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目を開けていながら見逃した越北…韓国軍の科学化警戒システム無用の長物?

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

京畿道漣川地域前方GOPの鉄柵。鉄柵に白い網が細かく設置されている。[写真 韓国陸軍]

26日に北朝鮮が国営メディアを通じて北朝鮮に戻ったと明らかにした脱北者の男性(24)は江華島(カンファド)から北朝鮮に行ったと推定されると韓国軍当局が明らかにした。

合同参謀本部のキム・ジュンラク公報室長は27日の定例会見で、「該当者の北朝鮮入りした推定位置を江華島(カンファド)一帯と特定した」と話した。キム室長はまた「該当者を特定できるバッグを発見し現在詳細な調査をしている」と付け加えた。

韓国軍関係者は「江華島北側一帯が越北ルート」とし、「男性が海岸の鉄柵の下にある排水路を抜けた後、北朝鮮側に泳いで行ったものとみられる」と説明した。韓国軍当局がこのように推定する理由は、鉄柵の下の排水路近くで男性のバッグを発見したためだ。このバッグの中には男性のものとみられる各種書類などが入っていたという。


キム室長はまた、「北朝鮮に行った時期は現在特定しているが追加調査を通じて総合的な評価をしなければならない」と話した。北朝鮮は男性が19日に北朝鮮に戻ったと明らかにしており、男性の知人によると男性は18日午前2時にメッセージを送った後、午前2時20分から連絡が途絶えた。

韓国軍当局は26日に北朝鮮メディアの報道で男性が北朝鮮に戻ったことを遅れて認識したのに続き、この日も男性の行動を追跡するのに汲々とした様子だ。

当初男性が喬桐島(キョドンド)を経て軍事境界線(MDL)を越えたという見方が優勢だった。彼が2017年8月に喬桐島から韓国入りし帰順したためだ。また、北朝鮮に戻るため知人とともに17日に喬桐島一帯を事前に訪れていたという状況もつかんでいる。だが軍当局は精密捜索の末に男性のバッグを発見してからルートをようやく把握した格好だ。

また、男性が江華島北側から北朝鮮に戻った事実が最終確認される場合、韓国軍当局の海岸警戒態勢全般の問題点が表れたことになる。

現在江華島北側の場合、海岸に二重に鉄柵が張られており、鉄柵には科学化警戒システムが設置されている。韓国軍当局は軍兵力減少に備えるため科学化警戒システムを通じ前方・海岸・川沿い警戒に各種センサーとカメラを投じている。北朝鮮の黄海道(ファンヘド)と近い江華島北側は赤外線監視システム(TOD)まで設置された状態だ。

韓国軍当局は男性が北朝鮮に戻る際に鉄柵を直接突破したのではない側にウエイトを置いている。科学化警戒システムに鉄柵が毀損されたという信号が感知されていないためだ。鉄柵の下の排水路にも格子がはめられている。

軍当局は昨年アフリカ豚コレラ(ASF)が流行した際に感染したイノシシが北朝鮮から排水路を通じて韓国に入ってきた可能性が提起されたことに対し、「格子のため不可能だ」と強調した。しかし今回男性が排水路を北朝鮮に戻る通路として使った状況が明らかになり当時の軍当局の説明は説得力を失った。

結局軍当局はこれまで「科学化警戒システムには死角地帯がないため水も漏らさぬ警戒態勢を維持できる」と自評してきたが、北朝鮮入りを試みた男性を発見できなかったのだ。

該当地域の科学化警戒システムなど軍監視装備にトラブルが起きた可能性も提起されている。5月3日に非武装地帯(DMZ)中部戦線で起きた北朝鮮軍の監視哨所(GP)銃撃でも科学化警戒システムに連動されたKR-6重機関銃が不具合のため対応射撃をできなかったことがある。



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