◆米国は中国を敵と規定
米国は国家安全保障戦略(NSS、2017年)で、中国を現状(国際秩序)を破壊しようとする敵(enemy)と規定した。中国の勢力拡張に対抗し、米国は太平洋司令部をインド太平洋司令部に拡大改編した。中国の南シナ海掌握に対しては無人戦闘艦で幽霊艦隊を構成している。中国が推進中の人工知能(AI)とロボット軍隊に対し、米陸軍は4つ星将軍が指揮する未来司令部を2018年に創設した。中国が極超音速ミサイルを先に推進すると、トランプ大統領も従来のミサイルより17倍速いミサイルを開発中だと最近公開した。さらに米国は有事の際、海兵隊に配備するロボット武器で中国が不法に建設した南シナ海の無人島基地を占領する計画も推進中だ。現在のところ空母・戦闘機・核兵器など従来の軍事力で米国が圧倒的だが、中国の軍事力拡張で衝突する可能性も遠くないとみられる。
経済は中国のGDPが米国の3分の2だが、新型コロナで予測が難しくなった。しかし基軸通貨はドルであり、国際金融圏は米国の影響力を受ける。コロナ事態以降の米国の報復措置は国際サプライチェーンから中国を排除することだ。中国にある工場を他国に移すよう圧力を加えている。先端技術戦争は激しい。トランプ大統領は先端技術の中国流入を源泉封鎖しようとする。AIとビッグデータ分野は中国が有利だが、AI体系を作動する量子コンピューティングは米国が優勢だ。マシンラーニングが可能なAIチップと半導体技術も米国が進んでいる。
サイバー戦争はさらに敏感だ。米国は同盟国にまでファーウェイ(華為技術)装備を導入しないよう訴えている。今後構築されるAI-ロボット軍隊と経済・社会の通信ネットワークでファーウェイの装備を通じてサイバーセキュリティーが崩れれば終わりだからだ。米国は今は中国と覇権を争う相手ではないが、あらかじめ芽を摘むということだ。
◆韓国は度胸と勇気が必要
この過程で飛び火は韓国に向かう。韓国は中国と地理的に近い。中国への貿易依存度が高いが、安全保障は北朝鮮の脅威で米国と同盟関係だ。外交部次官を務めた高麗大の金聖翰(キム・ソンハン)国際大学院長は「中国は韓日米安全保障協力の弱い部分である韓国を攻略する可能性がある」と懸念した。中国の立場では韓国を引き離せば米国への対応が容易になる。在日米軍にも圧力を加えることができる。
それで中国は韓国の転向を要求すると考えられる。韓国が現在のように米国側に立てば、中国の拳(報復)が飛んでくるだろう。とはいえ中国側に立てば韓米同盟が破綻し、さらに危険になる。北朝鮮の核兵器のためだ。韓米同盟がなければ韓国は単独で北朝鮮の核に対応しなければいけない。韓国の核開発が避けられない。その場合、米国の経済制裁と韓国の信用度下落が続く。等距離外交は米中両国から排斥されるという。
さらに危険な状況は、中国が経済制裁で危機を迎えた北朝鮮をそそのかして挑発をするケースだ。中国はかなり厳しい状況の中でも韓半島(朝鮮半島)に3回も軍事介入した。それだけ中国は韓半島に狂的だ。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)と日清戦争では明・清が韓半島介入で滅びた。韓国戦争当時は建国したばかりの中国共産党政権が米国の力を韓半島で消耗させるのに成功した。今回も同じ方式を活用するかもしれない。我々には青天の霹靂だ。したがって金聖翰院長は「米中双方に足をかけても重心は韓米同盟に置かなければいけない」と助言した。
今後のリスク管理も重要だ。中国に集中した貿易を東南アジアなどにリスク分散することが求められる。いま韓国戦争以降、最大の危機を迎えている。賢い戦略とこれを推進する度胸と勇気が必要な時だ。
<Mr.ミリタリー>ぶつかり合うトランプ-習近平、苦しい立場の韓国(1)
