北朝鮮が対北朝鮮ビラを問題にして対南威嚇と南北関係断絶に出たことを受け、統一部は10日、北朝鮮にビラを散布した脱北者団体の自由北朝鮮運動連合とクンセムを警察に告発し法人設立認可を取り消すという方針を発表した。自由北朝鮮運動連合とクンセムはそれぞれ脱北者のパク・サンハク氏とパク・ジョンオ氏が代表を務める団体で、先月31日に北朝鮮に向けビラを飛ばした。
統一部の呂尚基(ヨ・サンギ)報道官はこの日、「両は北朝鮮へのビラとペットボトル散布活動により南北交流協力法の搬出承認規定に違反した。南北首脳間合意(2018年4月)に正面から違反し、南北間の緊張を作り境界地域住民の命と安全に対する危険を招くなど公益を侵害したと判断した」と告発理由を説明した。1990年に制定された南北交流協力法は第13条1項で北朝鮮に物品を送ろうとする者は事前に統一部長官の承認を受けるよう定めている。ところが両団体は先月31日にビラと、1ドル札とコメを入れたペットボトルを北朝鮮に送り、事前承認がなかったというのが統一部の立場だ。交流協力法違反が確定すれば3年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金が科される。
だが韓国政府のこの日の措置は、ビラ散布への処罰に消極的だった過去の政権とは違い、「表現の自由」侵害議論を自ら招いた上に、「言葉を変えた」という議論も呼びそうだ。政府は4日にビラ散布と関連し、現行法では処罰が適切でないとの立場を明らかにした。その上でビラ散布禁止などを「バランスよく」盛り込む法改正を検討中とした。だが統一部はこの日、交流協力法でも処罰が可能だと立場を変えた。
当初ビラ禁止法の検討を公開したが法改正まで時間がかかるため現行法でも処罰可能としたのではないかとの指摘が相次ぐ。政府当局者はこれと関連し、現行法での処罰が可能になった背景に「事情変更があった」とした。ところが統一部が明らかにした事情変更は2018年4・27南北首脳会談の際に合意した「対北朝鮮ビラ散布など中断」と最近の金浦(キンポ)市長のビラ中断要請などだった。6日ぶりに立場を変え2年前の合意を根拠に上げたのだ。
韓国政府のビラ団体告発は北朝鮮が対南事業を「対敵事業」に転換すると威嚇してから1日で出てきた。流れから見れば、金与正(キム・ヨジョン)第1副部長の「ビラ非難」談話(4日)→統一部「ビラ禁止法」検討(4日)→北朝鮮が南北すべての通信線遮断(9日)→統一部がビラ散布団体告発(10日)と、韓国政府が冷静に対応するよりも北朝鮮をなだめるのに汲々としているという批判を呼びそうだ。
該当団体は強く反発した。自由北朝鮮運動連合のパク・サンハク代表は「政府が強者にはこびへつらい、弱者にはこのように刀を突き付ける、これが私たちが訪ねてきた自由民主主義国なのか疑わしい。政府が逆賊だ。李明博(イ・ミョンバク)政権当時に北朝鮮へのビラにお金を入れたとして南北交流協力法違反で告発されたが無罪判決を受けた」と明らかにした。クンセムのパク・ジョンオ代表も「いままで黙っていたのに北朝鮮に何か言われたから制止する、ここは主権国家なのか」と述べた。未来統合党の金恩慧(キム・ウンヘ)報道官はこの日「法を行き来したのは脱北団体でなく韓国政府。大韓民国憲法と国民を乗り越えることはできない」と批判した。金報道官は「統一戦線部ではなく統一部に勧める。息を一度整えて正常に戻りなさい」と皮肉った。
韓国政府のビラ団体圧迫に北朝鮮が態度を和らげるかは不透明だ。北朝鮮はこじれている米朝交渉と続いている対北朝鮮制裁に内部経済事情悪化まで重なり、与しやすい韓国を原因提供者として怒りをぶつけているという見方が北朝鮮専門家らの間で多い。西江(ソガン)大学政治外交学科のキム・ヨンス教授は「北朝鮮は対北朝鮮制裁、アフリカ豚コレラ、新型コロナウイルスなど内部的困難が続いていることから、住民らの関心を向けるために脱北者ビラを問題にした側面があり韓国政府が自分たちが要求する措置を取っても当分現在の基調を維持するだろう」と予想する。
