最近首都圏だけに適用されていた社会的距離確保（ソーシャルディスタンス）２段階が２３日からは韓国全土に拡大する。韓国政府は無期限集団休診（スト）に入った医療界に対しても「診療現場を守ってほしい」と求めた。その上で、医療関係者が反発している医大定員拡大と公共医大新設などの政策推進を留保することにした。

◇社会的距離確保２段階全国に拡大


保健福祉部の朴凌厚（パク・ヌンフ）長官は２２日に発表した国民向け談話文で、「新型コロナウイルスの全国的な大流行が始まりかねない非常に危険な状況。あすから社会的距離確保を全国的に２段階に格上げする」と明らかにした。


これに伴い、クラブや遊興酒店、カラオケ店など大衆利用施設のうち感染高リスク施設である１２業種に対しては集合禁止措置が実施される。大衆利用施設を利用する時はマスクの着用や電子訪問者リスト作成など防疫ルールを守らなければならない。室内では５０人以上、屋外では１００人以上が集まる集会・行事・会合も禁止される。サッカーと野球などすべてのプロスポーツの試合は無観客で行われ、集団感染が発生した地域の学校は２６日からリモート授業に転換しなければならない。

朴長官はただ、「患者発生数と集団感染事例が小さく、防疫的必要性が少ない一部自治体の場合、２段階距離確保の措置を強制よりは勧告水準で緩和して施行するだろう」と話した。

◇重症患者病床、生活治療センター拡大

病床と生活治療施設確保にも出る。朴長官は「前日から首都圏緊急対応班を本格的に稼動した。ソウル・京畿道（キョンギド）・仁川（インチョン）地域の患者は各市道で病床を割り当てず中央で重症度を確認して適切な病床を配分している」と話した。

政府は１週間以内に重症患者病床３０床を追加で確保し、来週中に京畿道の教育研修院など４カ所に軽症・無症状患者向けの生活治療センターを追加で開設する予定だ。

◇医大定員拡大と公共医大新設を留保

集団休診に入った医師団体に対しても「国民の生命保護に向け診療現場を守ってほしい」と求めた。現在医療界は医大定員拡大と公共医大設立など政府の保健医療政策に反発し団体行動に出た状態だ。

中央事故収拾本部戦略企画班長を務める保健福祉部に孫映莱（ソン・ヨンレ）報道官は「新型コロナウイルスの厳しい危機状況を考慮して医大定員拡大と公共医大新設に対しては首都圏の新型コロナウイルス状況が安定するまで政策推進を留保し、医療界と協議して推進していきたい。今月までに教育部に通知しなければならない医大定員規模も状況が安定するまで保留するだろう」と話した。

朴長官は「非常な危機状況。必須の防疫措置に応じなかったり妨害する行為は法により不寛容で厳正に対応するだろう」と付け加えた。