CJ第一製糖が昨年12月末、米国ニューヨークのロックフェラー・センターに開店した韓食ショップ「Bibigo(ビビゴ)ポップアップストア」には、1カ月で2万人余りが集まって毎日長蛇の列を作った。新型コロのナ拡大で現在は閉鎖されているが、当時ロックフェラーセンター側の要請で運営期間が既存より3カ月延長された。[写真 CJ第一製糖]
新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)危機が韓国食品業界にとって、グローバル化のための跳躍台になっている。映画『パラサイト 半地下の家族』の人気を追い風にしたチャパグリ〔農心(ノンシム)〕の善戦、冷めやらないプルダックポックムミョン〔三養(サムヤン)食品〕ブームなどが相乗効果を出して世界市場で「Kフード」が類例のない大きな注目を浴びている。「政府主導で推進されたものの成果を出せなかった韓食グローバル化がようやく民間の力によって実を結んでいる」(ムン・ジョンフン・ソウル大学農経済社会学部教授)という分析が出ている。
◆政府主導は失敗…尖兵は企業
韓食グローバル化は2000年代から政府の重点事業だった。トッポッキやマッコリ、ビビンパなど韓食3大輸出品目を指定したり、韓食財団を設立して予算を注ぎ込んだりもした。しかし龍頭蛇尾だった。単一品目、職人の育成などで解決方法を探そうとしたが、伝播速度に限界があった。食を「産業」であり「文化」と見ることができなかったことが敗着だった。
韓食を伝播した尖兵は企業だ。食品メーカーはいち早く加工食品で勝負した。もっと速く、もっと多くの韓国の味を伝播するためには、長く保存でき、誰でもすぐに作ることができる加工食品に目をつけた。農心とプルムウォンは30年余り前から、CJ第一製糖も2000年代中盤から本格的に海外市場の門を叩いた。農心は中国、米国など海外に4つの工場を保有している。CJ第一製糖は年間約1500億ウォンを研究開発(R&D)に投資している。過去4年間で12社の海外食品・バイオ企業を買収した。
メーカーは世界の食卓を占領するために流通網の確保にも総力を挙げてきた。CJ第一製糖は米国内の最大物流網と冷凍食品工場を保有した1位企業のシュワンスを買収して規模を大きくした。農心はウォルマート全店舗と米議会、国防部などに辛ラーメンを入店させた。「プルダックポックムミョン症候群」を継続している三養食品は中国オン・オフラインチャネルはもちろん、イスラム文化圏と米国、欧州などのグローバル販売チャネルを確保した。
米国大型流通業社「クローガー」のスコット・エリス購買担当役員は「韓国ラーメンは間食から食事メニューの概念へと変わってきている」とし「一般家庭でチーズ辛ラーメンを作って食べるのが流行っている」と紹介した。
韓経:「日本の餃子」を押し出す「韓国マンドゥ」…米食堂で列を作ってまで食べる(2)
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