正解がない問題で正解を見つけなければいけない。2020東京オリンピック(五輪)の開催可否をめぐり追い込まれている日本、そして国際オリンピック委員会(IOC)のジレンマだ。
パンデミック(伝染病大流行)局面に入った新型コロナウイルス感染症のため全世界が苦しんでいる。世界保健機関(WHO)がホームページで公開している世界各国の新型コロナ感染現況によると、15日(韓国時間)基準の累積感染者は135カ国で14万2649人、死者は5393人。12日にWHOがパンデミックを宣言した後も各国の感染状況はさらに悪化している。イタリアを筆頭にスペイン・フランス・ドイツなど欧州全域で感染拡大が目立ち、国家非常事態を宣言した米国をはじめとする北米地域でも新型コロナ感染者が急増している。アフリカ大陸でも感染者が増えている。
世界的に新型コロナが広がり、社会・経済・外交的に数多くの問題が同時多発的に発生しているが、中でも最も悩ましい課題を抱えている人たちがいる。2020東京オリンピック(五輪)開催まで5カ月も残っていない状態で史上3度目のパンデミック状況を迎えた日本とIOCだ。震源地の中国湖北省武漢をはじめ、韓国、日本など東アジアを中心に新型コロナが拡大した当時から、今年7月の開幕を控えた東京五輪の開催可否に関心を持つ人は多かった。そのたびに日本政府と東京オリンピック・パラリンピック組織委員会、そしてIOCともに正常に開催すると主張してきた。しかし新型コロナがパンデミックに入って全世界に広がった今、五輪を眺める視線はさらに懐疑的になり、日本とIOCの悩みもさらに深まった。
パンデミックに入ってまだ4日しか経過していないが、状況は「正常開催」を強調していた当時とはかなり変わった。中国に続いて2番目に感染者が多い国になったイタリアは2万人以上が陽性判定を受けた。イタリア政府は10日、全国に移動制限令を出し、第2次世界大戦以降一度も中断したことがないプロサッカーのセリエAもストップした。イタリアだけではない。選手および関係者までが感染し、セリエAと共に欧州5大サッカーリーグに挙げられるスペイン・ドイツ・フランス・イングランドのサッカーリーグがすべて中断した。米国でも米プロバスケット(NBA)、北米アイスホッケーリーグ(NHL)、米プロサッカー(MLS)が中断し、米プロ野球(MLB)も開幕を延期する事態となった。
資本主義の華と呼ばれるプロスポーツがすべて中断した状況は新型コロナの深刻性を傍証している。プロスポーツも中断した中、アマチュアスポーツがまともに進行されるはずはない。世界各地で予定されていた大会が延期または中止となる状況が続出している。2020東京五輪の年を迎えて五輪の予選を準備中だった種目の被害は大きい。各種目の世界連盟は予定された大会日程をできるだけ先延ばしながらも、五輪以前に予選を消化できるか懐疑的な雰囲気だ。五輪延期論、五輪中止論が浮上する中で延期された予選の日程を待つ選手の不安感は非常に大きい。
大会の準備に天文学的な金額を投入した日本の立場では、昨今の状況はまさに進退両難のように感じられるしかない。注ぎ込んだ資金と努力を考えると中止にすることはできず、延期したり無観客競技をするのも望ましくない。どうにかして新型コロナを五輪開幕までに抑え込んで正常開催することだけが唯一の方法だ。「感染拡大を乗り越えてオリンピックを無事予定通り開催したい」という安倍晋三首相の14日の記者会見の発言は、日本のこうした立場をよく表している。新型コロナ検査に消極的な態度を見せて感染者数を最小化する日本の態度も、五輪の正常開催に対する熱望のためであるのなら説明可能だ。
しかし新型コロナはすでに日本が統制可能な水準を越え、世界的な災難に広がった。そして五輪は「日本の祭り」ではなく「全世界の祭り」だ。日本が五輪の開幕に合わせて自国内の事情を正常化するとしても、世界的に新型コロナが広がった状態で感染が終息しなければ正常開催は難しくなるしかない。新型コロナが再拡大するリスクが高いからだ。昭和大病院感染症内科の二木芳人特任教授は新型コロナがパンデミックに入る前の9日、「パンデミックが始まる場合、日本と他国がこの事態を同時に終息するのは不可能だ。日本で夏までに終息するとしても、他の地域で広がる可能性が高い」とし「五輪を通じて再感染が始まる危険が存在する」と警告したりもした。正常開催のために孤軍奮闘中の日本に劣らず頭を抱えているのがIOCだ。IOCは今まで東京五輪の成功のために尽力するという立場を守ってきた。しかし状況が深刻になると、トーマス・バッハIOC委員長も一歩退いた。バッハ委員長はドイツ公共放送ARDのインタビューで、予定通りに大会を開催する方針だが、WHOが大会中止を要求する場合はWHOの助言に従うという意向を明らかにした。
