◆理念より重要な長期執権
オルブライト元長官は「ファシズムは政治的イデオロギーというよりは権力を勝ち取って維持しようとする手段」と話した。また、彼は「ナチは人種差別主義者であると同時に自分たちを改革家だと考えた」と説明した。ナチは実際に「さらに多くの高齢年金、貧民階層向けのより多い教育機会、児童労働の根絶と妊婦医療サービス改善」を主張した。だが、それは権力を掌握するための手段だった。
李海チャン(イ・ヘチャン)前民主党代表は20年長期執権論を提起した。2017年大統領選挙選挙対策委員長を務めた彼は「極右保守勢力を完全に壊滅させる必要がある」と主張した。悪の群れと天使との戦いに対話と妥協があり得ない。長期執権のためには公正な競争でなく勝つしかない政治構図、不公正なゲーム規則を作っておくべきだ。だが、競争者のいない政治はすでに民主主義ではない。
◆「私たち」対「彼ら」の闘争
オルブライト前長官はファシズムの最初の特徴として「『私たち』対『彼ら』という考え方」をあげた。政党の中心は政策だ。だが、「私たち」と「彼ら」に分ければ政策より陣営が重要だ。競争者はいくら良い政策を持っていても「敵」であるだけだ。
崔順実(チェ・スンシル)氏の娘はロウソク集会の感情に手を出した引き金だった。公正の価値を重要だと考える若者たちを広場に呼び出した。チョ・グク氏の娘も似た地点にある。違うのは親が属した陣営だ。若者たちの不満は同じだったが、結果は違った。同じ検察が同じ方法で捜査したが、一度は賛辞を一度は攻撃を受けた。政府要人から排除したリストがブラックリストになる場合もあり、積弊リストになる場合もある。「味方」は常に「正義」のために戦うからだ。
◆腕章と宣伝攻勢
ファシズム研究者は共通して「暴力性」を主な特徴と言う。ナチは突撃隊(SA)、親衛隊(SS)、秘密国家警察(ゲシュタポ)などを動員してテロ・拷問・殺人で恐怖を植え付けた。いわゆる「腕章部隊」だ。
ファンダムのオンライン暴力が脅威的だ。与党要人も批判的な発言をして「コメント爆弾」にあって両手を上げることが起きる。ファンダムのコメントが世論に代わる。作られた「偽世論」だ。ドゥルキング事件(コメント操作事件)も忘れられていく。文在寅大統領はねつ造された情報をショートメッセージサービス(SMS)で表現することを「競争を興味深くする薬味」と擁護した。
オルブライト氏は「無知な主張をこだまのように鳴り響かせるのがトリックの一番目の法則」と話した。「いかなる発言や話、中傷も繰り返されればもっともらしく聞こえ始める」ということだ。代わりに、従来のメディアに対しては「偽ニュースをまき散らす」としながら「壊滅させるべき対象」と追い詰める。そのようにして信頼を押し倒し弾圧を正当化するとオルブライト氏を説明した。
中国文化大革命で腕章は紅衛兵だった。大字報が宣伝の手段だった。青瓦台掲示板がそのような役割を果たす。そこには三権分立もない。国会運営も大統領が介入するように要求する。裁判の結果も大統領が覆すように求める。大統領が帝王で、偶像だ。代議制は息切れし、直接民主主義を口実にした全体主義の亡霊がちらつく。
金鎮国(キム・ジングク)/中央日報論説委員・コラムニスト
【コラム】民主化運動圏政府でなぜ民主主義の危機が取り上げられるのか=韓国(1)
オルブライト元長官は「ファシズムは政治的イデオロギーというよりは権力を勝ち取って維持しようとする手段」と話した。また、彼は「ナチは人種差別主義者であると同時に自分たちを改革家だと考えた」と説明した。ナチは実際に「さらに多くの高齢年金、貧民階層向けのより多い教育機会、児童労働の根絶と妊婦医療サービス改善」を主張した。だが、それは権力を掌握するための手段だった。
李海チャン(イ・ヘチャン)前民主党代表は20年長期執権論を提起した。2017年大統領選挙選挙対策委員長を務めた彼は「極右保守勢力を完全に壊滅させる必要がある」と主張した。悪の群れと天使との戦いに対話と妥協があり得ない。長期執権のためには公正な競争でなく勝つしかない政治構図、不公正なゲーム規則を作っておくべきだ。だが、競争者のいない政治はすでに民主主義ではない。
◆「私たち」対「彼ら」の闘争
オルブライト前長官はファシズムの最初の特徴として「『私たち』対『彼ら』という考え方」をあげた。政党の中心は政策だ。だが、「私たち」と「彼ら」に分ければ政策より陣営が重要だ。競争者はいくら良い政策を持っていても「敵」であるだけだ。
崔順実(チェ・スンシル)氏の娘はロウソク集会の感情に手を出した引き金だった。公正の価値を重要だと考える若者たちを広場に呼び出した。チョ・グク氏の娘も似た地点にある。違うのは親が属した陣営だ。若者たちの不満は同じだったが、結果は違った。同じ検察が同じ方法で捜査したが、一度は賛辞を一度は攻撃を受けた。政府要人から排除したリストがブラックリストになる場合もあり、積弊リストになる場合もある。「味方」は常に「正義」のために戦うからだ。
◆腕章と宣伝攻勢
ファシズム研究者は共通して「暴力性」を主な特徴と言う。ナチは突撃隊(SA)、親衛隊(SS)、秘密国家警察(ゲシュタポ)などを動員してテロ・拷問・殺人で恐怖を植え付けた。いわゆる「腕章部隊」だ。
ファンダムのオンライン暴力が脅威的だ。与党要人も批判的な発言をして「コメント爆弾」にあって両手を上げることが起きる。ファンダムのコメントが世論に代わる。作られた「偽世論」だ。ドゥルキング事件(コメント操作事件)も忘れられていく。文在寅大統領はねつ造された情報をショートメッセージサービス(SMS)で表現することを「競争を興味深くする薬味」と擁護した。
オルブライト氏は「無知な主張をこだまのように鳴り響かせるのがトリックの一番目の法則」と話した。「いかなる発言や話、中傷も繰り返されればもっともらしく聞こえ始める」ということだ。代わりに、従来のメディアに対しては「偽ニュースをまき散らす」としながら「壊滅させるべき対象」と追い詰める。そのようにして信頼を押し倒し弾圧を正当化するとオルブライト氏を説明した。
中国文化大革命で腕章は紅衛兵だった。大字報が宣伝の手段だった。青瓦台掲示板がそのような役割を果たす。そこには三権分立もない。国会運営も大統領が介入するように要求する。裁判の結果も大統領が覆すように求める。大統領が帝王で、偶像だ。代議制は息切れし、直接民主主義を口実にした全体主義の亡霊がちらつく。
金鎮国(キム・ジングク)/中央日報論説委員・コラムニスト
【コラム】民主化運動圏政府でなぜ民主主義の危機が取り上げられるのか=韓国(1)
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