米国は国家安全保障戦略(NSS、2017年)で、中国を現状(国際秩序)を破壊しようとする敵(enemy)と規定した。中国の勢力拡張に対抗し、米国は太平洋司令部をインド太平洋司令部に拡大改編した。中国の南シナ海掌握に対しては無人戦闘艦で幽霊艦隊を構成している。中国が推進中の人工知能(AI)とロボット軍隊に対し、米陸軍は4つ星将軍が指揮する未来司令部を2018年に創設した。中国が極超音速ミサイルを先に推進すると、トランプ大統領も従来のミサイルより17倍速いミサイルを開発中だと最近公開した。さらに米国は有事の際、海兵隊に配備するロボット武器で中国が不法に建設した南シナ海の無人島基地を占領する計画も推進中だ。現在のところ空母・戦闘機・核兵器など従来の軍事力で米国が圧倒的だが、中国の軍事力拡張で衝突する可能性も遠くないとみられる。
経済は中国のGDPが米国の3分の2だが、新型コロナで予測が難しくなった。しかし基軸通貨はドルであり、国際金融圏は米国の影響力を受ける。コロナ事態以降の米国の報復措置は国際サプライチェーンから中国を排除することだ。中国にある工場を他国に移すよう圧力を加えている。先端技術戦争は激しい。トランプ大統領は先端技術の中国流入を源泉封鎖しようとする。AIとビッグデータ分野は中国が有利だが、AI体系を作動する量子コンピューティングは米国が優勢だ。マシンラーニングが可能なAIチップと半導体技術も米国が進んでいる。
サイバー戦争はさらに敏感だ。米国は同盟国にまでファーウェイ(華為技術)装備を導入しないよう訴えている。今後構築されるAI-ロボット軍隊と経済・社会の通信ネットワークでファーウェイの装備を通じてサイバーセキュリティーが崩れれば終わりだからだ。米国は今は中国と覇権を争う相手ではないが、あらかじめ芽を摘むということだ。
◆韓国は度胸と勇気が必要
この過程で飛び火は韓国に向かう。韓国は中国と地理的に近い。中国への貿易依存度が高いが、安全保障は北朝鮮の脅威で米国と同盟関係だ。外交部次官を務めた高麗大の金聖翰(キム・ソンハン)国際大学院長は「中国は韓日米安全保障協力の弱い部分である韓国を攻略する可能性がある」と懸念した。中国の立場では韓国を引き離せば米国への対応が容易になる。在日米軍にも圧力を加えることができる。
それで中国は韓国の転向を要求すると考えられる。韓国が現在のように米国側に立てば、中国の拳(報復)が飛んでくるだろう。とはいえ中国側に立てば韓米同盟が破綻し、さらに危険になる。北朝鮮の核兵器のためだ。韓米同盟がなければ韓国は単独で北朝鮮の核に対応しなければいけない。韓国の核開発が避けられない。その場合、米国の経済制裁と韓国の信用度下落が続く。等距離外交は米中両国から排斥されるという。
さらに危険な状況は、中国が経済制裁で危機を迎えた北朝鮮をそそのかして挑発をするケースだ。中国はかなり厳しい状況の中でも韓半島(朝鮮半島)に3回も軍事介入した。それだけ中国は韓半島に狂的だ。壬辰倭乱(文禄・慶長の役)と日清戦争では明・清が韓半島介入で滅びた。韓国戦争当時は建国したばかりの中国共産党政権が米国の力を韓半島で消耗させるのに成功した。今回も同じ方式を活用するかもしれない。我々には青天の霹靂だ。したがって金聖翰院長は「米中双方に足をかけても重心は韓米同盟に置かなければいけない」と助言した。
今後のリスク管理も重要だ。中国に集中した貿易を東南アジアなどにリスク分散することが求められる。いま韓国戦争以降、最大の危機を迎えている。賢い戦略とこれを推進する度胸と勇気が必要な時だ。
<Mr.ミリタリー>ぶつかり合うトランプ-習近平、苦しい立場の韓国(1)
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