日本の新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)事態が尋常ではない。小池百合子東京都知事が先週末には非常事態宣言時の行動要領を発表した。英国エコノミスト誌は「安倍晋三首相が非常事態を宣言する一歩手前」としながら「今年、日本経済が他の国よりも厳しい状況に陥る可能性がある」と予想した。中央日報はエコノミスト誌がなぜそのように見るのか知るために、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)の日本担当アナリストであるワカス・アデンワラ氏に電話で取材した。EIUはエコノミスト誌の経済分析部門だ。
◆一日の感染者が明らかに増えている
--日本の新型コロナ事態はどれほど深刻なのか。
「感染者数が急増している。NHKなどによると、先月31日242人、今月1日266人、2日281人、3日353人で、4日には368人、5日には362人が新たに増えた。一日の感染者は3日連続で300人ラインを上回った」
--日本感染者数は他の主要7カ国(G7)と比べてまだ多くないようにみえる。
「日本の近くにいる記者がよく知っているのではないか。日本は新型コロナを積極的に検査していない。日本政府が意図的に検査していないことについては論争の種だ。ただし、現在の感染者数が正確かどうかは不透明だ」
◆東京は日本経済の心臓、GDP45%を担っている
--主にどの地域で急増しているのか。
「首都である東京地域で新規感染者が急増している。東京一帯は日本経済の中心地だ。首都圏(greater Tokyo area)は日本国内総生産(GDP)の45%を占めるところだ」
--非常事態が宣言されればどうなるか。
「日本の人々が非常事態と呼んでいるものは、英語圏の人々が言う『閉鎖措置(lockdown)』だ。非常事態が宣言されれば人々の移動がほとんどなくなる」
--東京都知事は生活必需品の需給は正常に行われると話していたが。
「生活必需品の生産と消費は現代経済の極めて一部だ。非常事態が宣言されれば経済活動の大部分が事実上止まるとみるべきだ。追加成長を可能にする動力がほぼ消えることになる」
◆消費税引き上げ以後、弱り目にたたり目!
--非常事態宣言だけでもそうなるか。
「いいや、非常事態期間が2~3週ぐらいなら経済衝撃は大きくない。だが、今の欧州国家ほど長期化した場合、日本経済は衝撃を受けざるをえない」
--衝撃が他の国より大きいという予測がある。なぜそうなのか。
「当然だ。日本は昨年10月消費税を引き上げた。その衝撃で昨年10-12月期成長率が-1.8%だった。ここに今年7~8月に開かれる予定だったオリンピック(五輪)大会が延期になった。安倍氏の今年の経済運営計画がほとんど水の泡になった」
--EIUは五輪延期の衝撃はどの程度になるとみているか。
「我々は、五輪延期のために今年日本経済成長率が-1.6%まで落ち込むとみている」
他の経済分析会社であるIHS Markit(マークイット)は五輪延期のために日本の今年成長率は-1.2%低くなると予想した。EIUがIHSより悲観的だ。
--マイナス1.6%には非常事態の衝撃が反映されているということか。
「いいや、我々EIUは非常事態が2~3週ぐらいで終わらず長期化すれば、日本の成長率は-5%まで落ち込むとみている」
◆安倍氏の支持率落ちても政治生命は続く
--マイナス5%なら相当な衝撃があるものとみられる。
「日本は昨年10月の消費税引き上げ直後、沈滞に陥った。悲観的な状況で、五輪が唯一明るい側面(silver lining)だった。ところが五輪は延期になり、ここに新型コロナ非常事態が宣言される兆しだ」
--日本政府は対応するカードを持っているか。
「日本銀行(BOJ)は資産買入規模を増やした。株式などの買入をさら増やすかもしれない。今後の関心は、日本政府が災難手当てなどを支給する余力があるかどうかだ。日本政府にはすでに多くの負債がある。それでも安倍氏は災難手当てを支給しようとするだろう」
--安倍氏の政治生命が危ないという指摘がある。
「彼の支持率は大いに低下した。だが、野党には特別なリーダーがいない。執権自民党内にもさまざまな派閥が競争していて、安倍氏の支持度が低くなるからといって首相から退く可能性は高いようには見えない。
◆ワカス・アデンワラ氏とは
