国際関係分野の碩学、ジョョセフ・ナイハーバード大学特別功労教授(83、同大学ケネディスクール元学長)が、米中対立が深刻化すればするほど韓国は米国との関係を強固にすべきだと助言した。13日、財団法人与時斉(ヨシジェ)の廉載鎬(ヨム・ジェホ)理事〔元高麗(コリョ)大学総長〕と「G20時代の国際秩序と米国の役割」をテーマにしたウェビナー(ウェブ・セミナー)対談が行われた。
11月の大統領選挙でバイデン民主党候補が当選した場合、同盟関係の回復と多国間協力に努めるなどトランプ政権の「米国優先主義」政策に大きな変化があると予想した。ただ、北朝鮮に対して平和主義を貫く路線には懐疑的な見方を示した。ナイ教授はバイデン候補の陣営で外交戦略に関する諮問活動をしているものと知られている。
ナイ教授は今回の対談で、「韓国は(中国と日本の間に)サンドイッチのように挟まれているため気の毒だと思うことがある」とし「韓国の適切な戦略は、もっと距離のある国に行って力を借りてくること」と助言した。続けて「離れている同盟国の米国との関係が韓国の保護膜となるだろう」とし「米国と同盟関係を維持することが保護であり保険」と繰り返し強調した。中国の過度な介入を遮断するためには、米国との同盟関係を強固にすることが不可欠ということだ。
ただし、ナイ教授は「だからと言って中国と経済的な関係を切れというわけではない」とし「逆に中国経済から繁栄を享受することができなければならない」と付け加えた。
現在の国際情勢についてナイ教授は「習近平-トランプのリーダーシップは失敗した」と断言した。「米中が新型コロナウイルス感染症(コロナ19)問題で国際的リーダーシップを見せることができずにいるがどう思うか」という質問に対する答えだ。また、「習首席は党の統制権があるため、中国が内部的に大きく変わるとは思わない」と述べた。米大統領選挙でバイデン候補が勝利しても、中国の変化がない限り、米中の対立を解消することは困難だということを示唆したものだ。
ナイ教授は文在寅(ムン・ジェイン)政府の対北朝鮮・対日政策にも批判と助言を示した。
ナイ教授は文政権の「平和主義的対北朝鮮観」について「平和主義は良い意図を持っている」としつつも「敵にも実現することができるかを歴史的に見れば、事例は見受けられない」と述べた。続けて「武装せずに同盟のない平和主義を行ったとしたら、結果が良いかは疑問」とし「3代世襲をして叔父と異母兄弟を暗殺した金正恩(キム・ジョンウン)政権に平和主義を語るのは適切ではない」という批判的な見方を堅持した。バイデン候補が当選した場合、対北朝鮮アプローチがトランプ氏の時とは変わる可能性があることを示唆したものだ。
ナイ教授は、韓日関係についてもより未来志向的な形に変わらなければならないと強調した。ナイ教授は「リーダーにとって重要なのは過去にこだわらず未来を見ること」とし「北東アジア地域の平和と北朝鮮の抑制のためにも、日本を過去に韓国に傷つけた悪魔とみなしてはならない」と述べた。「今の日本は軍事力で韓国を支配していた1930年代の日本ではない」ではないかということだ。
ナイ教授は米中の対立が今後も続くと予測しつつも、国際的協力の重要性を強調した。ナイ教授は「パンデミック、気候変動などは単一国家に解決できる問題ではない」とし「バイデンが当選すれば、国際機関への再加入など、国際秩序の確立のために努力するだろう」と述べた。バイデン候補が当選すれば、米国がグローバルリーダーとしての地位を取り戻すために同盟関係を回復し、多国間協力の復元に努めるなど、政策の方向に変化があるということだ。
トランプ大統領については「米国民を分裂させる方法で道を探している。これはお金をかけずに国民の支持を得る方法」とし「真のリーダーは、人々が持つ観点をより高いレベルに引き上げることができなければならない」と批判した。
ナイ教授は1945年以降に執権した米国の大統領14人の道徳的政策を研究した結果、トランプ大統領が下位25%に含まれ、最も非道徳的な大統領という評価を受けたと述べた。ナイ教授は軍事力や経済制裁など物理的な「ハード・パワー(hard power)」と対照的な自発的同意、すなわち「ソフト・パワー(soft power)」の概念を導入した学者だ。その重要な源の1つを道徳と見ている。
ナイ教授は「新型コロナ対応で韓国は周辺諸国に模範的事例を記録した」とし「米中が世界的に主導的な役割をしているが、欧州、韓国も良い模範的事例を示すことができると考えている。ソフト・パワーを見せることができると思う」と述べた。
また「国際機関に背を向ける米国の現在の姿は、1930年代の繰り返しと言うことはできるだろうが、今後も支配だとは見ていない」と予想した。米国が1930年代の欧州で第2次世界大戦が起こる前の孤立主義外交路線に回帰しているように見えるが、これは米国社会全体の変化ではなく、トランプという人物の特殊性のためだという主張だ。
