韓国銀行(韓銀)が28日、政策金利を年0.5%に引き下げ、韓国もゼロ(0)金利に近づいた。米国との政策金利の差も0.5%にすぎない。市場は、韓銀が政策金利をこれ以上引き下げる余力がないか、あるとしても0.25ポイントに限られるとみている。このため韓銀の通貨政策は量的緩和に移ると予想されている。韓銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁も本格的な量的緩和に入ることを示唆した。李総裁は「国債買い入れに積極的に動く」と述べた。債券市場では韓銀が今年10兆ウォン(約8700億円)以上の国債を買い入れる可能性があるとみている。
◆強まる「Dの恐怖」
韓銀はこの日、金利を引き下げながら「低成長・低物価」に対する危機感を繰り返し表した。通貨政策方向の発表文で「新型コロナウイルスの感染拡大で景気不振が続き、成長展望経路の不確実性も非常に高い」とし「消費者物価上昇率は国際原油価格の下落と需要圧力が弱まり、0%台序盤になるだろう」と説明した。韓銀はこうした懸念から今年の成長率を通貨危機当時の1998年以来の最低水準となるー0.2%、消費者物価上昇率も過去最低の0.3%と提示した。
今年の消費者物価上昇率のほか今後1年間の消費者物価上昇率予測値を表す「期待インフレ率」は今月1.6%(前月比基準)と、関連統計を出し始めた2002年2月以降で最も低かった。多くの物価指標が過去最低水準に落ちると、デフレーション(持続的な物価下落)の懸念がいつよりも強まった。韓国金融研究院のチャン・ミン研究委員は「潜在成長率は急速に落ち、デフレ圧力は強まっている」と診断した。
世界がゼロ金利に向かっていることも韓銀の利下げの背景となった。米国とユーロ圏はすでにゼロ金利としている。こうした基軸通貨国のほかにもタイ(年0.50%)、オーストラリア(年0.25%)、ニュージーランド(年0.25%)、イスラエル(年0.25%)などもゼロ金利に近い水準に金利を引き下げている。
◆利下げから国債買い入れへ
李総裁は「今回の引き下げで政策金利が実効下限水準に近づいた」とし「実効下限は米国などの先進国より韓国がさらに高くなければいけない」と述べた。政策金利の実効下限は資本流出や流動性の罠の憂慮がない金利水準の下段を意味する。李総裁の発言は、韓国が米国のようにゼロ金利を選択するのは現実的に難しく、現在の年0.50%を維持するか、年0.25%に一度引き下げるのが事実上の最後という意味だと、韓銀関係者は説明した。
このため韓銀は通貨政策の方向を量的緩和に移している。政府が新型コロナ対応のために国債の発行を増やすべきという点も、量的緩和拡大の背景として作用している。市場に国債が大量に出れば市場金利は上昇し、この場合、韓銀の政策金利引き下げ効果は消える。市場は韓銀の国債買い入れ時点に関心を向けている。KB証券のキム・サンフン研究委員は「第3次補正予算案が国会を通過した直後の7月に韓銀が国債買い入れを発表するだろう」と予想した。
どれほど買い入れるかも関心事だ。韓銀は3月20日と先月10日、それぞれ国債1兆5000億ウォン分を買い入れた。現在保有中の国債は約18兆5000億ウォン。3月末の国債発行残額(645兆9280億ウォン)の2.8%にすぎない。2008年のグローバル金融危機当時、韓銀は全体国債発行残額の4.7%ほど保有した。韓銀が国債保有規模を発行残額の5%(約32兆3000億ウォン)水準まで増やすという見方も出ている。単純計算で韓銀が今後13兆8000億ウォン分の国債をさらに買い入れる可能性があるということだ。ハナ金融投資のイ・ミソン研究員は「市場の期待値と赤字国債を考慮すると、韓銀が国債を15兆ウォン分まで買い入れるかもしれない」と予想した。
