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「防疫成功」台湾はなぜWHOの「招かれざる客」になったのか(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
20日から第2期の任期を始める台湾の蔡英文総統の支持率が新型コロナウイルス防疫の成功により高止まりを継続している。2期就任式を控え台湾で行われた世論調査の結果は蔡総統の高い人気を如実に示す。台湾の政府系シンクタンク新台湾国策智庫のホームページによると、同シンクタンクが1075人を対象に調査し5月7日に発表した世論調査の結果、蔡総統の支持率は74.5%に達した。総統選挙直前である昨年末より20ポイント以上上がった数値だ。政党別の支持率調査では与党民進党が40.5%、最大野党の国民党が9.2%を記録した。蔡総統が所属する民進党の支持率が野党である国民党の4倍を超える。蔡総統個人の支持率は民進党より34ポイントも高い。

◇20日に第2期就任の蔡英文総統、人気高止まり

台湾のケーブルテレビ局TVBSのホームページによると、同局が5月13~15日に919人を対象に実施した電話世論調査の結果、蔡総統の支持率は61%、不支持率は25%、無意見が14%と現れた。同局の調査によると、蔡総統に対する支持率は3年前が36%、昨年12月が41%だったが、今年に入り2月に54%、3月に60%と着実に上昇した。これは第2期任期の始まりを控えた歴代総統の支持率で最高水準だ。台湾では1996年に総統直接選挙制が施行された後、これまで李登輝、陳水扁、馬英九の各氏が総統再任に成功したが、第2期の任期をこれほど高い人気で始められなかった。


蔡総統は1月11日に実施した第15代総統選挙で57.13%の支持率で当選した。蔡総統に対抗した国民党の韓国瑜候補は38.61%を得るにとどまった。ともに行われた第10代立法委員(国会議員)選挙で民進党は33.93%の支持率で113議席のうち61議席を確保し、国民党は33.36%の支持率を得たが38議席の獲得にとどまった。

さらに驚くのは台湾の新型コロナウイルス対応を陣頭指揮した陳時中衛生福利部長(保健相)の支持率だ。中央感染症指揮センター(CECC)のセンター長を兼任し新型コロナウイルス対応の責任を負った彼の支持率は昨年の35.3%から今回は93.9%と跳躍した。陳部長の支持率が急上昇したのは彼に対する台湾人の高い信頼をしっかりと示す。

◇台湾、中国を迅速に遮断し世界的な防疫成果

このように蔡総統と陳部長が高い人気を得ている最大の秘訣は何といっても新型コロナウイルス防疫の成功だ。台湾は中国に対する検疫強化とマスク生産拡大など独自の新型コロナウイルス対策で国際社会の注目を浴びてきた。成績表は驚くほどだ。人口2380万人の台湾は5月19日午前0時現在で感染者440人に死亡者7人。驚くほど効率的な対応結果だ。

それではどのようにこうした成果を上げたのだろうか。台湾は中国に対する遮断措置をだれよりも早く始めた国に挙げられる。昨年12月31日に中国・武漢で原因不明の疾患が発生したという最初の報告が出されたその日に台湾と武漢を結ぶすべての航空便の運航を中止した。世界で最も速い対応だ。

台湾は1月21日に武漢で教師として働いて帰ってきた50歳の女性が最初の感染者と判明すると、1月24日にはマスクの輸出を遮断し、政府で管理し台湾人が使う量を十分に確保した。公的マスク政策は台湾が元祖ということになる。1月26日には中国とのすべての航空便を中断し、感染源の流入を根本的に遮断した。台湾で1月28日に最初の市中感染者が現れるよりも前のことだった。

◇全世界にマスク2400万枚寄付

台湾はこうした素早く効率的な措置により新型コロナウイルスの強力なパンチを避けることができた。新規感染者が最も多い時も3月20日の27人にすぎなかった。1日当たり新規感染者は4月1日以降4月19日の22人を除けば10人以下に減った。5月8日以降は新規感染者数ゼロが続いている。世界が関心を見せ共有したくなるほかない成果だ。

こうした台湾は今回の新型コロナウイルスへの対処で全世界と共有する大切な情報を蓄積し成功事例を作った。自国で新型コロナウイルスがある程度抑えられると台湾は国際協力に出た。朝日新聞によると、台湾はマスクをはじめとする医療物資を不足する国に提供するコロナ外交にも積極的に乗り出している。特にマスクを4月から大々的に生産し、米国と欧州、日本、東南アジアなどに2400万枚を供給した。台湾はこうした業績を国際社会、特に世界保健機関(WHO)で発表する日を夢見てきた。

◇WHO、台湾の防疫成果発表機会を排除

問題は台湾がWHOから徹底的に排除され疎外されているという事実だ。台湾は加盟国でもオブザーバーでもない。台湾は1971年に中国が国連に加盟したことで、国連だけでなくWHOをはじめとする国連専門機関でも排除された。「ひとつの中国」を主張する中国は台湾を主権国家と認めなかった。だが保健医療を取り扱うWHOは性格が異なる。人の命と健康を扱う国連機関だけに伝染病などの状況でWHOと情報や資源を共有するのは人権次元の権利といえる。だが台湾はそうした権利が認められなかった。

2002~2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時にも台湾はWHOの支援から事実上排除された。朝日新聞によると当時台湾は3月に患者を初めて認知したが、WHOはすぐに専門家を派遣せず先送りした。孤立した台湾は米疾病予防管理センター(CDC)に要請し必要な関連情報とウイルスサンプルをどうにか入手できた。WHOが派遣した専門家は中国を経て5月になりようやく台湾に入った。当時台湾ではSARSにより37人が命を失い、これは台湾にそのまま国家的トラウマとなった。


「防疫成功」台湾はなぜWHOの「招かれざる客」になったのか(2)

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