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「北朝鮮木造船」から1年ぶりにまた突破された警戒態勢…韓国軍に大々的な問責も

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

脱北者の越北推定経路

脱北者1人が軍事境界線(MDL)を越えて韓国から北朝鮮に戻ったことを受け、韓国軍当局の警戒態勢が突破されたという指摘が出ている。北朝鮮の小型木造船が江原道三陟(カンウォンド・サムチョク)に入港した事実を一歩遅れて把握した軍当局が再発防止を約束してからわずか1年だ。朝鮮中央通信など北朝鮮官営メディアは26日午前、「開城市(ケソンシ)で悪性ウイルスに感染したと疑われる越南逃走者が3年ぶりに不法的に境界線を越えて7月19日帰郷するという非常事件が発生した」と伝えた。

直後、韓国政府は「確認中」という立場を出した。だが午後に入って軍関係者は「現在、軍は北朝鮮の公開報道に関連し、一部の人員を特定して関係機関と緊密に協調して確認中」と話した。事実上、越北事例があったと認める側に立場を変えた。

該当の越北者は2017年8月に脱北したキム氏(24)である可能性が高い。当時キム氏は西海(ソへ、黄海)5島の喬桐島(キョドンド)前方の海上で浮遊物に身を預けながら泳いで北方限界線(NLL)を越えてきた。当時彼は熱線観測装備(TOD)で監視中の海兵隊哨兵に発見された後、守則により安全に亡命した。軍当局はキム氏が亡命経路を逆にたどって、泳いで北朝鮮に渡った可能性が高いとみている。キム氏が喬桐島一帯を事前に現地調査した情況もある。


実際、キム氏が泳いで境界線を移ったのであれば、軍の警戒作戦失敗とみる素地がある。該当の水域は海上・海岸警戒作戦が常時的に行われている場所だが、現在としてはキム氏の越北阻止どころか把握さえできていなかった可能性が高いためだ。

特にこの日政府の立場が「確認中」から「人員特定」に変わったことから推測して、朝鮮中央通信の報道が出てきた後に軍当局がキム氏の越北事実を認知したのではないかという非難も避けられなくなった。韓国政府消息筋は「軍当局がキム氏の越北を北朝鮮報道以降に知った」と明らかにした。

最大の問題は、繰り返しこのような警戒態勢の弱点が確認されているという点だ。昨年6月15日、江原道三陟港に北朝鮮木造船が入港した事件のときは、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官が国民に対して謝罪声明を発表し、今回のような事件の再発を防ぐために警戒作戦システムを全般的に補完すると明らかにした。だが、キム氏が泳いで北に渡ったことが間違いなければ、結局、システム補完も効果がなかったということになる。

これに関連し、軍当局は正確な警衛把握のために合同参謀本部の戦争態勢検閲団を投じた。戦争態勢検閲団は戦闘準備態勢と警戒態勢の点検を行うところだ。調査結果によっては大々的な問責人事につながる可能性もある。

北朝鮮も今月25日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が主宰した政治局非常拡大会議で「越南逃走事件が発生した該当地域の部隊の粗末な戦線境界勤務実態を厳重に指摘し、事件発生に責任がある部隊に対する集中調査結果の報告を受け、厳重な処罰を適用」という問題を議論し、大々的な問責を予告した。

韓国政府の一部からは、早ければ今週の国防部長官改閣説も流れ出ている。後任長官には金有根(キム・ユグン)元国家安保第1次長や朴三得(パク・サムドク)国家報勲処長、金勇佑(キム・ヨンウ)元陸軍参謀総長などの名前が挙がっている。



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