パンデミック(伝染病大流行)局面に入った新型コロナウイルス感染症のため全世界が苦しんでいる。世界保健機関(WHO)がホームページで公開している世界各国の新型コロナ感染現況によると、15日(韓国時間)基準の累積感染者は135カ国で14万2649人、死者は5393人。12日にWHOがパンデミックを宣言した後も各国の感染状況はさらに悪化している。イタリアを筆頭にスペイン・フランス・ドイツなど欧州全域で感染拡大が目立ち、国家非常事態を宣言した米国をはじめとする北米地域でも新型コロナ感染者が急増している。アフリカ大陸でも感染者が増えている。
世界的に新型コロナが広がり、社会・経済・外交的に数多くの問題が同時多発的に発生しているが、中でも最も悩ましい課題を抱えている人たちがいる。2020東京オリンピック(五輪)開催まで5カ月も残っていない状態で史上3度目のパンデミック状況を迎えた日本とIOCだ。震源地の中国湖北省武漢をはじめ、韓国、日本など東アジアを中心に新型コロナが拡大した当時から、今年7月の開幕を控えた東京五輪の開催可否に関心を持つ人は多かった。そのたびに日本政府と東京オリンピック・パラリンピック組織委員会、そしてIOCともに正常に開催すると主張してきた。しかし新型コロナがパンデミックに入って全世界に広がった今、五輪を眺める視線はさらに懐疑的になり、日本とIOCの悩みもさらに深まった。
パンデミックに入ってまだ4日しか経過していないが、状況は「正常開催」を強調していた当時とはかなり変わった。中国に続いて2番目に感染者が多い国になったイタリアは2万人以上が陽性判定を受けた。イタリア政府は10日、全国に移動制限令を出し、第2次世界大戦以降一度も中断したことがないプロサッカーのセリエAもストップした。イタリアだけではない。選手および関係者までが感染し、セリエAと共に欧州5大サッカーリーグに挙げられるスペイン・ドイツ・フランス・イングランドのサッカーリーグがすべて中断した。米国でも米プロバスケット(NBA)、北米アイスホッケーリーグ(NHL)、米プロサッカー(MLS)が中断し、米プロ野球(MLB)も開幕を延期する事態となった。
資本主義の華と呼ばれるプロスポーツがすべて中断した状況は新型コロナの深刻性を傍証している。プロスポーツも中断した中、アマチュアスポーツがまともに進行されるはずはない。世界各地で予定されていた大会が延期または中止となる状況が続出している。2020東京五輪の年を迎えて五輪の予選を準備中だった種目の被害は大きい。各種目の世界連盟は予定された大会日程をできるだけ先延ばしながらも、五輪以前に予選を消化できるか懐疑的な雰囲気だ。五輪延期論、五輪中止論が浮上する中で延期された予選の日程を待つ選手の不安感は非常に大きい。
大会の準備に天文学的な金額を投入した日本の立場では、昨今の状況はまさに進退両難のように感じられるしかない。注ぎ込んだ資金と努力を考えると中止にすることはできず、延期したり無観客競技をするのも望ましくない。どうにかして新型コロナを五輪開幕までに抑え込んで正常開催することだけが唯一の方法だ。「感染拡大を乗り越えてオリンピックを無事予定通り開催したい」という安倍晋三首相の14日の記者会見の発言は、日本のこうした立場をよく表している。新型コロナ検査に消極的な態度を見せて感染者数を最小化する日本の態度も、五輪の正常開催に対する熱望のためであるのなら説明可能だ。
しかし新型コロナはすでに日本が統制可能な水準を越え、世界的な災難に広がった。そして五輪は「日本の祭り」ではなく「全世界の祭り」だ。日本が五輪の開幕に合わせて自国内の事情を正常化するとしても、世界的に新型コロナが広がった状態で感染が終息しなければ正常開催は難しくなるしかない。新型コロナが再拡大するリスクが高いからだ。昭和大病院感染症内科の二木芳人特任教授は新型コロナがパンデミックに入る前の9日、「パンデミックが始まる場合、日本と他国がこの事態を同時に終息するのは不可能だ。日本で夏までに終息するとしても、他の地域で広がる可能性が高い」とし「五輪を通じて再感染が始まる危険が存在する」と警告したりもした。正常開催のために孤軍奮闘中の日本に劣らず頭を抱えているのがIOCだ。IOCは今まで東京五輪の成功のために尽力するという立場を守ってきた。しかし状況が深刻になると、トーマス・バッハIOC委員長も一歩退いた。バッハ委員長はドイツ公共放送ARDのインタビューで、予定通りに大会を開催する方針だが、WHOが大会中止を要求する場合はWHOの助言に従うという意向を明らかにした。
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