起亜自動車が韓国国内工場3カ所を1週間停止している。新型コロナウイルス感染症の拡大で世界経済がまひし、自動車を販売するところがなくなったからだ。現代自動車も生産ライン1本を停止することにした。現代・起亜車が海外の需要不振を理由に国内工場の稼働を停止するのは今回が初めて。自動車をはじめとする主力産業が「輸出の崖」に直面するという懸念が強まっている。
業界によると、起亜車は所下(ソハ)第1工場と所下第2工場、光州(クァンジュ)第2工場の稼働を23-29日に停止することを10日、労働組合に提案した。会社は労働組合に「今月だけで各工場に約5000台ずつ供給が超過する見込み」とし「海外自動車市場が冷え込み、自動車を生産しても販売できない状況」と説明した。京畿道光明市(クァンミョンシ)の所下第1工場はカーニバル、スティンガー、K9を生産している。所下第2工場はプライドとストニックを、光州第2工場はスポーテージとソウルを製造する。ほとんど輸出比率が高いモデルだ。
今回の休業で起亜車の生産台数は約2万台減少する見込みだ。これら工場の年間生産台数は約40万台で、起亜車の国内生産台数(年間約160万台)の25%水準。
現代車はツーソンを生産する蔚山(ウルサン)第5工場2ラインの稼働を13-17日に停止する。韓国GMとルノーサムスンも海外市場への依存度が半分を超え、休業が避けられない状況だ。石油化学、造船、鉄鋼など他の製造業の輸出も大幅に減少している。国内石油精製業界1位のSKイノベーションの先月の石油製品輸出量は前年同月比で20%以上減少した。ポスコなど鉄鋼企業は減産も検討している。
韓国経営者総協会はこの日、「政府は企業の規模に関係なく輸出企業の問題解決に積極的に取り組んでほしい」と促した。
◆営業停止する海外ディーラー店
「注文を取り消してほしいという問い合わせが続いている」。韓国自動車企業A社の海外販売担当役員は「グローバル金融危機直後の2009年よりはるかに状況が良くない」と市場の雰囲気を伝えた。新型コロナウイルス感染症の影響で米国と欧州など世界市場がストップしたからだ。一日単位で集計する輸出実績は今月に入って10日まで前年同期比で半減したという。
韓国製造業を支える自動車の輸出がふさがった。米国と欧州、中南米、インドなど主要市場は一斉にまひした。米国自動車ディーラー店は80%以上が営業停止または短縮勤務している。ドイツ、英国、スペイン、イタリアなど欧州の主要国政府は自動車販売店の営業を停止した。インドは住民の外出を制限している。中南米や中東の状況も似ている。
先月、主要国の自動車販売は大幅に減少した。米国では前年同月比約40%減となった。フランス(-72%)、イタリア(-86%)、スペイン(-69%)など欧州国家の状況はさらに深刻だ。欧州自動車協会(ACEA)は「新型コロナ事態で過去最悪の危機を迎えた」という内容の声明を出した。
韓国自動車業界も直撃弾を受けた。3月の韓国自動車5社の海外販売は44万6801台と、前年同月比で20.9%減少した。国内企業の海外現地工場が稼働を停止して海外生産台数が急減したうえ、需要も減少した結果だ。
本当の危機は今月からだ。多くの海外工場がまだ稼働を再開できないうえ、国内で生産して海外で販売する輸出も急減する見込みだ。自動車業界の関係者は「一部の海外取引先は契約物量を輸出しても、在庫が増えてこれ以上保管する場所はないと訴えている」とし「韓国と中国を除いた大半の国では自動車販売がほとんど中断した状況」と吐露した。
世界的な自動車の需要も減少傾向にある。サムスン証券のイム・ウンギョン研究委員は「4月の米国自動車需要は前年同月比80%減と予想される」とし「新型コロナがある程度落ち着いても、しばらく需要は回復しない可能性が高い」と述べた。グローバル市場調査会社IHSマーケットは今年の世界自動車販売台数が前年比で最大18%減少すると予想した。
