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【コラム】「グリーン・ニューディール」叫んだその日に石炭発電承認した韓国政府の矛盾

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
どこに行っても「グリーン・ニューディール」が話題だ。韓国政府は新型コロナ危機克服の戦略的グリーン・ニューディールを示したが、気候危機に対応して環境に配慮した雇用まで増やすという意義を含んでいる。しかし、最近の政府の動きを見ると、果たしてこのようなグリーン・ニューディールの哲学を正しく理解しているのか疑問に思う。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は6月30日、欧州連合(EU)の新しい指導部とテレビ会議システムを通じて首脳会談を行った。文大統領は「韓国政府が推進するグリーン・ニューディール政策の主要なパートナーになることを期待している」とし、EUに手を差し出した。欧州は「グリーン・ディール」を通じて地球規模の気候環境問題を主導している。双方はパリ条約の完全かつ迅速な実施のための強い意志まで強調した。 

ところが、文大統領がグリーン・ニューディール協力に言及したまさにその日の午前、韓国電力はインドネシア・ジャワ9、10号機石炭火力発電所の投資事業を認可した。国際エネルギー機関(IEA)によると、石炭は単一の要素としては、地球温暖化に最も大きな影響を与える。気候危機を克服するために最初に退出すべきエネルギー源だ。政府傘下の公企業がグリーン・ニューディールの哲学に正面から反する石炭事業承認を出したのだ。


グリーン・ニューディールは、気候変動への対応と経済危機の克服、不平等の解消という大きな目標の下に誕生した。だから欧州はグリーンディールを介して二酸化炭素純排出量をゼロにし、初のカーボンニュートラル大陸になるという目標を前面に打ち出した。

また、グリーンディール推進のために今後10年間で最低1兆ユーロ(約121兆円)を捻出すると明らかにした。関連政策はエネルギー・輸送・産業など気候危機を克服するために必要な幅広い分野を包括する。

ところが、韓国型グリーン・ニューディールはどうか。政府が6月初めに発表したグリーン・ニューディール財源は2025年までの今後5年間で27兆ウォン(約2兆4000億円)に過ぎない。米国大統領選挙の有力候補とされるバイデン氏は、気候変動に対応するために今後10年間で1兆7000億ドル(約182兆円)を投資するという公約を掲げた。欧州・米国のどちらと比べても、韓国政府のグリーン・ニューディール財源は極めて少ない。

より本質的な問題は別にある。韓国政府はグリーン・ニューディールについて述べながら、「2050年の炭素純排出ゼロ」という基本的な目標さえ言及していないという事実だ。グリーン・ニューディールを標榜し、石炭の投資を認可する自己矛盾はここから始まる。ここまで来れば、政府のグリーン・ニューディールに気候危機を真に防ぐためのビジョンと目標が含まれるのか疑問だ。

韓国の二酸化炭素排出量は世界7位だ。オーストラリアの山火事、ロシアの永久凍土の崩壊、感染症の感染拡大など、気候危機はすでに始まっていて、次第に悪化している。アントニオ・グテーレス国連事務総長は「気候危機を防げなければ、完全な災害が来るだろう」と警告した。 

危険を実感した韓国の若者たちは、政府を相手に気候危機対応を要求する訴訟をしている。気候危機のために自分たちの生存権が大きな脅威にさらされたことを知らせるためだ。6月に226の市・郡・区が参加「気候危機緊急宣言」を宣言した。グリーン・ニューディールを流行語のように繰り返す中央政府ばかり進む道を迷っているようだ。

李明博(イ・ミョンバク)政権は気候危機に対応し、経済成長を実現させると言って緑色成長計画を推進した。しかし、実際は執権期間の温室効果ガス排出量は毎年増加した。2009~2010年に温室効果ガスは10%以上急増した。

文在寅政府のグリーン・ニューディールを速断するのは早い。13日に発表予定の「グリーン・ニューディール総合計画」に気候危機を防ぐというビジョンとロードマップが明確に含まれるかをみれば判断できるだろう。

政府は、グリーン・ニューディール・パートナーのEUのグリーンディールに込められたビジョンが何かに留意しなければならない。そうでなければ、グリーン・ニューディールは李明博政府の緑色成長の焼き直しで失敗を繰り返すしかないだろう。

チョン・サンフン/グリーンピース気候参政権キャンペーンチーム長



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