26日に主要20カ国(G20)首脳らが新型コロナウイルス問題に共同対応するため再び集まった。テレビ会議形式だった。G20は共同宣言文を通じ、「共同の脅威に対抗し連合した態勢で対応することを強力な意志で表明する」と明らかにした。しかし世界がG20にかける期待感は2008年の国際金融危機当時に満たない雰囲気だ。
2017年からG20はぎくしゃくする姿を見せた。同年ドイツで開かれたG20首脳会議後の共同宣言は異例的にG19+1(米国)という形態で発表された。19カ国は「パリ協定は不可逆的」を共同宣言文に入れることを望んだが、すでに協定脱退を宣言したトランプ米大統領は最後まで同意しなかった。結局その文言に限り米国が同意しない形式で宣言文が発表された。
また、トランプ大統領の要求で「合法的な貿易防御手段の役割を認める」という文言が含まれた。保護貿易主義を一部認める内容だ。最初の会議の際に「1年間新たな貿易障壁を置かないことにする」と宣言したG20は自由貿易主義と開放精神を根元に置いてスタートしたが、トランプ大統領の意地で根元はよじれ始めた。G20内で共助と開放よりは自強と孤立の声が大きくなった。国立外交院外交安保研究所がG20首脳会議10周年を記念して2018年にまとめた報告書では「G20首脳会議の不安定は汎世界化とポピュリズムから発生したものだが、その問題はまだ解消されていない」という評価が出てきた。
こうした変化の背景にはトランプ大統領個人のキャラクターが大きく作用したという分析がある。エルサレム・ヘブライ大学のユバル・ノア・ハラリ教授は20日、英フィナンシャルタイムズに寄稿したコラムで新型肺炎に対し「ただ世界的な協力を通じてのみ効果的に解決できる」とした。その上で現実では実際に協力がされていないとみたが、その原因を米国というリーダーの空白に求めた。
ハラリ教授は「2008年の金融危機と2014年のエボラのようなこれまでの世界的危機で米国はグローバルリーダーの役割をした。しかし現在の米国政権は指導者の職務を放棄した。人類の未来より米国の偉大さに対してだけはるかに気を遣うということを明確にした」と書いた。トランプ大統領の2016年の大統領選でのスローガンは「米国を再び偉大に」であり、今回の再選の選挙運動スローガンは「米国を偉大なままに」だ。
「トランプ発孤立主義」はすでに全世界に広まった。世界の貿易・通信・交通はますます複雑に連結されているが同時に独自生存を望む孤立主義傾向が拡散している。英国の欧州連合(EU)離脱も同じ脈絡で解釈が可能だ。フランス、イタリア、スペインなど9カ国は25日に新型肺炎対応に向けた債券発行をEU加盟国に促した。だがドイツ、オランダ、オーストリアなどはギリシャなど負債比率が高い国とともに債券を発行することに反対している。自国の財政健全性の脅威になるという理由からだ。英ガーディアンによると、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長はこうした状況に対し「欧州が本当に『ひとつになる』精神が必要な時に多くの国は『自国だけのための』対応をしている」と指摘した。
各国の自国中心主義は国同士の対立につながっている。いまも進行形の米中貿易対立が代表的な事例だ。感情の谷間は新型肺炎でも続いた。トランプ大統領は新型肺炎を「武漢ウイルス」と呼んで中国の責任論を浮び上がった。すると中国は「米軍が武漢に新型肺炎を持ってきたのかもしれない」としてむしろ米国のせいにした。G20テレビ会議直後にもトランプ大統領は「中国の新型肺炎統計は信じられない」として中国を攻撃した。G20内でサウジアラビア、ロシア、米国は原油生産量をめぐり対立を生じさせており、韓日も輸出規制をめぐる不和が解消されていない状態だ。協力しようといいながら集まったが、互いに関係が良い状況でない。
韓神大学国際関係学部のイ・ヘヨン教授は「過去の金融危機時は各国の金融資本の利害関係が一致して合意に至ることができた。だがいまは貿易戦争をする米中対立に軍事的な問題まで絡まり各国が複雑に合従連衡を繰り返している。新型肺炎に国境封鎖で対応する世界を見れば今後も共生と協力よりは各自で生き残る道に進む可能性が高いという考えになる」と話した。
