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韓国銀行、無制限で資金放出…通貨危機当時も使わなかった「韓国版量的緩和」(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国銀行が当分金融会社に流動性(資金)を無制限に供給することにした。買い戻し条件付き債券(RP)を金額に関係なく買い入れる方式だ。事実上の韓国版量的緩和の開始だ。新型コロナウイルスの感染拡大により実体経済が急速に冷え込む状況で、経済の血管である金融が詰まることだけはどうにか防ごうという意志だ。

◇韓国銀行、素早く前例のないカード切った

韓国銀行は26日午前に金融通貨委員会を開き、RPの無制限買い入れと、公開市場運営対象機関と対象証券の拡大案を盛り込んだ「韓国銀行の公開市場運営規定と金融機関貸付規定」の改定案を議決した。6月末までに毎週1回定期的に無制限の全額供給方式でRPを買い入れることが核心だ。金利は基準金利の年0.75%に0.1%を加算した0.85%を上限に設定した。募集金利は入札のたびに別途公告する。市場状況を考慮し7月以降も延長するかは今後決めることにした。


公開市場運営の一環であるRP取引は韓国銀行が市中流動性を管理する代表的な手段だ。流動性供給の必要性がある時はRPを買い入れ、反対の場合には売却して資金を取り込む。RPを無制限に買い入れるというのは市場の資金需要があれば望むだけ全額供給するという意味だ。

これは1997年の通貨危機や、2008年の金融危機の時も使わなかった破格なカードだ。それだけ現在の状況を厳しく認識しているという意味だ。韓国銀行は今月基準金利を年0.75%に急に引き下げた。ウォン下落と不動産市場刺激の懸念などを考慮すると追加の利下げ余力は十分ではない。こうした中で流動性不足に対する懸念が大きくなり、韓国銀行が特段の対策を出したとみられる。エコノミストのイ・ジョンウ氏は「2008年の金融危機当時の学習効果で信用収縮だけは防がなければならないという世界的な共感の中で韓国銀行が足早に動いたとみられる」と話した。

◇韓国式量的緩和政策登場

必要ならば中央銀行がいくらでも資金を貸すというもので、市場に無制限に金融を放出する効果がある。事実上韓国版量的緩和だ。金融通貨委員会直後に開かれた記者懇談会で韓国銀行の尹勉植(ユン・ミョンシク)副総裁はRPの無制限買い入れを量的緩和の一環とみても構わないのかとの質問に、「大きく違わない。ただ先進国の中央銀行の量的緩和は政策金利をゼロに低くし、これ以上の政策手段余力がなくなり資金を供給する方式で、韓国銀行の措置とは性格が少し異なる」と説明した。

今回の措置にともなうRP買い入れ対象拡大規模は約70兆ウォンと推定される。メリッツ総合金融証券のユン・ヨサム研究員は「韓国銀行が先週3兆5000億ウォン規模にRP買い入れを拡大したが、流動性萎縮の懸念は変わらない状況だった。基軸通貨国ではない現実を考慮すると韓国銀行が提示できる最善策で、資金調達と関連した不安が大幅に減るだろう」と話した。


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