韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が4・27板門店(パンムンジョム)宣言2周年を迎えて「韓半島(朝鮮半島)の運命の主人はわれわれ」とし、南北協力に速度を出すと明らかにした翌日の28日、外交部は李度勲(イ・ドフン)韓半島平和交渉本部長とスティーブン・ビーガン米国国務省副長官兼北朝鮮特別代表の電話会談について伝えた。北核問題で両国が引き続き疎通している点を評価し、今後も緊密に協調していくことを確認した。
このようにいち早く韓米の「共助」の強調に動いたのは、韓国の速度戦が一歩間違えば同盟の亀裂とも映りかねないという懸念を意識した措置だとみることができる。今回の電話会談は事前に調整されたもので、韓国が要請したという。このような懸念が出てくるほど、文大統領のメッセージは特に北朝鮮制裁に対する認識の側面で以前とは違った。文大統領は1月14日の新年記者会見で「米朝対話を眺めてばかりいずに、南北関係を発展させなければならない」としつつも「北朝鮮制裁の一部例外のために必要な国際的支持」に言及し、制裁の枠組み内での関係改善に重きを置いた。
だが、27日には「板門店宣言の実践速度を上げることができないのは、現実的に存在する国際的な制約を越えることができなかったため」だと述べた。「制約要因の中でできること」にも触れたが、「国際的制約」という表現そのものが制裁を南北関係の障害物と捉えているという意味に解釈できる部分がある。「制裁は非核化のための手段」という政府のこれまでの立場とも方向性が異なる。
米国務省はこれに対して「南北間協力が、非核化の進展と歩調を合わせて(lockstep)行われるように韓国と調整している」と説明した。韓国が南北関係改善に速度をあげようとするたびに表明している立場ではあるが、このような表明が数カ月間隔で周期的に繰り返されていることが問題だ。
◆米国「非核化前に制裁緩和はできない」
特に、ドナルド・トランプ米大統領を含め、「実質的な非核化の前に制裁緩和はできない」という米国の立場が変化したことはこれまでない。それでも文大統領が「環境が良くなることをひたすら待つことはできない」として意志を示したのは、総選挙圧勝の他にも米国の国内政治的状況に対する考慮も根底にあるとみられる。梨花(イファ)女子大学国際学部の朴仁フィ(パク・インフィ)教授は「トランプ大統領が11月の大統領選挙で、北核問題に勝負をかけるよりは悪化しないように現状況を維持しようとする可能性が高い以上、いま韓国が先制的行動を通じて韓半島(朝鮮半島)問題をよく管理する方向に出ることが、米国の立場とも合致すると判断したようだ」と分析した。
だが、北朝鮮制裁は韓米だけの問題ではない。延世(ヨンセ)大学統一研究院のポン・ヨンシク専門研究委員は「国連安全保障理事会の北朝鮮制裁が核心だが、これを緩和するためには結局常任理事国が動かなければならない。米国だけでなく英国やフランスも同意しないといけないが、これらの国々が核拡散に対して持つ恐怖と、不拡散に対する意志は非常に強く、絶対に低評価してはいけない」と指摘した。実際、英仏を中心にした欧州安保理理事国は、韓米が見ないふりをしてきた最近の北朝鮮の短距離ミサイル挑発にも、数回にわたり糾弾声明を出すなど集団で対応してきた。
特にフランスが非常に強硬だ。2018年10月文大統領の訪仏当時、エマニュエル・マクロン大統領と会談後に出した共同宣言文に、北朝鮮が極度に敬遠する「CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)」という表現が入ったのも、フランス側の強い要望のためだった。当時の状況をよく知る専門家は「韓国は板門店宣言の時に使った「完全な非核化(CD)」という表現を望んだが、フランスはCVIDは絶対に入れなければならないという立場なので、結局韓国が譲歩した」と伝えた。外交消息筋は「特にブレグジット〔英国のEU(欧州連合)離脱〕以降、フランスがEU内唯一の核保有国になったため、北核はさらに容認できないという立場」と伝えた。
文大統領の南北協力「加速」発表を受けて米国「非核化と歩調を」(2)
このようにいち早く韓米の「共助」の強調に動いたのは、韓国の速度戦が一歩間違えば同盟の亀裂とも映りかねないという懸念を意識した措置だとみることができる。今回の電話会談は事前に調整されたもので、韓国が要請したという。このような懸念が出てくるほど、文大統領のメッセージは特に北朝鮮制裁に対する認識の側面で以前とは違った。文大統領は1月14日の新年記者会見で「米朝対話を眺めてばかりいずに、南北関係を発展させなければならない」としつつも「北朝鮮制裁の一部例外のために必要な国際的支持」に言及し、制裁の枠組み内での関係改善に重きを置いた。
だが、27日には「板門店宣言の実践速度を上げることができないのは、現実的に存在する国際的な制約を越えることができなかったため」だと述べた。「制約要因の中でできること」にも触れたが、「国際的制約」という表現そのものが制裁を南北関係の障害物と捉えているという意味に解釈できる部分がある。「制裁は非核化のための手段」という政府のこれまでの立場とも方向性が異なる。
米国務省はこれに対して「南北間協力が、非核化の進展と歩調を合わせて(lockstep)行われるように韓国と調整している」と説明した。韓国が南北関係改善に速度をあげようとするたびに表明している立場ではあるが、このような表明が数カ月間隔で周期的に繰り返されていることが問題だ。
◆米国「非核化前に制裁緩和はできない」
特に、ドナルド・トランプ米大統領を含め、「実質的な非核化の前に制裁緩和はできない」という米国の立場が変化したことはこれまでない。それでも文大統領が「環境が良くなることをひたすら待つことはできない」として意志を示したのは、総選挙圧勝の他にも米国の国内政治的状況に対する考慮も根底にあるとみられる。梨花(イファ)女子大学国際学部の朴仁フィ(パク・インフィ)教授は「トランプ大統領が11月の大統領選挙で、北核問題に勝負をかけるよりは悪化しないように現状況を維持しようとする可能性が高い以上、いま韓国が先制的行動を通じて韓半島(朝鮮半島)問題をよく管理する方向に出ることが、米国の立場とも合致すると判断したようだ」と分析した。
だが、北朝鮮制裁は韓米だけの問題ではない。延世(ヨンセ)大学統一研究院のポン・ヨンシク専門研究委員は「国連安全保障理事会の北朝鮮制裁が核心だが、これを緩和するためには結局常任理事国が動かなければならない。米国だけでなく英国やフランスも同意しないといけないが、これらの国々が核拡散に対して持つ恐怖と、不拡散に対する意志は非常に強く、絶対に低評価してはいけない」と指摘した。実際、英仏を中心にした欧州安保理理事国は、韓米が見ないふりをしてきた最近の北朝鮮の短距離ミサイル挑発にも、数回にわたり糾弾声明を出すなど集団で対応してきた。
特にフランスが非常に強硬だ。2018年10月文大統領の訪仏当時、エマニュエル・マクロン大統領と会談後に出した共同宣言文に、北朝鮮が極度に敬遠する「CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)」という表現が入ったのも、フランス側の強い要望のためだった。当時の状況をよく知る専門家は「韓国は板門店宣言の時に使った「完全な非核化(CD)」という表現を望んだが、フランスはCVIDは絶対に入れなければならないという立場なので、結局韓国が譲歩した」と伝えた。外交消息筋は「特にブレグジット〔英国のEU(欧州連合)離脱〕以降、フランスがEU内唯一の核保有国になったため、北核はさらに容認できないという立場」と伝えた。
文大統領の南北協力「加速」発表を受けて米国「非核化と歩調を」(2)
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