新型コロナウイルス感染拡大の恐怖で世界なドル需要が急増し、11年ぶりのウォン安ドル高になった。新型コロナ事態ですでに売り上げに深刻な打撃を受けた企業は、需要の冷え込みに加えて急激な為替レート変動で一寸先も見通せない不確実性に苦戦している。
19日のソウル外国為替市場で、韓国ウォンは前日比40ウォン値下がりした1ドル=1285.7ウォンで取引を終えた。終値が1ドル=1280ウォン水準となったのはグローバル金融危機の余波があった2009年7月14日(取引場で1ドル=1293.0ウォン)以来11年ぶり。
◆石油精製、輸出減少でコスト負担カバーできず
石油業界はすでに収益性指標の精製マージンがマイナスとなり、「工場を運営するほど損失が出る」という状況だ。企業が生産する石油製品価格が原油(原材料)より安いということだ。実際、18日(現地時間)基準でドバイ原油現物平均価格は1バレルあたり28.26ドルと、揮発油(27.44ドル)より高かった。
さらにウォン安ドル高のため原油輸入価格の負担まで膨らんでいる。通常、石油精製企業はウォン安ドル高であるほど負担になる原油輸入分を、ウォン安ドル高であるほど有利な石油製品「輸出」でヘッジしてきた。しかし現在は新型コロナ事態で航空機と物流がストップするなど需要自体が減少し、被害をそのまま受けることになった。未来アセット大宇証券は18日、韓国を代表する石油精製企業SKイノベーションが1-3月期に5731億ウォン(約490億円)の営業赤字を出すと予想した。化学業界もウォン安ドル高による原材料輸入負担を中間財輸出でカバーしてきたが、需要の減少で同じ状況を迎えている。
◆大韓航空の外貨損失、1-3月期だけで5340億ウォン予想
航空業界は生存の危機に直面した。飛行機の燃料と航空機購買・賃貸などを米ドルで決済するため、ウォン安になるほど財務構造が悪化する。業界によると、10ウォンのウォン安ドル高で大韓航空に約850億ウォンの為替換算差損が発生する。KB証券のカン・ソンジン研究員は「ウォン安ドル高で大韓航空とチェジュ航空は1-3月期だけでそれぞれ5340億ウォン、366億ウォンの為替差損が生じる」と予想した。大韓航空の場合、1-3月期の損失が昨年全体の為替換算差損(3758億ウォン)を超える可能性があるということだ。
しかしさらに深刻な問題は新型コロナによる売上急減だ。航空業界の関係者は「為替レートもそうだが、飛行機が飛ばない。売り上げがない」とし「『このままでは本当につぶれる』という声が公然と出ている」と伝えた。
◆現代車「4月の米国販売、前年比50%減」
自動車や家電など輸出業界はウォン安になるほど販売価格に競争力が生じて有利だが、新型コロナ局面では事情が違う。景気が急激に冷え込んで海外の消費が萎縮し、製品販売の不振につながるからだ。ホセ・ムニョス現代車グローバル最高執行責任者(COO)兼北米圏域本部長(社長)は18日、米ウォールストリートジャーナル(WSJ)のインタビューで「来月の販売は前年同月の50%程度になるだろう」という見方を示した。さらにドル高で相対的に新興国の通貨下落が続く場合、ブラジルやロシアなどに生産基地を置く現代車など自動車企業は為替差損の発生を避けることができない。
◆食品・化粧品・バイオなどはウォン安懸念
ロッテフード、CJ第一製糖、東遠F&Bなど食品業界も為替レート変動推移に注目している。東遠F&Bの関係者は「原材料を輸入する場合、平均3カ月分を先に購入するためまだ打撃はない」としながらも「ウォン安ドル高が続く場合、食品原材料の輸入価格が上がって損失が予想される」と説明した。
ウォン安は製薬・バイオ業界にも悪材料だ。匿名を求めたバイオ企業の関係者は「臨床の拠点が米国である場合が多いためドル決済が中心だが、最近は為替レート短期変動があまりにも大きく業界が懸念している」とし「現在のところ見守るしかない状況」と述べた。
◆証券業界「1ドル=1500ウォン水準までは行かない」
メリッツ総合金融証券のイ・スンフン研究員は「各国の政策対応にもかかわらず、新型コロナの拡大はすぐに収まるとは考えにくく、グローバル景気沈滞が予想より長引く可能性がある」とし「先進国への資金離脱でウォン安が続き、為替レートの安定に時間がかかるだろう」と予想した。ただ、「今回は短期借入の急増や外国人の投機性債券現物売りがないだけに、2008年の金融危機当時のように1ドル=1500-1600ウォンまでウォン安ドル高が進む可能性は低い」という見方を示した。
