ボルトン前米大統領補佐官が２１日、「トランプ大統領の米朝首脳会談は戦略的ミス」と話した。「トランプは途轍もない注目と多くのものを得たが、米国自体は何も得ていない」と断言しながらだ。ボルトン前補佐官は回顧録公開後初の公開インタビューで、「米大統領選挙後まで北朝鮮といかなる合意もないだろう。これは終わった」と非核化外交の終焉を宣言した。

ボルトン前補佐官はこの日夜にＡＢＣ放送に出演し、『それが起きた部屋―ホワイトハウス回想録』で、「われわれが初めての首脳会談に向けシンガポールにいた時、彼が繰り返しした話は最後の記者会見にどれだけ多くの人が参加するのか尋ねるものだった。４００～５００人ほどの人々はわれわれが離れる時には２０００人以上に増えた」とした。その上で「彼が焦点を置いたのは北朝鮮の指導者と会った初めての米国大統領として持つことになる途轍もない写真撮影行事だった」と話した。

彼は引き続き「彼はそこで莫大な注目を浴びたが、これは戦略的ミスだったと考える。トランプは多くのものを得たが、米国自体は何も得るものがなかった」とした。その上で「米国は独裁者にはるかに多くの正当性を与え、彼らの核兵器を除去する意味ある議論に向けては何も成し遂げられなかった。北朝鮮は３０年にわたりこうした路線を使っているのに米国政権は続けてだまされてしまった」と酷評した。


ボルトン前補佐官は逆に自身が１９８６年に当時のレーガン大統領がソ連のゴルバチョフ　書記長との会談場を蹴飛ばして出て行く映像を見せた通りに合意が失敗に終わったハノイでの米朝首脳会談は参謀として自らの役割をした成功事例に挙げた。トランプ大統領は韓半島（朝鮮半島）が第２次大戦終戦とともにどのように分断されたのか歴史的知識はまったくなく、政権外の非専門的側近の話に依存すると非難しながらだ。

彼は「大統領に本格的に授業しようというスタイルでしてはいないが、何度か試みがあり、時に成功した。金正恩（キム・ジョンウン）とハノイでの首脳会談準備に向け３回の会見で北朝鮮の核に関し望む種類の合意を得られないならば交渉テーブルを蹴って出てくるのが全面的に合理的という点を完全に理解し、実際にハノイでとても適切にその通りにした」と説明した。

ボルトン前補佐官は、トランプ大統領が金正恩のラブレターとブロマンス（男性同士の深い友情）を語っているが実際に金正恩が彼を愛しているのとの質問に「金正恩が爆笑するだろう」とした。「私が部屋にいる時にトランプ大統領がオフレコを条件に手紙をメディアに見せたが、実際は北朝鮮労働党宣伝扇動部の職員が書いたもの」としながらだ。

その上で「大統領はそれらを深い友情の証拠と見るが、深い個人的関係があっても金正恩が決して核兵器を放棄しないだろうという事実は変わることがなく、米国の国家安全保障の観点からこれだけが重要な問題」と話した。

ボルトン前補佐官は続けて「米大統領選挙後まで北朝鮮とはいかなる合意もないだろう。これは終わった」と米朝外交の終焉を宣言した。彼はトランプ大統領の北朝鮮と合意する能力を「ゼロ」と評価した。彼は『自分が馬鹿に見えることはできない』と繰り返したりしたが、これは共和党の大規模反発脅威のために北朝鮮と悪い取引から私たちが救われたという意味」とした。

彼は「北朝鮮はトランプと補佐官を分裂させられれば合意を得られると考えた。だが当時の補佐官は私であり、私が離れてからいまも役割を遂行する他の人はいくらでもいる」とした。その上で「北朝鮮はトランプが根本的に合意に相応する代価に無知な人だと考えたが、それが金正恩を失敗させ、中国も失敗させた」とした。

ボルトン前補佐官はこの日、「この国を取り返しのつかない悪循環に陥らないように彼が１期限りの大統領と記憶されるよう望む」として事実上の落選運動にも出た。彼は「われわれは１期（４年）は乗り越えられる。保守共和党（候補）が選出される奇跡が起こらなくてもトランプの２期再選はさらに問題が多いだろうと絶対的に確信する」とも述べた。

彼は「この大統領が再選するならば中国に対する厳しい非難声明から中国との巨大な貿易協定の誘惑に復帰するだろう。その時は取引の条件がどうなるのかだれもわからない」と警告した。