2017年からG20はぎくしゃくする姿を見せた。同年ドイツで開かれたG20首脳会議後の共同宣言は異例的にG19+1(米国)という形態で発表された。19カ国は「パリ協定は不可逆的」を共同宣言文に入れることを望んだが、すでに協定脱退を宣言したトランプ米大統領は最後まで同意しなかった。結局その文言に限り米国が同意しない形式で宣言文が発表された。
また、トランプ大統領の要求で「合法的な貿易防御手段の役割を認める」という文言が含まれた。保護貿易主義を一部認める内容だ。最初の会議の際に「1年間新たな貿易障壁を置かないことにする」と宣言したG20は自由貿易主義と開放精神を根元に置いてスタートしたが、トランプ大統領の意地で根元はよじれ始めた。G20内で共助と開放よりは自強と孤立の声が大きくなった。国立外交院外交安保研究所がG20首脳会議10周年を記念して2018年にまとめた報告書では「G20首脳会議の不安定は汎世界化とポピュリズムから発生したものだが、その問題はまだ解消されていない」という評価が出てきた。
こうした変化の背景にはトランプ大統領個人のキャラクターが大きく作用したという分析がある。エルサレム・ヘブライ大学のユバル・ノア・ハラリ教授は20日、英フィナンシャルタイムズに寄稿したコラムで新型肺炎に対し「ただ世界的な協力を通じてのみ効果的に解決できる」とした。その上で現実では実際に協力がされていないとみたが、その原因を米国というリーダーの空白に求めた。
ハラリ教授は「2008年の金融危機と2014年のエボラのようなこれまでの世界的危機で米国はグローバルリーダーの役割をした。しかし現在の米国政権は指導者の職務を放棄した。人類の未来より米国の偉大さに対してだけはるかに気を遣うということを明確にした」と書いた。トランプ大統領の2016年の大統領選でのスローガンは「米国を再び偉大に」であり、今回の再選の選挙運動スローガンは「米国を偉大なままに」だ。
「トランプ発孤立主義」はすでに全世界に広まった。世界の貿易・通信・交通はますます複雑に連結されているが同時に独自生存を望む孤立主義傾向が拡散している。英国の欧州連合(EU)離脱も同じ脈絡で解釈が可能だ。フランス、イタリア、スペインなど9カ国は25日に新型肺炎対応に向けた債券発行をEU加盟国に促した。だがドイツ、オランダ、オーストリアなどはギリシャなど負債比率が高い国とともに債券を発行することに反対している。自国の財政健全性の脅威になるという理由からだ。英ガーディアンによると、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長はこうした状況に対し「欧州が本当に『ひとつになる』精神が必要な時に多くの国は『自国だけのための』対応をしている」と指摘した。
各国の自国中心主義は国同士の対立につながっている。いまも進行形の米中貿易対立が代表的な事例だ。感情の谷間は新型肺炎でも続いた。トランプ大統領は新型肺炎を「武漢ウイルス」と呼んで中国の責任論を浮び上がった。すると中国は「米軍が武漢に新型肺炎を持ってきたのかもしれない」としてむしろ米国のせいにした。G20テレビ会議直後にもトランプ大統領は「中国の新型肺炎統計は信じられない」として中国を攻撃した。G20内でサウジアラビア、ロシア、米国は原油生産量をめぐり対立を生じさせており、韓日も輸出規制をめぐる不和が解消されていない状態だ。協力しようといいながら集まったが、互いに関係が良い状況でない。
韓神大学国際関係学部のイ・ヘヨン教授は「過去の金融危機時は各国の金融資本の利害関係が一致して合意に至ることができた。だがいまは貿易戦争をする米中対立に軍事的な問題まで絡まり各国が複雑に合従連衡を繰り返している。新型肺炎に国境封鎖で対応する世界を見れば今後も共生と協力よりは各自で生き残る道に進む可能性が高いという考えになる」と話した。
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