現代・起亜自動車が一部の国内工場の停止を決定したのもこのためだ。業界関係者は「1カ月のうち20%以上休業し、雇用維持支援金申請資格を得られるようにしてほしいと要請する部品会社が多い」とし「起亜車は部品会社の資金事情を考慮し、ライン運営速度を遅らせて減産する代わりに休業を選択した」と説明した。産業通商資源部は12日、「3月の自動車産業動向」を発表し、「先月までは注文を受けた量があったため新型コロナの影響が制限的だったが、4月以降は輸出が容易でない」と説明した。
◆部品がなく工場がまた閉鎖危機
2月に続いて部品が不足し、韓国自動車工場の停止が再発することも考えられる。先月から米国と欧州の自動車部品工場は稼働を停止した。国内自動車企業が欧州と米国から輸入する部品の量は多くないが、ほとんどが電子装備など先端製品であるため代替品を確保するのが容易ではない。
中国から輸入する単純組立部品(ワイヤーハーネス)が不足して韓国国内の自動車工場全体が1-3週間閉鎖したことを勘案すると、欧州産部品の在庫不足はさらに大きな衝撃につながる可能性が高い。すでに双龍(サンヨン)自動車は部品在庫不足を理由に今月初めから週に1、2日はラインの一部を停止する循環休業に入った。欧州工場から多くの部品を調達するルノーサムスン自動車と米国から主要部品を調達する韓国GMも、結局は工場を停止するしかないという見方が出ている。
韓国自動車産業協会は「需要の崖」とサプライチェーンの支障が4カ月以上続けば、自動車・部品企業の今年の売上高が前年比で約30%減少するという分析を出した。鄭晩基(チョン・マンギ)自動車産業協会長は「自動車産業は2番目に輸出が多い品目であり、韓国経済で重要な役割をしている」とし「流動性危機を迎えている部品会社に緊急資金支援をし、自動車の需要を促進するためのさまざまなインセンティブを提供しなければいけない」と強調した。韓国経済研究院の権泰信(クォン・テシン)院長は「新型コロナの危機は内憂外患の複合的性格が強い。過去のように輸出中心に危機を解決するのも難しい状況」とし「突破口が見えない」と話した。
業界によると、起亜車は所下(ソハ)第1工場と所下第2工場、光州(クァンジュ)第2工場の稼働を23-29日に停止することを10日、労働組合に提案した。会社は労働組合に「今月だけで各工場に約5000台ずつ供給が超過する見込み」とし「海外自動車市場が冷え込み、自動車を生産しても販売できない状況」と説明した。京畿道光明市(クァンミョンシ)の所下第1工場はカーニバル、スティンガー、K9を生産している。所下第2工場はプライドとストニックを、光州第2工場はスポーテージとソウルを製造する。ほとんど輸出比率が高いモデルだ。
今回の休業で起亜車の生産台数は約2万台減少する見込みだ。これら工場の年間生産台数は約40万台で、起亜車の国内生産台数(年間約160万台)の25%水準。
現代車はツーソンを生産する蔚山(ウルサン)第5工場2ラインの稼働を13-17日に停止する。韓国GMとルノーサムスンも海外市場への依存度が半分を超え、休業が避けられない状況だ。石油化学、造船、鉄鋼など他の製造業の輸出も大幅に減少している。国内石油精製業界1位のSKイノベーションの先月の石油製品輸出量は前年同月比で20%以上減少した。ポスコなど鉄鋼企業は減産も検討している。
韓国経営者総協会はこの日、「政府は企業の規模に関係なく輸出企業の問題解決に積極的に取り組んでほしい」と促した。
◆営業停止する海外ディーラー店
「注文を取り消してほしいという問い合わせが続いている」。韓国自動車企業A社の海外販売担当役員は「グローバル金融危機直後の2009年よりはるかに状況が良くない」と市場の雰囲気を伝えた。新型コロナウイルス感染症の影響で米国と欧州など世界市場がストップしたからだ。一日単位で集計する輸出実績は今月に入って10日まで前年同期比で半減したという。
