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【時論】米中に挟まれた韓国外交 「信頼されるパートナー」として突破しよう

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
新型コロナパンデミック(世界的大流行)の恐怖が地球村を襲い、米国と中国の責任攻防は続いている。米国は中国国有企業ファーウェイ(華為技術)の製品使用禁止に続き、WeChat、TikTok制裁措置を発表し、韓国はここに参加するよう要求されている。

こうした時期に釜山(プサン)を訪問した中国の楊潔チ・共産党政治局員は、青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)の徐薫(ソ・フン)国家安保室長と初めて対面した。中国の習近平国家主席の年内訪韓日程には具体的な合意ができなかったようだ。おそらく韓日中3カ国の首脳会談が予定通り年末に韓国で開催されれば李克強首相が訪韓することになるだろう。

叙勲室長は北東アジアおよび世界の平和と繁栄のために米中の共栄と友好協力が重要だと強調した。楊潔チ氏は米中の葛藤状況と中国側の立場を説明したという。


7月にポンペオ米国務長官はニクソン大統領記念館の前で米中関係に関する演説をした。ポンペオ長官は「中国政府と習近平主席」を「中国共産党(CCP)と習近平総書記」と表現した。習主席を「破産した全体主義イデオロギーの信奉者」と批判し、米国は自由主義世界を守るために共産主義の中国と決別しなければいけないと力説した。1972年に米国の大統領では初めて訪中して毛沢東に会い、米中デタント時代を開いたニクソン大統領時代とは決別するという政策構想だ。

11月3日の米大統領選挙でトランプ大統領が再選しようと、民主党のバイデン候補が当選しようと、国益を優先する米国の対外戦略の傾向は変わらないとみられる。中国と北朝鮮に対する封じ込めと圧力は続くはずだ。

主要7カ国(G7)会談を拡大開催することを望むトランプ大統領は、中国を包囲するために大統領選後のG11会談に韓国を招請しようとしている。韓国がオブザーバーとして参加できるだろうが、正式会員国になるには参加国すべてが同意しなければならないため容易でない。

これに関連し中国外務省は多者会議の拡大が望ましいというメッセージを出し、注目を引いている。米国が主導する会談の雰囲気を最も率直に中国側に伝える参加国として中国は韓国を念頭に置いているようだ。韓国の国益を最大化するには他国との調整、特に韓国のG11参加を望まない日本との協力が求められる。したがって韓国は安倍晋三首相の辞任以降、新首相と韓日関係の改善に積極的に取り組まなければいけない。

南北協力のための突破口を開こうとする韓国に対し、ケイ海明駐韓中国大使は米朝関係と南北関係を二頭立て馬車のように引っ張っていけばよいという考えを表明した。北朝鮮の最大目標は米朝関係の改善を通じた米国の敵対視政策の撤回だ。このため米国が韓国を信頼しなければ、北朝鮮は南北対話や交流協力に関心を見せないだろう。

米国優先主義(America first)と中国の夢を前に出して覇権競争に向かっている米中の間で、韓国がバランスを取りながら仲裁外交(Mediatory diplomacy)ができる余地は事実上ないとみられる。

米中の利害衝突の中で対話と協力が行われるよう韓国が懸け橋の役割を通じた仲介外交(Bridging diplomacy)をするには、両国から信頼されるパートナーになる必要がある。戦略的あいまい性(Ambiguity)は米中双方からの不信感につながり、むしろ韓国が立場を失う可能性が高い。

韓中国交正常化28周年(24日)ごろにあった韓中高官の会談に中国側は相当な意味を付与した。しかし韓半島平和プロセスの道ははるか遠い。韓国は米中関係の現在と未来を正確に見通しながらも、両国から信頼を得る戦略的信頼性(Reliability)を確保しなければならないだろう。

アン・インヘ/元国際政治学会長/高麗大国際大学院教授

◇外部執筆者のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。



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