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大韓航空、貨物輸送のおかげで4-6月期にサプライズ黒字

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

今年3月、大韓航空A330旅客機に貨物を積載している様子。コロナ事態以降、航空貨物が航空業界の救世主になっている。[写真 大韓航空]

新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の直撃を受けた航空業界が思いがけない救世主に出会った。それが航空貨物だ。最近、航空貨物の実績好調で大韓航空は4-6月期にサプライズ黒字を記録するだろうという展望まで出てきた。

◆空の道が行き詰まると貨物運賃が上昇

ナイス信用評価は今月4日、大韓航空の信用格付けの下方検討を解除し、長期信用格付けをBBB+に維持することにした。4-6月期には「1-3月期営業の赤字(-828億ウォン、約-75億円)の相当部分をカバーする黒字」まで予想した。3月の新型コロナによる旅客機運航中断などを理由に、信用格付けの下方を検討したことに比べると劇的な反転だ。


糸口はその行き詰まっていた「空の道」にあった。新型コロナで旅客機運航が減ると、航空貨物運賃がむしろ大きく上昇したのだ。航空貨物は貨物専用機で運ぶ方法と、旅客機の貨物室にのせて運ぶ「ベリー便(Belly Cargo)」の2つの方法がある。ベリー便方式は全体貨物輸送の半分ほどを占めるほど主要な方法だ。だが、新型コロナで国際路線が中断されると、ベリー便での運送が貴重なものになった。当然、運賃の単価も上がったが、航空貨物運賃指数であるTAC指数をみると香港-北米航空貨物運賃は今年1月1キログラムあたり3.1ドルにすぎなかったが、5月には7.7ドルと2倍以上に膨らんだ。

◆航空貨物需要増加も一役

航空貨物に対する需要が増えたことも実績改善に影響を及ぼした。新型コロナで医療物資の輸送が増えたうえに中国の生産施設が再稼働したことも好材料として作用した。新型コロナの防疫に比較的成功的だった韓国は工場の稼働を中断することなく輸出品の生産を続けたことも需要拡大を後押しした。

◆異例の原油安も実績改善に影響

国際原油価格の下落は費用改善に役立った。実際、ドバイ原油基準今年1月に1バレルあたり63.3ドルだった原油価格は4月には20.4ドルまで落ちた。

先月は1バレルあたり30.5ドルに再び上昇した1月と比べても半分水準だ。

この他にも、航空会社の給与凍結および削減、無給休職に伴う人件費縮小など自救努力も全般的な財務状態を改善させた。

◆貨物特需持続するか…長期展望は不透明

しかし今後は依然として問題だ。今月から中断された国際路線を再起すれば貨物運賃の単価が再び落ちる可能性が高い。国際原油価格も回復傾向を示しており、費用負担も大きくなっている。何より根本的に新型コロナウ事態が解決されなければ危機克服が難しいというのが専門家の評価だ。ナイス信用評価は新型コロナが今年7-9月期まで持続するなら、大韓航空の売上額は8兆6000億ウォン(約7760億円)で前年比32.4%、アシアナ航空売上額は4兆6000億ウォンで34.1%減少するだろうとしている。だが、新型コロナ事態が来年1-3月期まで持続すれば大韓航空は40%、アシアナ航空は44.3%まで売り上げ減少幅が拡大すると予想した。



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