9月30日の公演で羅勲児(ナ・フナ)が「国民に力があれば(厚かましい)為政者は出てこない」と話した2日後、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の「悪意・常習的なフェイクニュースを流布するメディアに非寛容原則で対応する。虚偽誹謗と捏造を繰り返す国会議員に適当な措置がなければ可能なあらゆる法的手段を講じる」というフェイスブックのコメントを見た。記者は言論人の一人として秋長官が国民に対して脅迫をしていると感じた。彼女の傍若無人と意地、突拍子もない結論にぞっとした。
国民が与えた法務部長官という権力を自分と息子を防御するためにあのように厚かましく使ってもよいのだろうか。公職者の権力は国民を保護するのに使うべきではないのか。国民が力があれば、あのように大胆に野党とメディアを踏みにじって蔑視することができるだろうか。政府の存在理由に対する疑問が出ている。
法務部長官は始終一貫して「息子は軍人の基本権である休暇を適切に使った。自身に保障された権利を行使しただけだが、何の請託や外圧が必要なのか」と話してきた。我々みんなが知っているように、権利が法で保障されているからといってその行使が常に適法とは限らない。権利の行使が適法であるには、別途の法令に基づく手続きと形式がなければいけない。手続きと形式を無視してする請託や外圧はそれ自体が不法だ。「権利があるため自動的に行使も適法だ」という息子保護論は法理上詭弁であるうえ、「腹が減れば盗みをしてもよい」という言葉のように危険だ。
人事権者(法務部長官)に免罪符を与えたようなソウル東部地検の捜査内容に基づいても、秋長官は自分の補佐官のカカオトークに息子の部隊の担当将校の電話番号を残したのは事実だ。補佐官は長官が電話番号を残すと「はい」と答えた後、「すぐに通話をしたが(担当将校が)例外的な状況なので内部検討後に連絡すると答えた」という返答を秋長官に送ったことが分かった。「例外的な状況」である秋美愛長官の息子の休暇延長はどのように請託や外圧なしで適法になったのだろうか。
秋長官は「電話番号を伝えたのを(私が)補佐官に対する指示と見なす根拠がない」と言い張った。彼女は指示と見なす根拠がない理由として「補佐官と担当将校が1週間前に連絡を交わした」という点を挙げた。では、秋長官は「担当将校の010-XXXX-XXXX」電話番号を補佐官のカカオトークにになぜ残したのか。補佐官と担当将校の間の1週間前の連絡事実は、秋長官が補佐官に担当将校の電話番号を渡した事実といかなる因果関係もない。脈絡上、補佐官に明白に指示をしておきながら因果関係がない過去の事実を出して指示しなかった証拠だと主張するのは醜い。東部地検は少なくとも「請託禁止法」違反や「偽計業務妨害」容疑に該当する事実を明らかにしながらも、秋美愛式の醜い釈明に対して無嫌疑処分をし、その罪を深めた。
実際、政府の存在理由は秋美愛長官でなく文在寅(ムン・ジェイン)大統領に問うべき問題だ。羅勲児が「大統領が国民のために命を懸けたという人を一度も見たことがない。この国を誰が守ったのかというと、普通の国民が守った」と述べたが、文大統領は自分とは関係がないと考えるだろう。しかし文大統領は自国の国民が理由もなく銃殺されて焼かれ、海鳥の餌になったにもかかわらず、殺害責任者に対して一言も抗議しなかった。むしろ殺害責任者を格別に受け入れた。この政権の人たちは大統領の振る舞いを「度量が大きい包容」というが、自分の息子を殺した隣人にもそのようなことができるのか尋ねたい。韓国国民は今後、命を自ら守らなければいけない時がくるかもしれない。政府が自国民保護を放棄する国になればそうなるだろう。この国を守ったのは大統領でなく普通の国民だったという羅勲児の認識は悲しいほど痛烈だ。
チョン・ヨンギ/中央日報コラムニスト
国民が与えた法務部長官という権力を自分と息子を防御するためにあのように厚かましく使ってもよいのだろうか。公職者の権力は国民を保護するのに使うべきではないのか。国民が力があれば、あのように大胆に野党とメディアを踏みにじって蔑視することができるだろうか。政府の存在理由に対する疑問が出ている。
法務部長官は始終一貫して「息子は軍人の基本権である休暇を適切に使った。自身に保障された権利を行使しただけだが、何の請託や外圧が必要なのか」と話してきた。我々みんなが知っているように、権利が法で保障されているからといってその行使が常に適法とは限らない。権利の行使が適法であるには、別途の法令に基づく手続きと形式がなければいけない。手続きと形式を無視してする請託や外圧はそれ自体が不法だ。「権利があるため自動的に行使も適法だ」という息子保護論は法理上詭弁であるうえ、「腹が減れば盗みをしてもよい」という言葉のように危険だ。
人事権者(法務部長官)に免罪符を与えたようなソウル東部地検の捜査内容に基づいても、秋長官は自分の補佐官のカカオトークに息子の部隊の担当将校の電話番号を残したのは事実だ。補佐官は長官が電話番号を残すと「はい」と答えた後、「すぐに通話をしたが(担当将校が)例外的な状況なので内部検討後に連絡すると答えた」という返答を秋長官に送ったことが分かった。「例外的な状況」である秋美愛長官の息子の休暇延長はどのように請託や外圧なしで適法になったのだろうか。
秋長官は「電話番号を伝えたのを(私が)補佐官に対する指示と見なす根拠がない」と言い張った。彼女は指示と見なす根拠がない理由として「補佐官と担当将校が1週間前に連絡を交わした」という点を挙げた。では、秋長官は「担当将校の010-XXXX-XXXX」電話番号を補佐官のカカオトークにになぜ残したのか。補佐官と担当将校の間の1週間前の連絡事実は、秋長官が補佐官に担当将校の電話番号を渡した事実といかなる因果関係もない。脈絡上、補佐官に明白に指示をしておきながら因果関係がない過去の事実を出して指示しなかった証拠だと主張するのは醜い。東部地検は少なくとも「請託禁止法」違反や「偽計業務妨害」容疑に該当する事実を明らかにしながらも、秋美愛式の醜い釈明に対して無嫌疑処分をし、その罪を深めた。
実際、政府の存在理由は秋美愛長官でなく文在寅(ムン・ジェイン)大統領に問うべき問題だ。羅勲児が「大統領が国民のために命を懸けたという人を一度も見たことがない。この国を誰が守ったのかというと、普通の国民が守った」と述べたが、文大統領は自分とは関係がないと考えるだろう。しかし文大統領は自国の国民が理由もなく銃殺されて焼かれ、海鳥の餌になったにもかかわらず、殺害責任者に対して一言も抗議しなかった。むしろ殺害責任者を格別に受け入れた。この政権の人たちは大統領の振る舞いを「度量が大きい包容」というが、自分の息子を殺した隣人にもそのようなことができるのか尋ねたい。韓国国民は今後、命を自ら守らなければいけない時がくるかもしれない。政府が自国民保護を放棄する国になればそうなるだろう。この国を守ったのは大統領でなく普通の国民だったという羅勲児の認識は悲しいほど痛烈だ。
チョン・ヨンギ/中央日報コラムニスト
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