北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹である金与正(キム・ヨジョン)労働党第1副部長が4日、脱北者団体のビラ散布に関連して「南北軍事合意の破棄の覚悟をしておけ」と警告した。この日、労働新聞(2面)を通じて発表された「南朝鮮当局の黙認のもと、脱北者ゴミたちが反共和国敵対行為を敢行」という題名の金与正氏個人名義の談話でだ。
金与正氏は「私はもともと、悪いことをする奴よりもそれを見なかったふりをしたりそそのかしたりする奴のほうが嫌いだ」とし「あちら側の地域(南側)でこのように低劣で汚い敵対行為が容認されるということが理解できない」と主張した。先月31日、一部の脱北者団体が休戦ライン付近でビラを散布したことに対する反発だ。
金与正氏の対南非難は3月3日に青瓦台(チョンワデ、大統領府)に対して「低能だ」と主張してから93日ぶりのことだ。金与正氏は北朝鮮の超大型放射砲発射に対して韓国政府が遺憾を表明すると、これに反発する談話を出した。当時は朝鮮中央通信を通じて談話を発表したが、今回公式官営メディア「労働新聞」を通じて立場を出したのは異例ともいえる。それだけ北朝鮮がビラ散布を重大なこととして受け止めているという傍証という評価だ。
建国(コングク)大学統一人文学研究団のチョン・ヨンソン教授は「北朝鮮が対南宣伝メディアではなく労働新聞に掲載したという点は、今回のビラ散布を金正恩国務委員長が署名した南北共同宣言に関連して、休戦ライン地域での軍事的緊張緩和違反と見なして正面対抗するという意図があると考えられる」と分析した。
実際、金与正氏はこの談話の中で、北朝鮮の今後の措置に対して具体的に言及した。「もし~(なら…)になるか(もしれない)」という条件節を使ってはいるが、昨年明らかにした金剛山(クムガンサン)観光施設の撤去に続き、開城(ケソン)工業団地の撤去、南北共同連絡事務所の閉鎖、南北軍事合意破棄などがそれだ。
前職高位級当局者は「ビラ散布は以前の政府でもあった事案」としながら「国防委員会ではなく金与正個人名義で発表したのは、今後、軍事的行動に対する名分を立てるとともに南北関係で自身の地位を示そうとする意図があるかもしれない」と評価した。
談話で「私は」という表現を使ったことも同じ脈絡だ。北朝鮮大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「今回の事案は軍部からメッセージが出てくるべきものだが、金与正が直接出てきたのは一種のメッセンジャー役を果たしたと考えられる」とし「一層地位が強化された金与正の声を通じて、断固たるトーンで対南圧迫に出た」と分析した。
今年、韓半島(朝鮮半島)平和体制の構築に心血を注いでいる韓国政府は北朝鮮の「軍事合意破棄」カードに注目している。文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、一つひとつ積み上げてきた努力が一気に崩れかねないためだ。
政府当局者は「韓国政府は平和体制の構築と非核化を通した恒久的な韓半島の平和を追求している」とし「2018年9・19平壌(ピョンヤン)共同宣言の下位概念として採択した軍事合意書の履行が優先されなければならない」と強調した。
加えて北朝鮮が開城工業団地の閉鎖を公式に言及したという点も注目される。金委員長は昨年10月、金剛山を訪れて「南側が作った建物をすべて撤去しろ」と指示したことに続き、南北協力事業で重要な役割を担ってきた開城工業団地閉鎖に言及することによって北朝鮮が対南不満程度を高めているという評価だ。
米朝対話の進展とは別に、今年南北関係改善を推進中の政府は直ちに反応した。統一部は金与正氏の談話発表から約4時間後、予定になかった記者会見を通じて、南側団体の行動自制を要求する立場を発表した。
統一部の呂尚基(ヨ・サンギ)報道官はこの日の記者会見で「ビラ散布が境界地域の緊張要素につながった事例に注目し、何回もビラ散布中断に対する措置を取ってきた」とし「境界地域の国民の生命と財産に脅威を招く行為は中断されるべきだ」と明らかにした。
