国際経済機構の世界銀行（世銀）が韓国を「緊急医療支援国家」に選定した。東アジア・太平洋地域で勤務する世銀職員が病気やけがで治療が必要な場合、韓国が緊急医療支援をする。

企画財政部によると、世銀のヴィクトリア・クワクワ東アジア・大洋州地域副総裁とアネット・ディクソン人的開発担当副総裁が先週、企画財政部のホ・ジャン国際経済管理官にこのような内容の公式書簡を送ったという。

書簡は「韓国政府と国民の新型コロナウイルス感染症への対応は印象深い。他の加盟国は韓国の経験から得る教訓が多い」と選定理由を明らかにした。


世銀はすでにタイとシンガポールの２カ所を緊急医療指定国に選定し、運営してきた。世銀の東アジア太平洋地域事業は主に東南アジアの開発途上国で行われる。これらの国との距離、医療水準などを考慮し、タイとシンガポールが指定された。

しかし新型コロナ事態をきっかけに世銀の内部で緊急医療指定国を増やすべきという要求があり、４－５月に韓国、日本、中国の３カ国の中で検討が進められた。

企画財政部の関係者は「韓日中３カ国を対象に世銀の要請があり、検討が進められた」とし「該当国の新型コロナ発生状況、医療の余力、該当政府の内部検討・決定速度などが考慮され、韓国が指定されたと理解している」と伝えた。続いて「従来の緊急医療指定国（タイ・シンガポール）とは違い、東南アジアの開発途上国と距離が離れているにもかかわらず韓国が指定国になったのは意味がある」と述べた。

今後、世銀はけがなど一般外傷、急性・重症疾患、がん・糖尿・精神的外傷など慢性疾患がある職員がいる場合、本人の要請によっては韓国に送って治療を受けさせる予定だ。また、世銀は保健専門家を仁川松島（インチョン・ソンド）にある世銀韓国事務所に派遣し、保健・医療部門に関する事例研究も進行する。その間、世銀は韓国の経済、情報技術（ＩＴ）産業に関する事例研究を主にしてきた。保健・医療部門の専門家派遣と共同研究は初めて。

企画財政部当局者は「（今回の緊急医療指定国選定で）韓国の医療技術が国際的に認められ、医療観光などインバウンド医療輸出拡大にも寄与すると予想される」と話した。