ウーワブラザーズ・ロボット事業室のキム・ヨソプ理事
これは2018年6月、韓国のフードデリバリーアプリ関連のスタートアップ企業ウーワブラザーズ(Woowa Brothers、以下、ウーワ)のキム・ボンジン議長(当時代表)が創立8周年記念式で紹介した映像の中のシナリオだ。「配達の民族(ペダレミンジョク)が夢見る近い未来の配達ロボットライフ」というタイトルのこの映像で、キム議長は2022年にはこのような未来が来るだろうと予想した。この見通しは2年操り上げて実現されることになった。同社ロボット事業室のキム・ヨソプ理事は14日、知識プラットフォーム「fol:in(フォルイン)」とのインタビューで「世界で初めて屋内外統合自動運転が可能な配達ロボット『ディリZ』(開発名)の開発が完了した」と明らかにした。2019年11月、建国(コングク)大学ソウルキャンパスを動き回っていた室外専用配達ロボット「ディリドライブ」と今年5月ソウル松坡区(ソンパグ)ウーワ本社で試験運行を始めた室内用ロボット「ディリタワー」に続く第3世代配達ロボットだ。
ディリZは屋外用に開発された「ディリドライブ」が屋内も動き回れるように外観を整えてエレベーター搭乗機能を搭載した。障害者用の傾斜路を上がってエレベーターに乗りやすいようにロボットの幅を10%ほどスリム化し、いたずら好きの子どもにぶつかっても衝撃を受けないように外観を柔らかい材料で覆った。何よりディリZはアパートのエレベーターや玄関開閉システムと無線で交信して自ら玄関のドアを開いてエレベーターに乗ることができる。家で注文ボタンを押せばディリZが店に寄って品物をピックアップした後、アパート団地を通って配達を終える。キム・ヨソプ理事は「配達員が家を一軒一軒回る必要がなく、効率性と安全性が大きく改善される」としながら「近い将来、薬局訪問のような地域の便利屋も配達ロボットが引き受けることになるだろうと期待する」と話した。
グローバル配達ロボット市場は、昨年初めに自動運転配達ロボット「スカウト(Scout)」を公開したアマゾンや世界的な技術力を持つロボット企業「スターシップテクノロジーズ」などが先導している。だが、高層ビルの内外部を隈なく行き来することができる配達ロボットを公開するのはウーワが初めてというのがキム理事の説明だ。キム理事は「一戸建て住宅が中心の米国では屋内を行き来する配達ロボットがエレベーターに乗るなど高難易度の任務を遂行することはあまりない」とし「住居の60%以上がマンションという韓国の環境には『ディリZ』がどの国のロボットより最適化されている」と説明した。
「ディリZ」は韓国や中国などの中小技術企業5社と協力して作った。ライダー(LiDAR、パルス状に発光するレーザーを利用して周辺の事物を認知する探知装置)などを通した自動運転技術も重要だったが、最も難しかったのはマンションの防火用の段差やエレベーターとの無線交信問題など「韓国的環境」を解決することだった。キム理事は「5年内にソウル地域の半分以上のマンションを配達ロボットが回れるようになると期待する」と話した。
配達の民族は「ディリZ」を7月23日、京畿道高陽市一山西区(キョンギド・コヤンシ・イルサンソグ)にある現代モータースタジオ高陽で開かれる「ヒューチャーフォーラム:モビリティーの革新家、ポストコロナを想像する」で初公開する。行事はfol:inのホームページを通じてオン・オフラインでの申し込むが可能だ。
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