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韓経:ドル相場1100ウォン台まで下落した理由

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

9日のドル相場は7.10ウォン安の1ドル=1197.70ウォンで取引を終え、3カ月ぶりに1100ウォン台まで値を下げた。ハナ銀行のディーリングルームで行員がこの日の終値を示す電光掲示板のそばを通っている。ホ・ムンチャン記者

為替相場が1ドル=1200ウォン台から下がり1100ウォン台に進入した。ドルが下がりウォンが上がったという話だ。新型コロナウイルスが世界的に広がってから初めてだ。ドルがこのように下落傾向に転じた理由は大きく3種類と分析されている。韓国の新型コロナウイルスの状況が相対的に良好で、世界市場にドルが多く供給され、世界的に危険資産選好現象が回復しているためと解説される。だが外国為替市場参加者は世界的に新型コロナウイルスが再度拡散するならばドル相場はいつでも急騰できるとみている。

9日のソウル外国為替市場でドル相場は7.10ウォン値を下げ1ドル=1197.70ウォンで取引を終えた。終値基準でドル相場が1100ウォン水準に下がったのは3月11日の1193ウォン以来となる。この日の為替相場は7.80ウォン安の1197ウォンから始まり、午後には一時1195.40ウォンまで値を下げた。だが取引終了間際に下落幅を一部戻した。

ドル相場が上がり始めたのは2月下旬だ。2月18日に大邱(テグ)の新天地教会で患者が発生してから韓国が中国に次いで世界で感染者が2番目に多い国になった。ドル相場は2月21日に1209.20ウォンを記録し今年に入って初めて1200ウォンを超えた。3月19日には今年の最高値である1285.70ウォンに上昇し1300ウォン水準に近付いた。


だが3月19日午後10時に韓米通貨スワップが締結された直後に下がり始めた。先月末まで為替相場は1210~1240ウォンで推移した。

ドル相場は8日の取引開始直後に1200ウォン水準まで下落した。警戒心理が生き返りこの日1100ウォン台進入には失敗した。だが9日は取引開始から大きく下落し1100ウォン台に入った。

ウォンの価値が上昇し円相場も下方曲線を描いている。この日ソウル外国為替市場で円相場は100円=1108.72ウォンで引けた。前日より8.50ウォンのウォン安となった。この日は円が上がったが、円相場は今月に入り下り坂を歩いている。3月19日に1183.23ウォンで年初来高値となった円相場はその後1140~1150ウォンの範囲で推移した。だが先月末からこの日までで46.64ウォン下がった。

ドル相場が下がったのは米連邦準備制度理事会(FRB)が市中に流動性を大量供給した影響が大きかった。FRBが保有する債券などの資産は先月25日に7兆973億ドルに達した。大規模国債買い入れをはじめとする量的緩和政策を導入する直前の3月2日の4兆2415億ドルに比べ2兆8558億ドル増えたのだ。FRBがそれだけの国債と社債を買い入れて市中にドルを供給したのだ。FRBは3月19日に韓国、オーストラリア、ブラジルなど9カ国と総額4500億ドル規模の通貨スワップを締結する方式で世界にドルを供給したりもした。

対ドルで先進国の通貨も上昇している。ユーロ相場は1ユーロ=1.129ドルを記録した。年初来高値となった3月10日の1.142ドルに比べ1.2%のユーロ高となった。

世界市場ではドル高が解消され危険資産選好現象が再び生じている。3月第3週には70億ドル以上が新興国から流出したが、5月最終週には純流出規模が1億ドルにも達しなかった。

米国雇用指標が予想より好転したのも投資心理を盛り立てる役割をした。米労働省は5日に先月の雇用が250万件増加したと発表した。750万件減少するという予測を破ったのだ。同じ期間の失業率は13.3%で前月と比べ1.4ポイント改善した。実際の失業率統計は16.3%と推定されたが依然として市場予想値の19.6%を下回る数値だ。こうした「サプライズ発表」に投資家が危険資産を買おうとする動きは一層強まった。

市場専門家らはドルが下り坂を歩くよりは新たなボックス相場を形成するだろうと予想した。ハイ投資証券のパク・サンヒョン研究委員は「民間消費と輸出など経済基礎体力が改善されていないだけにドル相場は1180~1210ウォン水準で推移するだろう。7-9月期の輸出指標がどれだけ改善されるかが為替相場の方向性を分けるだろう」と話した。



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