現代重工業が建造したLNG運搬船 [写真 現代重工業グループ]
先月の韓国造船業の善戦は、現代重工業グループの液化天然ガス(LNG)船受注のためだ。現代重工業グループは先月末、欧州・バミューダ所在の船会社からLNG船4隻を受注した。また、2隻は今月中旬に契約を締結することにした。1隻あたり1億8600万ドル(約200億円)で、6隻では計1兆3000億ウォンを超える。
現代重工業は先月、11隻を受注し、韓国が受注した12隻の大半を占めた。船種別にLNG船4隻のほか、石油化学(PV)船6隻、旅客船(RO-PAX)1隻を受注した。総額10億5000万ドルと、今年上半期の受注金額(20億ドル)の半分にのぼる。「造船ビッグ3」のうち大宇造船海洋とサムスン重工業は先月、受注がなかった。
先月、現代重工業はグローバルエネルギー企業ロイヤル・ダッチ・シェルが手掛けるLNGプロジェクト向けのLNG運搬船を受注した。このため下半期にはグローバル船会社のLNG発注が続くという期待が高まっている。
当初から今年のグローバルLG船需要は排ガス規制などのため増加すると予想されていた。しかし新型コロナウイルスの感染拡大でグローバル船会社の発注が延期されている。NH投資証券のチェ・ジンミョン研究員は「下半期のカタール・モザンビークの発注をはじめ、ロシアなどでもLNGプロジェクトが始まる見通し」と説明した。
クラークソンリサーチによると、今年(1-7月)のグローバル発注量は661万CGTと、前年同期比58%減少した。新型コロナによる景気不振の影響が大きかった。国別受注残高は中国2564万CGT(37%)、韓国1914万CGT(28%)、日本946万CGT(14%)の順。韓国の受注残高は前年同期比8%減少したが、日本(-35%)や中国(-11%)と比較すると善戦している。新規受注船舶の価格を表す先月のクラークソン「新造船価指数」は126ポイントと、前月より1ポイント下落した。
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