韓国原子力研究院が2012年に世界で初めて開発した「システム一体型原子炉(SMART)」の次世代型開発事業にブレーキがかかったという。国政課題として推進している脱原発政策が影響を及ぼしたという指摘が出ている。
政府と原子力界によると、原子力研究院が1997年に開発に着手し、2012年に標準設計認可(SDA)まで取得した小型原発の改善事業が難航している。未来型原子炉を高度化するのに少なくとも2000億ウォン(約180億円)がかかる見込みだが、今年の予算は35億ウォンにすぎないからだ。政府は5年にかけて最大250億ウォンを支援するという計画だ。
韓国が開発に成功した小型原子炉は大型原発の10分の1の大きさ(容量110メガワット)で、人口10万人規模の都市に安定的に電力を供給できる次世代発電源。
原子力界の関係者は「20年余り苦労して開発した小型原発の次世代バージョンを開発するには予算支援が必須だが、難しくなった」とし「このままではライバル国の米国、中国、ロシアなどに遅れをとるかもしれない」と懸念を表した。科学技術情報通信部の関係者は「2000億ウォンの予算が必要というのは原子力界の考えにすぎない」とし「脱原発基調でも原発技術の輸出競争力は維持するのが目標」と釈明した。
◆「このままでは競争力低下」
2012年7月に「システム一体型原子炉」が原子力安全委員会で標準設計認可(SDA)を取得すると、原子力界は歓声をあげた。小型原発分野で米国、中国、ロシアなどライバル国を抜いて世界最高の技術力を保有することになったという意味があるからだ。
雰囲気が変わったのは2017年の政府の脱原発宣言の後だ。小型原発のサウジアラビア輸出を主導していたハ・ジェジュ韓国原子力研究院長が2018年11月に釈然としない理由で退任したのに続き、サウジ原発の着工も延期されている。
◆「財源を集中投資しても足りないが…」
粒子状物質を排出しない原発が注目されてグローバル競争が激化しているだけに、次世代モデルを開発するのに人材と財源を早期に集中投入する必要があるというのが原子力界の指摘だ。科学技術情報通信部の関係者は「すでに開発したスマート原発の補完の性格であり、多くの予算は必要ない」とし「原子力研究院が公式的に2000億ウォンの予算を要求したことはない」と説明した。
原子力界の立場は違う。原子力研究院の関係者は「世界小型原発市場を主導してきた状況であり、追加で財源を集中投入して次世代原発の完成度を高めるべきだが、残念だ」と話した。別の業界関係者は「昨年、次世代原発の開発に入る計画だったが、脱原発の雰囲気のためできなかった」とし「今年の予算は基本概念を描く程度の規模」と指摘した。
◆内外から攻撃を受ける「原子力産室」
国内原子力研究の「心臓」と見なされている原子力研究院が今月から「重点推進戦略」を変えた点も論議を呼んでいる。原子力研究院は今月初めに公開した推進戦略から「世界市場をリードする小型原子炉技術の確保」を削除した。その代わり原発産業生態系の力量強化などを追加した。原子力研究院は科学技術情報通信部傘下の国策研究機関であるため政府の統制を受ける。
原子力界の雰囲気が沈滞し、政府の関連公募事業も大きな関心を集められずにいる。科学技術情報通信部は現在、原子力政策研究、未来原子炉核心要素開発など7件の原子力関連事業の再公募をしている。1次公募で関心を見せたところがほとんどないからだ。
◆海外では小型原発競争が活発
韓国とは違い米国(ニュースケールパワー)、中国(CNNC)、ロシア(ロスアトム)などライバル国の企業は小型原発の開発を加速させている。米国ではトランプ大統領が小型原子炉を輸出戦略産業に指定した。これを受け、ニュースケールパワーは小型原子炉の開発に年間1億ドルを投入しているというのが原発業界の話だ。ソウル大の朱漢奎(チュ・ハンギュ)原子核工学科教授は「最近になって小型またはマイクロ原子炉の開発競争に火がついている」とし「このままでは最も進んでいる韓国の技術力が遅れをとることになるだろう」と懸念を表した。
小型一体型原子炉が関心を引くのは、大型原発の建設が難しかったり人口が分散して送配電施設を構築しにくい国に適しているからだ。世界でおよそ1万8400基と推定される老朽火力発電所に代わる発電施設という評価もある。大型原発に比べて建設費および工事期間が20%水準にすぎないほど経済性も優れている。
