「この1カ月余りの皆さまの努力によって、わが国の人口あたりの感染者数や死亡者数はG7(先進7カ国)の中でも圧倒的に少なく押さえ込むことができている」。
14日晩、安倍晋三首相が全国39県に対する緊急事態宣言解除方針を明らかにした記者会見で述べた言葉だ。安倍首相は記者会見で「圧倒的」という言葉を話す時、特に力を入れながら成果を誇示した。
日本の新型コロナウイルス感染症の感染者数は15日午前現在、計1万6915人で、死者は726人(横浜のクルーズ船含む)。米国(感染139万人、死者8万人)や英国(感染23万人、死者3万人)などと比較すると確かに少ないが、日本が新型コロナ防疫に成功したという見方については日本国内でも疑問の声が出ている。
実態把握の基本となる遺伝子増幅(PCR)検査が十分に行われていないという指摘が絶えず出ているからだ。前日の参議院運営委員会では「緊急事態宣言解除対象の39県で速かにPCR検査ができる態勢が確認されたのか」という野党議員の質問に対し、担当相はまともに返答できなかった。西村康稔経済再生担当相(新型コロナウイルス対策担当)は「PCR検査の態勢がしっかり整っていないといけない。陽性率の低さなども見ていきたい」と答えるにとどまった。これに対し共産党の志位和夫委員長は「必要な人に迅速なPCR検査が確保されているとは見なせないことがはっきりした」と指摘した。
安倍首相は経済再生レベルで緊急事態宣言の早期解除という「政治的決断」を下したが、むしろ不安は経済界からも出てきている。諮問委員会に新たに加わった東京財団政策研究所の小林慶一郎研究主幹はテレビ朝日に出演し「現在目標にしている一日の検査数2万件より検査量を1けた増やさなければいけない」と述べた。「大量の検査をして感染者を隔離してこそ消費者、労働者が安心して消費し、働くことができる」とし「(感染者がまた増えて)緊急事態宣言が発令され、経済がストップする状況が繰り返される状況が最も懸念される」と指摘した。諮問委の議論が経済側に傾くことを期待して追加した経済界の人物からむしろ懸念の声が出てきたのだ。
日本経済新聞も15日、「検査・医療、備え欠く 感染の再拡大招く恐れ」と題した記事で「経済再開を急ぐ他の主要国は、さらなる検査拡大へとアクセルを踏んでいる」と指摘した。同紙は「検査の目詰まりが残ったままでは感染の有無の把握に時間がかかり、感染者を隔離するのが遅れて、感染が拡大するリスクが高まる」と指摘した。
英オックスフォード大学の研究者によると、10日現在の一日の検査件数(直前3日平均)は人口10万人あたり英国が96件、米国が88件であるのに対し、日本は5件にとどまっている。
安倍首相は先月6日、検査能力を一日2万件まで増やすと述べたが、1カ月が過ぎた現在も一日の検査能力は最大1万8000件にとどまっている。実際の検査件数は一度も1万件を超えていない。厚生労働省がホームページに公開した一日の検査件数は11日が5160件、12日が6843件だった。
毎日新聞は緊急事態宣言の解除基準についても政府側と専門家会議の間に意見の違いがあったと伝えた。当初、専門家会議は地域別に医療体系や能力が異なるため「全国一律的に適用される数値化された基準を提示するのは難しい」という立場だった。
にもかかわらず「数値化」を要求したのは政府側だった。一部の専門家は「直前の2週間の新規感染者数が10万人あたり0.1人未満」という基準を提示したが、政府側は「直前2週間2人未満」を主張するなど大きな差を表した。結局、双方が少しずつ譲歩して「直前1週間0.5人未満」という解除基準を提示したが、政府の影響が強く作用したということだ。
14日晩、安倍晋三首相が全国39県に対する緊急事態宣言解除方針を明らかにした記者会見で述べた言葉だ。安倍首相は記者会見で「圧倒的」という言葉を話す時、特に力を入れながら成果を誇示した。
日本の新型コロナウイルス感染症の感染者数は15日午前現在、計1万6915人で、死者は726人(横浜のクルーズ船含む)。米国(感染139万人、死者8万人)や英国(感染23万人、死者3万人)などと比較すると確かに少ないが、日本が新型コロナ防疫に成功したという見方については日本国内でも疑問の声が出ている。
実態把握の基本となる遺伝子増幅(PCR)検査が十分に行われていないという指摘が絶えず出ているからだ。前日の参議院運営委員会では「緊急事態宣言解除対象の39県で速かにPCR検査ができる態勢が確認されたのか」という野党議員の質問に対し、担当相はまともに返答できなかった。西村康稔経済再生担当相(新型コロナウイルス対策担当)は「PCR検査の態勢がしっかり整っていないといけない。陽性率の低さなども見ていきたい」と答えるにとどまった。これに対し共産党の志位和夫委員長は「必要な人に迅速なPCR検査が確保されているとは見なせないことがはっきりした」と指摘した。
安倍首相は経済再生レベルで緊急事態宣言の早期解除という「政治的決断」を下したが、むしろ不安は経済界からも出てきている。諮問委員会に新たに加わった東京財団政策研究所の小林慶一郎研究主幹はテレビ朝日に出演し「現在目標にしている一日の検査数2万件より検査量を1けた増やさなければいけない」と述べた。「大量の検査をして感染者を隔離してこそ消費者、労働者が安心して消費し、働くことができる」とし「(感染者がまた増えて)緊急事態宣言が発令され、経済がストップする状況が繰り返される状況が最も懸念される」と指摘した。諮問委の議論が経済側に傾くことを期待して追加した経済界の人物からむしろ懸念の声が出てきたのだ。
日本経済新聞も15日、「検査・医療、備え欠く 感染の再拡大招く恐れ」と題した記事で「経済再開を急ぐ他の主要国は、さらなる検査拡大へとアクセルを踏んでいる」と指摘した。同紙は「検査の目詰まりが残ったままでは感染の有無の把握に時間がかかり、感染者を隔離するのが遅れて、感染が拡大するリスクが高まる」と指摘した。
英オックスフォード大学の研究者によると、10日現在の一日の検査件数(直前3日平均)は人口10万人あたり英国が96件、米国が88件であるのに対し、日本は5件にとどまっている。
安倍首相は先月6日、検査能力を一日2万件まで増やすと述べたが、1カ月が過ぎた現在も一日の検査能力は最大1万8000件にとどまっている。実際の検査件数は一度も1万件を超えていない。厚生労働省がホームページに公開した一日の検査件数は11日が5160件、12日が6843件だった。
毎日新聞は緊急事態宣言の解除基準についても政府側と専門家会議の間に意見の違いがあったと伝えた。当初、専門家会議は地域別に医療体系や能力が異なるため「全国一律的に適用される数値化された基準を提示するのは難しい」という立場だった。
にもかかわらず「数値化」を要求したのは政府側だった。一部の専門家は「直前の2週間の新規感染者数が10万人あたり0.1人未満」という基準を提示したが、政府側は「直前2週間2人未満」を主張するなど大きな差を表した。結局、双方が少しずつ譲歩して「直前1週間0.5人未満」という解除基準を提示したが、政府の影響が強く作用したということだ。
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