19日のソウル外国為替市場で、韓国ウォンは前日比40ウォン値下がりした1ドル=1285.7ウォンで取引を終えた。終値が1ドル=1280ウォン水準となったのはグローバル金融危機の余波があった2009年7月14日(取引場で1ドル=1293.0ウォン)以来11年ぶり。
◆石油精製、輸出減少でコスト負担カバーできず
石油業界はすでに収益性指標の精製マージンがマイナスとなり、「工場を運営するほど損失が出る」という状況だ。企業が生産する石油製品価格が原油(原材料)より安いということだ。実際、18日(現地時間)基準でドバイ原油現物平均価格は1バレルあたり28.26ドルと、揮発油(27.44ドル)より高かった。
さらにウォン安ドル高のため原油輸入価格の負担まで膨らんでいる。通常、石油精製企業はウォン安ドル高であるほど負担になる原油輸入分を、ウォン安ドル高であるほど有利な石油製品「輸出」でヘッジしてきた。しかし現在は新型コロナ事態で航空機と物流がストップするなど需要自体が減少し、被害をそのまま受けることになった。未来アセット大宇証券は18日、韓国を代表する石油精製企業SKイノベーションが1-3月期に5731億ウォン(約490億円)の営業赤字を出すと予想した。化学業界もウォン安ドル高による原材料輸入負担を中間財輸出でカバーしてきたが、需要の減少で同じ状況を迎えている。
◆大韓航空の外貨損失、1-3月期だけで5340億ウォン予想
航空業界は生存の危機に直面した。飛行機の燃料と航空機購買・賃貸などを米ドルで決済するため、ウォン安になるほど財務構造が悪化する。業界によると、10ウォンのウォン安ドル高で大韓航空に約850億ウォンの為替換算差損が発生する。KB証券のカン・ソンジン研究員は「ウォン安ドル高で大韓航空とチェジュ航空は1-3月期だけでそれぞれ5340億ウォン、366億ウォンの為替差損が生じる」と予想した。大韓航空の場合、1-3月期の損失が昨年全体の為替換算差損(3758億ウォン)を超える可能性があるということだ。
しかしさらに深刻な問題は新型コロナによる売上急減だ。航空業界の関係者は「為替レートもそうだが、飛行機が飛ばない。売り上げがない」とし「『このままでは本当につぶれる』という声が公然と出ている」と伝えた。
◆現代車「4月の米国販売、前年比50%減」
自動車や家電など輸出業界はウォン安になるほど販売価格に競争力が生じて有利だが、新型コロナ局面では事情が違う。景気が急激に冷え込んで海外の消費が萎縮し、製品販売の不振につながるからだ。ホセ・ムニョス現代車グローバル最高執行責任者(COO)兼北米圏域本部長(社長)は18日、米ウォールストリートジャーナル(WSJ)のインタビューで「来月の販売は前年同月の50%程度になるだろう」という見方を示した。さらにドル高で相対的に新興国の通貨下落が続く場合、ブラジルやロシアなどに生産基地を置く現代車など自動車企業は為替差損の発生を避けることができない。
◆食品・化粧品・バイオなどはウォン安懸念
ロッテフード、CJ第一製糖、東遠F&Bなど食品業界も為替レート変動推移に注目している。東遠F&Bの関係者は「原材料を輸入する場合、平均3カ月分を先に購入するためまだ打撃はない」としながらも「ウォン安ドル高が続く場合、食品原材料の輸入価格が上がって損失が予想される」と説明した。
ウォン安は製薬・バイオ業界にも悪材料だ。匿名を求めたバイオ企業の関係者は「臨床の拠点が米国である場合が多いためドル決済が中心だが、最近は為替レート短期変動があまりにも大きく業界が懸念している」とし「現在のところ見守るしかない状況」と述べた。
◆証券業界「1ドル=1500ウォン水準までは行かない」
メリッツ総合金融証券のイ・スンフン研究員は「各国の政策対応にもかかわらず、新型コロナの拡大はすぐに収まるとは考えにくく、グローバル景気沈滞が予想より長引く可能性がある」とし「先進国への資金離脱でウォン安が続き、為替レートの安定に時間がかかるだろう」と予想した。ただ、「今回は短期借入の急増や外国人の投機性債券現物売りがないだけに、2008年の金融危機当時のように1ドル=1500-1600ウォンまでウォン安ドル高が進む可能性は低い」という見方を示した。
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