収」に何度か言及したと伝えられている中で、エスパー長官が在韓米軍の駐留と防衛費を結びつけるような発言をしたのだ。トランプ政権は今年の韓国の防衛費分担金を前年比で50%増やすよう要求している。韓国は13%引き上げ案を提示した状態だ。この日の共同声明も例年とは違い、在韓米軍を現水準で維持するという内容が抜け、米国が防衛費交渉と在韓米軍の規模を連係するのではという疑問が強まった。
来月の米大統領選挙で誰が当選しようと、防衛費分担金交渉に対する米国の基調は大きく変わらない見通しだ。解決すべき懸案も多い。米国は対中戦略の一つ、「クアッド(インド太平洋地域安保協議体)プラス」と、まだ概念的レベルの経済繁栄ネットワーク(EPN)への韓国の参加を要求している。韓東大の朴元坤(パク・ウォンゴン)国際地域学教授は「米国はいま韓国の選択を待っている」とし「米大統領選でどのような結果が出ても、米国と中国のうちどちらか一方を選択する時点になったのは明らかだ」と述べた。
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