英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で経済開発などを学んだ。エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)で日本と韓国の通貨政策などマクロ経済を分析している。EIUは、ブルームバーグ通信が選んだ「最も正確な経済分析家」の一人だとしている。
◆一日の感染者が明らかに増えている
--日本の新型コロナ事態はどれほど深刻なのか。
「感染者数が急増している。NHKなどによると、先月31日242人、今月1日266人、2日281人、3日353人で、4日には368人、5日には362人が新たに増えた。一日の感染者は3日連続で300人ラインを上回った」
--日本感染者数は他の主要7カ国(G7)と比べてまだ多くないようにみえる。
「日本の近くにいる記者がよく知っているのではないか。日本は新型コロナを積極的に検査していない。日本政府が意図的に検査していないことについては論争の種だ。ただし、現在の感染者数が正確かどうかは不透明だ」
◆東京は日本経済の心臓、GDP45%を担っている
--主にどの地域で急増しているのか。
「首都である東京地域で新規感染者が急増している。東京一帯は日本経済の中心地だ。首都圏(greater Tokyo area)は日本国内総生産(GDP)の45%を占めるところだ」
--非常事態が宣言されればどうなるか。
「日本の人々が非常事態と呼んでいるものは、英語圏の人々が言う『閉鎖措置(lockdown)』だ。非常事態が宣言されれば人々の移動がほとんどなくなる」
--東京都知事は生活必需品の需給は正常に行われると話していたが。
「生活必需品の生産と消費は現代経済の極めて一部だ。非常事態が宣言されれば経済活動の大部分が事実上止まるとみるべきだ。追加成長を可能にする動力がほぼ消えることになる」
◆消費税引き上げ以後、弱り目にたたり目!
--非常事態宣言だけでもそうなるか。
「いいや、非常事態期間が2~3週ぐらいなら経済衝撃は大きくない。だが、今の欧州国家ほど長期化した場合、日本経済は衝撃を受けざるをえない」
--衝撃が他の国より大きいという予測がある。なぜそうなのか。
「当然だ。日本は昨年10月消費税を引き上げた。その衝撃で昨年10-12月期成長率が-1.8%だった。ここに今年7~8月に開かれる予定だったオリンピック(五輪)大会が延期になった。安倍氏の今年の経済運営計画がほとんど水の泡になった」
--EIUは五輪延期の衝撃はどの程度になるとみているか。
「我々は、五輪延期のために今年日本経済成長率が-1.6%まで落ち込むとみている」
他の経済分析会社であるIHS Markit(マークイット)は五輪延期のために日本の今年成長率は-1.2%低くなると予想した。EIUがIHSより悲観的だ。
--マイナス1.6%には非常事態の衝撃が反映されているということか。
「いいや、我々EIUは非常事態が2~3週ぐらいで終わらず長期化すれば、日本の成長率は-5%まで落ち込むとみている」
◆安倍氏の支持率落ちても政治生命は続く
--マイナス5%なら相当な衝撃があるものとみられる。
「日本は昨年10月の消費税引き上げ直後、沈滞に陥った。悲観的な状況で、五輪が唯一明るい側面(silver lining)だった。ところが五輪は延期になり、ここに新型コロナ非常事態が宣言される兆しだ」
--日本政府は対応するカードを持っているか。
「日本銀行(BOJ)は資産買入規模を増やした。株式などの買入をさら増やすかもしれない。今後の関心は、日本政府が災難手当てなどを支給する余力があるかどうかだ。日本政府にはすでに多くの負債がある。それでも安倍氏は災難手当てを支給しようとするだろう」
--安倍氏の政治生命が危ないという指摘がある。
「彼の支持率は大いに低下した。だが、野党には特別なリーダーがいない。執権自民党内にもさまざまな派閥が競争していて、安倍氏の支持度が低くなるからといって首相から退く可能性は高いようには見えない。
◆ワカス・アデンワラ氏とは
英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)で経済開発などを学んだ。エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)で日本と韓国の通貨政策などマクロ経済を分析している。EIUは、ブルームバーグ通信が選んだ「最も正確な経済分析家」の一人だとしている。
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