先週、経済協力開発機構(OECD)は「非協力的な(Uncooperative)タックスヘイブン(租税回避地)」7カ国のリストを公開した。
脱税やマネーロンダリング防止に向けた立法と課税資料交換などの協力要求を拒否し、言わば「救済不能」と分類された国だ。
欧州のアンドラ、リヒテンシュタイン、モナコ、アフリカのリベリア、太平洋の島国ナウル、マーシャル諸島、バヌアツだ。
OECDは1年以内に十分協力しない場合、すべての加盟国に対しこれらの国・地域との貿易や金融取引を一切禁止させる厳しい制裁を計画している。
7カ国のうち、特に注目に値するのはナウル。1万2000人の人口に、面積(21平方キロ)はソウル鍾路区(チョンログ、24平方キロ)より小さな国だが、肥料の主要原料である燐鉱石(りんこうせき)のおかげで、一時世界トップの富裕国に挙げられた国だからだ。
1798年、英国船員によって世界に知られた同国は、1888年から外国の支配を受け、1968年独立した。
その間、ドイツ、日本、英国、豪州などは同国の燐鉱石埋蔵量6000万トンのうち約4000万トンを略奪した。それでも残りの燐鉱石をよく管理していれば希望はあった。
燐鉱石の輸出がピークに達した81年、同国のGDP(国内総生産)は1億2300万ドル、1人当たりの所得は1万7000ドルと、世界トップレベルだった。
税金もなく、教育、医療など大抵のものは無料だった。格納庫もないのに、ボーイング737機を5機も購入するほど、金を湯水のように使った。
だが、良き時代は長続きしなかった。英国のエコノミスト紙によると、90年代初め10億ドルを上回っていた対外資産は、詐欺にあったり、相次ぐ投資失敗などにより、最近1億ドル台にまで激減した。
燐鉱石輸出は年々減少しているのに、支出は減らさず、借金で補てんしてきたため、財政赤字は雪だるま式に増えていった。
あげくの果てに、租税避難地という立場で暮らしていかなければならない状況に陥った。2万5000ドルさえ払えば、ナウルに行かなくても認可が下りる書類上の銀行が400行にのぼる。
カネさえ払えば市民権も作ってくれるほどだから、闇資金にとってこれ以上の天国はない。
98年ロシア・マフィアの資金と推定される約700億ドルもの大金が、同国を経て跡形もなく消えてしまったこともあった。OECDが同国に目をつけた理由もこうした前歴のためだ。
今、同国の状態は思わしくない。電気と水は供給制限されており、ややもすれば石油供給が途絶えてしまう。島の景観は台無しになり、観光客の足も遠のいている。
現地語で「楽しい島」を意味するというナウルは、もはや楽しいところではなくなった。
脱税やマネーロンダリング防止に向けた立法と課税資料交換などの協力要求を拒否し、言わば「救済不能」と分類された国だ。
欧州のアンドラ、リヒテンシュタイン、モナコ、アフリカのリベリア、太平洋の島国ナウル、マーシャル諸島、バヌアツだ。
OECDは1年以内に十分協力しない場合、すべての加盟国に対しこれらの国・地域との貿易や金融取引を一切禁止させる厳しい制裁を計画している。
7カ国のうち、特に注目に値するのはナウル。1万2000人の人口に、面積(21平方キロ)はソウル鍾路区(チョンログ、24平方キロ)より小さな国だが、肥料の主要原料である燐鉱石(りんこうせき)のおかげで、一時世界トップの富裕国に挙げられた国だからだ。
1798年、英国船員によって世界に知られた同国は、1888年から外国の支配を受け、1968年独立した。
その間、ドイツ、日本、英国、豪州などは同国の燐鉱石埋蔵量6000万トンのうち約4000万トンを略奪した。それでも残りの燐鉱石をよく管理していれば希望はあった。
燐鉱石の輸出がピークに達した81年、同国のGDP(国内総生産)は1億2300万ドル、1人当たりの所得は1万7000ドルと、世界トップレベルだった。
税金もなく、教育、医療など大抵のものは無料だった。格納庫もないのに、ボーイング737機を5機も購入するほど、金を湯水のように使った。
だが、良き時代は長続きしなかった。英国のエコノミスト紙によると、90年代初め10億ドルを上回っていた対外資産は、詐欺にあったり、相次ぐ投資失敗などにより、最近1億ドル台にまで激減した。
燐鉱石輸出は年々減少しているのに、支出は減らさず、借金で補てんしてきたため、財政赤字は雪だるま式に増えていった。
あげくの果てに、租税避難地という立場で暮らしていかなければならない状況に陥った。2万5000ドルさえ払えば、ナウルに行かなくても認可が下りる書類上の銀行が400行にのぼる。
カネさえ払えば市民権も作ってくれるほどだから、闇資金にとってこれ以上の天国はない。
98年ロシア・マフィアの資金と推定される約700億ドルもの大金が、同国を経て跡形もなく消えてしまったこともあった。OECDが同国に目をつけた理由もこうした前歴のためだ。
今、同国の状態は思わしくない。電気と水は供給制限されており、ややもすれば石油供給が途絶えてしまう。島の景観は台無しになり、観光客の足も遠のいている。
現地語で「楽しい島」を意味するというナウルは、もはや楽しいところではなくなった。
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