４年に１度の祭典ワールドカップ（Ｗ杯）は、いつも６月から７月にかけて開催される。これまでの１６大会中、ただの一度も例外はない。

春や秋のようなスポーツシーズンをはずして、わざわざ蒸し暑い夏にＷ杯を開催する理由は何だうか。それは、各国代表選手の相当数が活躍している、ヨーロッパプロサッカーリーグとの日程重複を避けるためだ。


イングランド・プレミアリーグ、スペインリーグ、イタリア・セリエＡなど、ヨーロッパのプロリーグは毎年８月末にシーズンをスタートさせ、翌年５月中旬ごろ終了する。これらリーグで活躍する選手がＷ杯に出場できるよう、６月から７月に開催するのが伝統になったのだ。


このため、参加選手らは相手チームはもちろん、この暑さとも戦わなければならない。９４年の米国大会では、体感温度が５０度近い猛暑の中で試合が行われたため、選手らが脱水症状を起こし、持てる力を十分発揮できなかったという指摘も出た。

韓国と日本が共同開催する今大会期間中も、蒸し暑い天気が続くとの予報が出ている。特に梅雨と重なり、多くの試合が雨の中で行われる見通しだ。

国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）は大会日程の変更を検討したものの、やはりヨーロッパプロリーグの日程のため、６月１０日に開幕した９８年フランス大会より１０日早める程度で妥協させることになった。

Ｗ杯が６～７月に行われるからといって、常に猛暑の中で試合をするとは限らない。第４回ブラジル大会、第７回チリ大会、第１１回アルゼンチン大会はすべて６月初めに開幕したが、南半球に位置しているため、むしろ初冬のような冷え冷えとした中で試合を行った。