11月の大統領選挙でバイデン民主党候補が当選した場合、同盟関係の回復と多国間協力に努めるなどトランプ政権の「米国優先主義」政策に大きな変化があると予想した。ただ、北朝鮮に対して平和主義を貫く路線には懐疑的な見方を示した。ナイ教授はバイデン候補の陣営で外交戦略に関する諮問活動をしているものと知られている。
ナイ教授は今回の対談で、「韓国は(中国と日本の間に)サンドイッチのように挟まれているため気の毒だと思うことがある」とし「韓国の適切な戦略は、もっと距離のある国に行って力を借りてくること」と助言した。続けて「離れている同盟国の米国との関係が韓国の保護膜となるだろう」とし「米国と同盟関係を維持することが保護であり保険」と繰り返し強調した。中国の過度な介入を遮断するためには、米国との同盟関係を強固にすることが不可欠ということだ。
ただし、ナイ教授は「だからと言って中国と経済的な関係を切れというわけではない」とし「逆に中国経済から繁栄を享受することができなければならない」と付け加えた。
現在の国際情勢についてナイ教授は「習近平-トランプのリーダーシップは失敗した」と断言した。「米中が新型コロナウイルス感染症(コロナ19)問題で国際的リーダーシップを見せることができずにいるがどう思うか」という質問に対する答えだ。また、「習首席は党の統制権があるため、中国が内部的に大きく変わるとは思わない」と述べた。米大統領選挙でバイデン候補が勝利しても、中国の変化がない限り、米中の対立を解消することは困難だということを示唆したものだ。
ナイ教授は文在寅(ムン・ジェイン)政府の対北朝鮮・対日政策にも批判と助言を示した。
ナイ教授は文政権の「平和主義的対北朝鮮観」について「平和主義は良い意図を持っている」としつつも「敵にも実現することができるかを歴史的に見れば、事例は見受けられない」と述べた。続けて「武装せずに同盟のない平和主義を行ったとしたら、結果が良いかは疑問」とし「3代世襲をして叔父と異母兄弟を暗殺した金正恩(キム・ジョンウン)政権に平和主義を語るのは適切ではない」という批判的な見方を堅持した。バイデン候補が当選した場合、対北朝鮮アプローチがトランプ氏の時とは変わる可能性があることを示唆したものだ。
ナイ教授は、韓日関係についてもより未来志向的な形に変わらなければならないと強調した。ナイ教授は「リーダーにとって重要なのは過去にこだわらず未来を見ること」とし「北東アジア地域の平和と北朝鮮の抑制のためにも、日本を過去に韓国に傷つけた悪魔とみなしてはならない」と述べた。「今の日本は軍事力で韓国を支配していた1930年代の日本ではない」ではないかということだ。
ナイ教授は米中の対立が今後も続くと予測しつつも、国際的協力の重要性を強調した。ナイ教授は「パンデミック、気候変動などは単一国家に解決できる問題ではない」とし「バイデンが当選すれば、国際機関への再加入など、国際秩序の確立のために努力するだろう」と述べた。バイデン候補が当選すれば、米国がグローバルリーダーとしての地位を取り戻すために同盟関係を回復し、多国間協力の復元に努めるなど、政策の方向に変化があるということだ。
トランプ大統領については「米国民を分裂させる方法で道を探している。これはお金をかけずに国民の支持を得る方法」とし「真のリーダーは、人々が持つ観点をより高いレベルに引き上げることができなければならない」と批判した。
ナイ教授は1945年以降に執権した米国の大統領14人の道徳的政策を研究した結果、トランプ大統領が下位25%に含まれ、最も非道徳的な大統領という評価を受けたと述べた。ナイ教授は軍事力や経済制裁など物理的な「ハード・パワー(hard power)」と対照的な自発的同意、すなわち「ソフト・パワー(soft power)」の概念を導入した学者だ。その重要な源の1つを道徳と見ている。
ナイ教授は「新型コロナ対応で韓国は周辺諸国に模範的事例を記録した」とし「米中が世界的に主導的な役割をしているが、欧州、韓国も良い模範的事例を示すことができると考えている。ソフト・パワーを見せることができると思う」と述べた。
また「国際機関に背を向ける米国の現在の姿は、1930年代の繰り返しと言うことはできるだろうが、今後も支配だとは見ていない」と予想した。米国が1930年代の欧州で第2次世界大戦が起こる前の孤立主義外交路線に回帰しているように見えるが、これは米国社会全体の変化ではなく、トランプという人物の特殊性のためだという主張だ。
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