「スガノミクス」はアベノミクスとどう違うのだろうか。自民党総裁選が１週間後に迫った。今月１４日の議員総会で総裁に選出された人物が安倍晋三首相を継ぐことになる。菅義偉官房長官が有力だと世界のメディアは伝えている。また、次期首相有力候補の菅氏の名前にちなんで「スガノミクス」の予測に入っている。

◆黒田氏が日銀総裁を維持する可能性

日本経済新聞は先週末、「菅氏は日本銀行（日銀）の黒田東彦総裁に対する信頼が強い」とし「現在の金融緩和政策が菅時代にも続く可能性が高い」と伝えた。最近の経済政策の流れが通貨政策である点を考慮すると、スガノミクスもアベノミクスも大きな差はないと予想される。


英経済分析会社キャピタルエコノミクス（ＣＥ）は最新の報告書で「日銀政策への具体的介入または注文」をスガノミクスの核心に挙げた。ＣＥのエコノミスト、マルセル・ティリアント氏は「主要国のうち政府が中央銀行に直接介入できるシステムを備えた国が日本」とし「財務省の官僚が通貨政策会議に参加する制度がある」と説明した。

◆日銀、菅時代は雇用がターゲットか

ＣＥによると、菅氏は安倍首相より具体的かつ積極的に日銀に注文する方だ。２０１６年に菅氏は日銀が積極的に円高を阻止するよう注文した。

ティリアント氏は「新型コロナ事態をきっかけに菅氏は日銀が雇用保護に攻撃的に取り組むことを望んでいる」と伝えた。実際、菅氏が首相就任後に日銀に雇用保護を注文すれば、黒田総裁ら従来の日銀メンバーが堅持する立場と衝突する可能性がある。

最近の通貨政策会議録を見ると、黒田総裁らは日銀が国債と社債、上場指数ファンド（ＥＴＦ）などを十分に買い入れ、市中金利が十分に低い水準に維持されていると判断した。資金をさらに供給すれば都市銀行の収益が減り、金融システムを不安定にすると懸念を表した。

しかしＣＥによると、菅氏は金利がさらに下がっても都市銀行の健全性は低下しないとみている。この立場を菅氏が首相になっても維持すれば、黒田総裁の日銀は安倍時代とは異なる具体的な注文に悩むと予想される。

安倍首相は執権直後の２０１３年、いわゆる財政と通貨の攻撃的拡大と拡張を主張しながら、その適格者として黒田氏を日銀総裁に任命した。しかし日銀の具体的な政策の選択には直接介入しなかった。