政府と原子力界によると、原子力研究院が1997年に開発に着手し、2012年に標準設計認可(SDA)まで取得した小型原発の改善事業が難航している。未来型原子炉を高度化するのに少なくとも2000億ウォン(約180億円)がかかる見込みだが、今年の予算は35億ウォンにすぎないからだ。政府は5年にかけて最大250億ウォンを支援するという計画だ。
韓国が開発に成功した小型原子炉は大型原発の10分の1の大きさ(容量110メガワット)で、人口10万人規模の都市に安定的に電力を供給できる次世代発電源。
原子力界の関係者は「20年余り苦労して開発した小型原発の次世代バージョンを開発するには予算支援が必須だが、難しくなった」とし「このままではライバル国の米国、中国、ロシアなどに遅れをとるかもしれない」と懸念を表した。科学技術情報通信部の関係者は「2000億ウォンの予算が必要というのは原子力界の考えにすぎない」とし「脱原発基調でも原発技術の輸出競争力は維持するのが目標」と釈明した。
◆「このままでは競争力低下」
2012年7月に「システム一体型原子炉」が原子力安全委員会で標準設計認可(SDA)を取得すると、原子力界は歓声をあげた。小型原発分野で米国、中国、ロシアなどライバル国を抜いて世界最高の技術力を保有することになったという意味があるからだ。
雰囲気が変わったのは2017年の政府の脱原発宣言の後だ。小型原発のサウジアラビア輸出を主導していたハ・ジェジュ韓国原子力研究院長が2018年11月に釈然としない理由で退任したのに続き、サウジ原発の着工も延期されている。
◆「財源を集中投資しても足りないが…」
粒子状物質を排出しない原発が注目されてグローバル競争が激化しているだけに、次世代モデルを開発するのに人材と財源を早期に集中投入する必要があるというのが原子力界の指摘だ。科学技術情報通信部の関係者は「すでに開発したスマート原発の補完の性格であり、多くの予算は必要ない」とし「原子力研究院が公式的に2000億ウォンの予算を要求したことはない」と説明した。
原子力界の立場は違う。原子力研究院の関係者は「世界小型原発市場を主導してきた状況であり、追加で財源を集中投入して次世代原発の完成度を高めるべきだが、残念だ」と話した。別の業界関係者は「昨年、次世代原発の開発に入る計画だったが、脱原発の雰囲気のためできなかった」とし「今年の予算は基本概念を描く程度の規模」と指摘した。
◆内外から攻撃を受ける「原子力産室」
国内原子力研究の「心臓」と見なされている原子力研究院が今月から「重点推進戦略」を変えた点も論議を呼んでいる。原子力研究院は今月初めに公開した推進戦略から「世界市場をリードする小型原子炉技術の確保」を削除した。その代わり原発産業生態系の力量強化などを追加した。原子力研究院は科学技術情報通信部傘下の国策研究機関であるため政府の統制を受ける。
原子力界の雰囲気が沈滞し、政府の関連公募事業も大きな関心を集められずにいる。科学技術情報通信部は現在、原子力政策研究、未来原子炉核心要素開発など7件の原子力関連事業の再公募をしている。1次公募で関心を見せたところがほとんどないからだ。
◆海外では小型原発競争が活発
韓国とは違い米国(ニュースケールパワー)、中国(CNNC)、ロシア(ロスアトム)などライバル国の企業は小型原発の開発を加速させている。米国ではトランプ大統領が小型原子炉を輸出戦略産業に指定した。これを受け、ニュースケールパワーは小型原子炉の開発に年間1億ドルを投入しているというのが原発業界の話だ。ソウル大の朱漢奎(チュ・ハンギュ)原子核工学科教授は「最近になって小型またはマイクロ原子炉の開発競争に火がついている」とし「このままでは最も進んでいる韓国の技術力が遅れをとることになるだろう」と懸念を表した。
小型一体型原子炉が関心を引くのは、大型原発の建設が難しかったり人口が分散して送配電施設を構築しにくい国に適しているからだ。世界でおよそ1万8400基と推定される老朽火力発電所に代わる発電施設という評価もある。大型原発に比べて建設費および工事期間が20%水準にすぎないほど経済性も優れている。
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