韓国製造業を支える自動車の輸出がふさがった。米国と欧州、中南米、インドなど主要市場は一斉にまひした。米国自動車ディーラー店は80%以上が営業停止または短縮勤務している。ドイツ、英国、スペイン、イタリアなど欧州の主要国政府は自動車販売店の営業を停止した。インドは住民の外出を制限している。中南米や中東の状況も似ている。
先月、主要国の自動車販売は大幅に減少した。米国では前年同月比約40%減となった。フランス(-72%)、イタリア(-86%)、スペイン(-69%)など欧州国家の状況はさらに深刻だ。欧州自動車協会(ACEA)は「新型コロナ事態で過去最悪の危機を迎えた」という内容の声明を出した。
韓国自動車業界も直撃弾を受けた。3月の韓国自動車5社の海外販売は44万6801台と、前年同月比で20.9%減少した。国内企業の海外現地工場が稼働を停止して海外生産台数が急減したうえ、需要も減少した結果だ。
本当の危機は今月からだ。多くの海外工場がまだ稼働を再開できないうえ、国内で生産して海外で販売する輸出も急減する見込みだ。自動車業界の関係者は「一部の海外取引先は契約物量を輸出しても、在庫が増えてこれ以上保管する場所はないと訴えている」とし「韓国と中国を除いた大半の国では自動車販売がほとんど中断した状況」と吐露した。
世界的な自動車の需要も減少傾向にある。サムスン証券のイム・ウンギョン研究委員は「4月の米国自動車需要は前年同月比80%減と予想される」とし「新型コロナがある程度落ち着いても、しばらく需要は回復しない可能性が高い」と述べた。グローバル市場調査会社IHSマーケットは今年の世界自動車販売台数が前年比で最大18%減少すると予想した。
現代・起亜自動車が一部の国内工場の停止を決定したのもこのためだ。業界関係者は「1カ月のうち20%以上休業し、雇用維持支援金申請資格を得られるようにしてほしいと要請する部品会社が多い」とし「起亜車は部品会社の資金事情を考慮し、ライン運営速度を遅らせて減産する代わりに休業を選択した」と説明した。産業通商資源部は12日、「3月の自動車産業動向」を発表し、「先月までは注文を受けた量があったため新型コロナの影響が制限的だったが、4月以降は輸出が容易でない」と説明した。
◆部品がなく工場がまた閉鎖危機
2月に続いて部品が不足し、韓国自動車工場の停止が再発することも考えられる。先月から米国と欧州の自動車部品工場は稼働を停止した。国内自動車企業が欧州と米国から輸入する部品の量は多くないが、ほとんどが電子装備など先端製品であるため代替品を確保するのが容易ではない。
中国から輸入する単純組立部品(ワイヤーハーネス)が不足して韓国国内の自動車工場全体が1-3週間閉鎖したことを勘案すると、欧州産部品の在庫不足はさらに大きな衝撃につながる可能性が高い。すでに双龍(サンヨン)自動車は部品在庫不足を理由に今月初めから週に1、2日はラインの一部を停止する循環休業に入った。欧州工場から多くの部品を調達するルノーサムスン自動車と米国から主要部品を調達する韓国GMも、結局は工場を停止するしかないという見方が出ている。
韓国自動車産業協会は「需要の崖」とサプライチェーンの支障が4カ月以上続けば、自動車・部品企業の今年の売上高が前年比で約30%減少するという分析を出した。鄭晩基(チョン・マンギ)自動車産業協会長は「自動車産業は2番目に輸出が多い品目であり、韓国経済で重要な役割をしている」とし「流動性危機を迎えている部品会社に緊急資金支援をし、自動車の需要を促進するためのさまざまなインセンティブを提供しなければいけない」と強調した。韓国経済研究院の権泰信(クォン・テシン)院長は「新型コロナの危機は内憂外患の複合的性格が強い。過去のように輸出中心に危機を解決するのも難しい状況」とし「突破口が見えない」と話した。
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