呂氏はまた「政府はこのような状況を総合的に考慮し、境界地域における緊張造成行為を根本的に解消できる実効性のある制度改善方案をすでに検討している」と付け加えた。
金与正氏は「私はもともと、悪いことをする奴よりもそれを見なかったふりをしたりそそのかしたりする奴のほうが嫌いだ」とし「あちら側の地域(南側)でこのように低劣で汚い敵対行為が容認されるということが理解できない」と主張した。先月31日、一部の脱北者団体が休戦ライン付近でビラを散布したことに対する反発だ。
金与正氏の対南非難は3月3日に青瓦台(チョンワデ、大統領府)に対して「低能だ」と主張してから93日ぶりのことだ。金与正氏は北朝鮮の超大型放射砲発射に対して韓国政府が遺憾を表明すると、これに反発する談話を出した。当時は朝鮮中央通信を通じて談話を発表したが、今回公式官営メディア「労働新聞」を通じて立場を出したのは異例ともいえる。それだけ北朝鮮がビラ散布を重大なこととして受け止めているという傍証という評価だ。
建国(コングク)大学統一人文学研究団のチョン・ヨンソン教授は「北朝鮮が対南宣伝メディアではなく労働新聞に掲載したという点は、今回のビラ散布を金正恩国務委員長が署名した南北共同宣言に関連して、休戦ライン地域での軍事的緊張緩和違反と見なして正面対抗するという意図があると考えられる」と分析した。
実際、金与正氏はこの談話の中で、北朝鮮の今後の措置に対して具体的に言及した。「もし~(なら…)になるか(もしれない)」という条件節を使ってはいるが、昨年明らかにした金剛山(クムガンサン)観光施設の撤去に続き、開城(ケソン)工業団地の撤去、南北共同連絡事務所の閉鎖、南北軍事合意破棄などがそれだ。
前職高位級当局者は「ビラ散布は以前の政府でもあった事案」としながら「国防委員会ではなく金与正個人名義で発表したのは、今後、軍事的行動に対する名分を立てるとともに南北関係で自身の地位を示そうとする意図があるかもしれない」と評価した。
談話で「私は」という表現を使ったことも同じ脈絡だ。北朝鮮大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は「今回の事案は軍部からメッセージが出てくるべきものだが、金与正が直接出てきたのは一種のメッセンジャー役を果たしたと考えられる」とし「一層地位が強化された金与正の声を通じて、断固たるトーンで対南圧迫に出た」と分析した。
今年、韓半島(朝鮮半島)平和体制の構築に心血を注いでいる韓国政府は北朝鮮の「軍事合意破棄」カードに注目している。文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、一つひとつ積み上げてきた努力が一気に崩れかねないためだ。
政府当局者は「韓国政府は平和体制の構築と非核化を通した恒久的な韓半島の平和を追求している」とし「2018年9・19平壌(ピョンヤン)共同宣言の下位概念として採択した軍事合意書の履行が優先されなければならない」と強調した。
加えて北朝鮮が開城工業団地の閉鎖を公式に言及したという点も注目される。金委員長は昨年10月、金剛山を訪れて「南側が作った建物をすべて撤去しろ」と指示したことに続き、南北協力事業で重要な役割を担ってきた開城工業団地閉鎖に言及することによって北朝鮮が対南不満程度を高めているという評価だ。
米朝対話の進展とは別に、今年南北関係改善を推進中の政府は直ちに反応した。統一部は金与正氏の談話発表から約4時間後、予定になかった記者会見を通じて、南側団体の行動自制を要求する立場を発表した。
統一部の呂尚基(ヨ・サンギ)報道官はこの日の記者会見で「ビラ散布が境界地域の緊張要素につながった事例に注目し、何回もビラ散布中断に対する措置を取ってきた」とし「境界地域の国民の生命と財産に脅威を招く行為は中断されるべきだ」と明らかにした。
呂氏はまた「政府はこのような状況を総合的に考慮し、境界地域における緊張造成行為を根本的に解消できる実効性のある制度改善方案をすでに検討している」と付け加えた。
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