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一家11人全員完治…コロナの秘密、5万年前の遺伝子にある

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の症状は人によって違う。特別な症状もなく治る人もいる一方、命を失う人もいる。症状が現れる様相もさまざまだ。初期は一様に高熱とせきが発生するが、下痢・幻覚・味覚喪失など人によって異なる症状が現れる。新型コロナはなぜ人ごとに症状が違って現れるのか。科学者はその有力な原因の一つとして遺伝子を挙げている。

これに関して5日(現地時間)、米紙ワシントン・ポスト(WP)は最近科学者がインド・ニューデリーに住むMukul Garg(33)一家のコロナ闘病記に注目していると伝えた。一家17人のうち11人が感染したが、1カ月で全員「完治」判定を受けたためだ。

感染者の中には90歳の高齢者をはじめ、糖尿と心臓病・高血圧を患っている50~60代も数人含まれていた。3カ月になった新生児も同居していて追加感染も懸念される状況だった。Gargさんは「祖父から甥姪まで、家族を一瞬にして失うのではないかと思い怖かった」と当時を振り返った。だが1カ月後、Gargさん一家は全員「完治」の判定を受けた。


Gargさん一家の事例からはいくつか注目するべきポイントがある。家族のほとんどが病院の治療を受けずに自然に治ったということだ。呼吸困難で入院した叔母1人を除き、残り10人は各自自分の部屋で自分の治療に専念した。特別な治療剤を使わなかった点も注目される。一家は医者の助言に従って、ビタミンや解熱剤など基本的な薬だけを処方された。

また、祖父と父、息子の症状と祖母と母、嫁の症状はそれぞれ違った。息子は祖母や母らと異なり、味覚と嗅覚が鈍くなる経験をした。さらに90歳の祖父は何の症状も現れなかった。

◆病院治療なしで全員完治…何が違ったか

もちろんGargさん一家は感染者に適用される防疫規則遵守を徹底的に守った。新型コロナ陽性判定後、各自の部屋から1カ月間出ず、外部の出入りも禁止した。また、感染者を分離収容できる空間と治療剤を供給する経済的条件も充分に整っていた。

それでも科学者はGargさん一家の完治事例は一般的ではないと言う。WPによると、科学者は、Gargさん一家の完治が遺伝的要因に裏付けられたものだとみている。90歳の祖父が無症状で軽症のまま完治し、息子にも同じような症状があったためだ。

実際、欧州では新型コロナが血液型など遺伝的要因に影響されるという研究結果が何回か発表されたことがある。先月17日、欧州の重症コロナ患者遺伝子分析グループは、血液型によって新型コロナ症状に違いがあるという論文を発表した。研究陣はA型の患者が重症に発展する可能性が高く、O型は軽症で済む可能性が高いと主張した。血液型は遺伝子によって変わるが、3番染色体遺伝子が新型コロナに関連するという。

スウェーデンのカロリンスカ研究所とドイツのマックス・プランク進化人類学研究所もほぼ同じような研究結果を出した。今月3日、両研究所はイタリアとスウェーデンの患者2000人を調査した結果、重症患者の遺伝子が4万年前に突然消えた原始人類ネアンデルタール人の遺伝子と関連すると発表した。新型コロナ患者の重症度が3番染色体にある遺伝子6つと関連していることが確認されたが、重症患者の場合、この遺伝子が5万年前のネアンデルタール人の遺伝子と同じ形だと主張した。

これに照らしあわせてみると、Gargさん一家の完治事例も遺伝的要因の介入可能性があるかもしれないということだ。ただし、まだ新型コロナと遺伝子間の相関関係を立証する明確な科学的証拠が出てきたわけではない。

科学者はGargさん一家の事例が新型コロナと遺伝的要因の関係を明らかにする主要事例になるのではないかと期待を寄せている。相関関係が明らかになれば新型コロナ高危険群を選別できる方法も突き止めることができるためだ。ムンバイにあるHinduja病院の肺専門医Zarir Udwadia氏は「インドで一家が同じような症状で全員が亡くなる場合と、反対に全員が助かった場合が目撃されている」とし「新型コロナが遺伝的要因に影響を受けるという仮設を追加で研究する必要がある」と話した。



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