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尹美香氏が残した課題「被害者中心主義」…文政府になりすでに慰安婦被害者21人が死去(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

慰安婦問題韓日合意についてのTF検討結果を発表している韓国外交部の康京和長官。[写真 共同取材団]

韓国与党「共に民主党」で当選した尹美香氏が先月29日、国会で正義連活動期間中における不正疑惑などに対する立場を発表した後、記者団の質問に答えている。[中央フォト]

「挺対協(韓国挺身隊本問題協議会)と尹美香(ユン・ミヒャン)〔日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)元理事長〕は旧日本軍慰安婦被害者のための被害者中心団体ではなく、もう一つの権力団体を肥やすために血眼になっていただけだ」

日本強制徴用・慰安婦被害者とその遺族でつくる市民団体「太平洋戦争犠牲者遺族会」の梁順任(ヤン・スニム)会長は1日、記者会見を開き、正義連と与党「共に民主党」の尹美香議員を強く批判した。

これに先立ち、慰安婦被害者である李容洙(イ・ヨンス)さん(92)も4~5月に3回の記者会見を通じて、韓国社会に重いメッセージを投げかけた。「挺対協が過去30年間おばあさんを利用した」という李さんの叫びは、これまでの慰安婦運動のやり方に根本的な問題を提起している。


専門家は歴史問題にアプローチする際、伝家の宝刀のごとく使われてきた「被害者中心主義」の真の意味に今こそ立ち返るべき時点だと話す。

◆「被害者支援団体=被害者」に固定化した公式

正義連の前身である挺対協は、1991年にあった故金学順(キム・ハクスン)さんの最初の被害証言以降、慰安婦問題を公論化させてきた。韓国政府がこの問題を放置していていた過去30年間、挺対協・正義連は日本に謝罪と賠償を要求して世論を形成し、慰安婦運動の主軸になった。この過程で挺対協と正義連は聖域になった。「被害者団体イコール被害者」という公式が韓国社会に位置づいた。このような点は2017年外交部の検証タスクフォース(TF、作業部会)の「2015年慰安婦合意検討報告書」にもよく表れている。

報告書は慰安婦問題をめぐる2015年韓日合意で「被害者中心の解決」が行われていなかったとの結論を出して「(当時の)外交部は交渉に臨みながら、両国政府の間で合意しても『被害者団体』が受け入れなければ再び原点に戻るほかはないため、『被害者団体』を説得することが重要だという認識を持った」と言及した。被害者と団体を同一視したのだ。

◆文政府も言葉だけだった

外交部は歴史問題解決の第1原則として被害者中心主義を前面に出し、その核心要素として「問題解決過程で被害者の意味ある参加と協議を保障すること」(2018年1月9日報道官定例記者会見)と説明した。このような基調に沿って、女性・人権問題専門家の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は2017年にTF報告書発表して以降、23人の慰安婦被害女性と一人ひとり面談した。

ところがその後の過程を見ると、韓日合意に基づき設立された「和解・癒やし財団」解散の他に政府が慰安婦問題を積極的に解決しようと努力した痕跡ははっきりと見ることはできない。「2015年の合意は間違っているが、政府間の合意なので破棄ではない」という宣言に縛られ、日本政府と再協議を試みるわけでも、かといって被害者のための新しい救済措置を用意するわけでもなかった。

はっきりしない政府の態度のせいで状況が2011年8月憲法裁判所の「慰安婦問題解決の不作為(不作為、当然なすべきことをしない)」判決以前に戻ったのではないかという指摘まで出ている。その間に金福童(キム・ボクドン)さんやクァク・イェナムさんら21人の慰安婦被害者が亡くなった。


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