李総裁は国債が市中に出る前に買い入れることはないと明らかにした。発行市場で買い入れる場合、中央銀行のお金で政府の負債を返す、いわゆる「政府負債の貨幣化」という見方が出るからだ。政府の財政信頼度の低下と通貨価値の下落につながる可能性もある。これに関連し李総裁は「すべての政策手段カードをテーブルに載せて取り出す準備をしている」と語った。
◆強まる「Dの恐怖」
韓銀はこの日、金利を引き下げながら「低成長・低物価」に対する危機感を繰り返し表した。通貨政策方向の発表文で「新型コロナウイルスの感染拡大で景気不振が続き、成長展望経路の不確実性も非常に高い」とし「消費者物価上昇率は国際原油価格の下落と需要圧力が弱まり、0%台序盤になるだろう」と説明した。韓銀はこうした懸念から今年の成長率を通貨危機当時の1998年以来の最低水準となるー0.2%、消費者物価上昇率も過去最低の0.3%と提示した。
今年の消費者物価上昇率のほか今後1年間の消費者物価上昇率予測値を表す「期待インフレ率」は今月1.6%(前月比基準)と、関連統計を出し始めた2002年2月以降で最も低かった。多くの物価指標が過去最低水準に落ちると、デフレーション(持続的な物価下落)の懸念がいつよりも強まった。韓国金融研究院のチャン・ミン研究委員は「潜在成長率は急速に落ち、デフレ圧力は強まっている」と診断した。
世界がゼロ金利に向かっていることも韓銀の利下げの背景となった。米国とユーロ圏はすでにゼロ金利としている。こうした基軸通貨国のほかにもタイ(年0.50%)、オーストラリア(年0.25%)、ニュージーランド(年0.25%)、イスラエル(年0.25%)などもゼロ金利に近い水準に金利を引き下げている。
◆利下げから国債買い入れへ
李総裁は「今回の引き下げで政策金利が実効下限水準に近づいた」とし「実効下限は米国などの先進国より韓国がさらに高くなければいけない」と述べた。政策金利の実効下限は資本流出や流動性の罠の憂慮がない金利水準の下段を意味する。李総裁の発言は、韓国が米国のようにゼロ金利を選択するのは現実的に難しく、現在の年0.50%を維持するか、年0.25%に一度引き下げるのが事実上の最後という意味だと、韓銀関係者は説明した。
このため韓銀は通貨政策の方向を量的緩和に移している。政府が新型コロナ対応のために国債の発行を増やすべきという点も、量的緩和拡大の背景として作用している。市場に国債が大量に出れば市場金利は上昇し、この場合、韓銀の政策金利引き下げ効果は消える。市場は韓銀の国債買い入れ時点に関心を向けている。KB証券のキム・サンフン研究委員は「第3次補正予算案が国会を通過した直後の7月に韓銀が国債買い入れを発表するだろう」と予想した。
どれほど買い入れるかも関心事だ。韓銀は3月20日と先月10日、それぞれ国債1兆5000億ウォン分を買い入れた。現在保有中の国債は約18兆5000億ウォン。3月末の国債発行残額(645兆9280億ウォン)の2.8%にすぎない。2008年のグローバル金融危機当時、韓銀は全体国債発行残額の4.7%ほど保有した。韓銀が国債保有規模を発行残額の5%(約32兆3000億ウォン)水準まで増やすという見方も出ている。単純計算で韓銀が今後13兆8000億ウォン分の国債をさらに買い入れる可能性があるということだ。ハナ金融投資のイ・ミソン研究員は「市場の期待値と赤字国債を考慮すると、韓銀が国債を15兆ウォン分まで買い入れるかもしれない」と予想した。
李総裁は国債が市中に出る前に買い入れることはないと明らかにした。発行市場で買い入れる場合、中央銀行のお金で政府の負債を返す、いわゆる「政府負債の貨幣化」という見方が出るからだ。政府の財政信頼度の低下と通貨価値の下落につながる可能性もある。これに関連し李総裁は「すべての政策手段カードをテーブルに載せて取り出す準備をしている」と語った。
この記事を読んで…