米国にとって信頼できるのはやはり日本だけだろうか。新型コロナウイルス以降ぐらついている米国経済の支援軍として日本が静かに動いている。明確な動きは国債買い入れで感知される。日本銀行は15日、日本人投資家が3月に買い入れた米国債と政府保証モーゲージ債の金額が504億ドルに達すると発表した。関連金額を集計し始めた2005年以降で最高水準だ。
新型コロナウイルスによる量的緩和など景気浮揚策により財政赤字が増えて米国債があふれる中で、日本が率先して米国債を買い入れている。これは米国内の一角で「新型コロナウイルスの景気浮揚策の効果は少ないのに財政赤字ばかり増やしている」という要旨の主張を無力化できる。
米国債をめぐる動きには国際政治的意味合いもにじんでいる。米国債保有国1位は中国、2位が日本だ。米中不和が激化する局面で中国が米国に圧力カードとして使えるのが米国債売却だ。実際に中国国際経済交流センターの黄奇帆副理事長は7日、「米国は自国の国債を持つ世界の国に債務償還義務を負っている。米国の信用が先に破産しかねない」と脅しをかけた。この場合、米国が頼れるのは日本だ。
米国と日本は反中戦線で同じ船に乗って久しい。新型コロナウイルス以前には国際政治でその様相が明確だったがいまは経済でも日米同盟の鮮明度は高まった。日米両国はさらに経済安全保障関連問題を取り扱うための別途の政府間対話チャンネルまで作ることで合意した。
読売新聞の16日の報道によると、この協議体は軍事転用が可能な先端技術の日米共同管理と第5世代移動通信(5G)などの安全な通信ネットワーク確保などと関連した対策協議が目標だ。両国政府が経済安保関連主題に対する包括的な対話の枠組みを作るのは今回が初めてだ。早ければ年内に初めての会議が開かれる見通しという。
米国と日本のこうした動きは中国牽制の一環だ。読売新聞は、日米は軍事転用が可能な技術の海外流出を防ぐための連係を強化していくとし、日米の国内直接投資に対する監視強化、大学と研究機関の外国人留学生管理、安全な通信網構築なども対話の議題になるだろうと伝えた。
米中間の緊張関係は佳境に入りつつある。トランプ大統領が14日に「われわれは(中国と)すべての関係を断絶することもできる」という爆弾発言をしたのに続き、15日には米中貿易合意破棄の可能性まで示唆した。
トランプ大統領の頭の中にはひとつの日付が日深く打ち込まれている。11月3日、自身の再選がかかった大統領選挙日だ。新型コロナウイルスで彼が自慢した経済業績は1日で水の泡になってしまった。この状況で選挙レースが本格的に熱くなる7-9月期の経済反騰が彼には重要だ。新型コロナウイルスの発源地が中国だという点を印象付け、さらには経済急落の責任も中国に転嫁する様相だ。実際に中国に高率関税を課す可能性も排除しにくい状況だ。
習主席としても退く政治的余地はない。中国は21日から2日間、最大の国家的イベントである両会(全国人民代表大会と全国人民政治協商会議)を開く。両会は習主席にとって権力の頂点を象徴するイベントだ。2018年の両会では長期政権の可能性を残しておいた。国内総生産(GDP)目標と景気浮揚策など主要核心経済政策も発表する。
毎年3月に開いてきたが新型コロナウイルスの影響で約2カ月先送りした両会を控えトランプ大統領のために体面を傷つけられるのは習主席には容認できないことだ。米中間の政治的争いが経済に領域を拡張し、当分、少なくとも11月初めまでは続くほかないという見通しが出ている理由だ。
新型コロナウイルスによる量的緩和など景気浮揚策により財政赤字が増えて米国債があふれる中で、日本が率先して米国債を買い入れている。これは米国内の一角で「新型コロナウイルスの景気浮揚策の効果は少ないのに財政赤字ばかり増やしている」という要旨の主張を無力化できる。
米国債をめぐる動きには国際政治的意味合いもにじんでいる。米国債保有国1位は中国、2位が日本だ。米中不和が激化する局面で中国が米国に圧力カードとして使えるのが米国債売却だ。実際に中国国際経済交流センターの黄奇帆副理事長は7日、「米国は自国の国債を持つ世界の国に債務償還義務を負っている。米国の信用が先に破産しかねない」と脅しをかけた。この場合、米国が頼れるのは日本だ。
米国と日本は反中戦線で同じ船に乗って久しい。新型コロナウイルス以前には国際政治でその様相が明確だったがいまは経済でも日米同盟の鮮明度は高まった。日米両国はさらに経済安全保障関連問題を取り扱うための別途の政府間対話チャンネルまで作ることで合意した。
読売新聞の16日の報道によると、この協議体は軍事転用が可能な先端技術の日米共同管理と第5世代移動通信(5G)などの安全な通信ネットワーク確保などと関連した対策協議が目標だ。両国政府が経済安保関連主題に対する包括的な対話の枠組みを作るのは今回が初めてだ。早ければ年内に初めての会議が開かれる見通しという。
米国と日本のこうした動きは中国牽制の一環だ。読売新聞は、日米は軍事転用が可能な技術の海外流出を防ぐための連係を強化していくとし、日米の国内直接投資に対する監視強化、大学と研究機関の外国人留学生管理、安全な通信網構築なども対話の議題になるだろうと伝えた。
米中間の緊張関係は佳境に入りつつある。トランプ大統領が14日に「われわれは(中国と)すべての関係を断絶することもできる」という爆弾発言をしたのに続き、15日には米中貿易合意破棄の可能性まで示唆した。
トランプ大統領の頭の中にはひとつの日付が日深く打ち込まれている。11月3日、自身の再選がかかった大統領選挙日だ。新型コロナウイルスで彼が自慢した経済業績は1日で水の泡になってしまった。この状況で選挙レースが本格的に熱くなる7-9月期の経済反騰が彼には重要だ。新型コロナウイルスの発源地が中国だという点を印象付け、さらには経済急落の責任も中国に転嫁する様相だ。実際に中国に高率関税を課す可能性も排除しにくい状況だ。
習主席としても退く政治的余地はない。中国は21日から2日間、最大の国家的イベントである両会(全国人民代表大会と全国人民政治協商会議)を開く。両会は習主席にとって権力の頂点を象徴するイベントだ。2018年の両会では長期政権の可能性を残しておいた。国内総生産(GDP)目標と景気浮揚策など主要核心経済政策も発表する。
毎年3月に開いてきたが新型コロナウイルスの影響で約2カ月先送りした両会を控えトランプ大統領のために体面を傷つけられるのは習主席には容認できないことだ。米中間の政治的争いが経済に領域を拡張し、当分、少なくとも11月初めまでは続くほかないという見通しが出ている理由だ。
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