統一部の呂尚基(ヨ・サンギ)報道官はこの日、「両は北朝鮮へのビラとペットボトル散布活動により南北交流協力法の搬出承認規定に違反した。南北首脳間合意(2018年4月)に正面から違反し、南北間の緊張を作り境界地域住民の命と安全に対する危険を招くなど公益を侵害したと判断した」と告発理由を説明した。1990年に制定された南北交流協力法は第13条1項で北朝鮮に物品を送ろうとする者は事前に統一部長官の承認を受けるよう定めている。ところが両団体は先月31日にビラと、1ドル札とコメを入れたペットボトルを北朝鮮に送り、事前承認がなかったというのが統一部の立場だ。交流協力法違反が確定すれば3年以下の懲役または3000万ウォン以下の罰金が科される。
だが韓国政府のこの日の措置は、ビラ散布への処罰に消極的だった過去の政権とは違い、「表現の自由」侵害議論を自ら招いた上に、「言葉を変えた」という議論も呼びそうだ。政府は4日にビラ散布と関連し、現行法では処罰が適切でないとの立場を明らかにした。その上でビラ散布禁止などを「バランスよく」盛り込む法改正を検討中とした。だが統一部はこの日、交流協力法でも処罰が可能だと立場を変えた。
当初ビラ禁止法の検討を公開したが法改正まで時間がかかるため現行法でも処罰可能としたのではないかとの指摘が相次ぐ。政府当局者はこれと関連し、現行法での処罰が可能になった背景に「事情変更があった」とした。ところが統一部が明らかにした事情変更は2018年4・27南北首脳会談の際に合意した「対北朝鮮ビラ散布など中断」と最近の金浦(キンポ)市長のビラ中断要請などだった。6日ぶりに立場を変え2年前の合意を根拠に上げたのだ。
韓国政府のビラ団体告発は北朝鮮が対南事業を「対敵事業」に転換すると威嚇してから1日で出てきた。流れから見れば、金与正(キム・ヨジョン)第1副部長の「ビラ非難」談話(4日)→統一部「ビラ禁止法」検討(4日)→北朝鮮が南北すべての通信線遮断(9日)→統一部がビラ散布団体告発(10日)と、韓国政府が冷静に対応するよりも北朝鮮をなだめるのに汲々としているという批判を呼びそうだ。
該当団体は強く反発した。自由北朝鮮運動連合のパク・サンハク代表は「政府が強者にはこびへつらい、弱者にはこのように刀を突き付ける、これが私たちが訪ねてきた自由民主主義国なのか疑わしい。政府が逆賊だ。李明博(イ・ミョンバク)政権当時に北朝鮮へのビラにお金を入れたとして南北交流協力法違反で告発されたが無罪判決を受けた」と明らかにした。クンセムのパク・ジョンオ代表も「いままで黙っていたのに北朝鮮に何か言われたから制止する、ここは主権国家なのか」と述べた。未来統合党の金恩慧(キム・ウンヘ)報道官はこの日「法を行き来したのは脱北団体でなく韓国政府。大韓民国憲法と国民を乗り越えることはできない」と批判した。金報道官は「統一戦線部ではなく統一部に勧める。息を一度整えて正常に戻りなさい」と皮肉った。
韓国政府のビラ団体圧迫に北朝鮮が態度を和らげるかは不透明だ。北朝鮮はこじれている米朝交渉と続いている対北朝鮮制裁に内部経済事情悪化まで重なり、与しやすい韓国を原因提供者として怒りをぶつけているという見方が北朝鮮専門家らの間で多い。西江(ソガン)大学政治外交学科のキム・ヨンス教授は「北朝鮮は対北朝鮮制裁、アフリカ豚コレラ、新型コロナウイルスなど内部的困難が続いていることから、住民らの関心を向けるために脱北者ビラを問題にした側面があり韓国政府が自分たちが要求する措置を取っても当分現在の基調を維持するだろう」と予想する。
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