新型コロナウイルスによる肺炎が欧州と米国に野火のように広がり各国政府が全国民の移動制限のような初めての措置を相次いで出している。こうした「シャットダウン」の余波で米国と欧州の日常生活と経済活動はまひしている。中国に続き米国と欧州まで経済活動が中断され、ここを主力市場としている韓国企業も危機に追いやられている。
スペインのサンチェス首相は14日、「2週間の国家非常事態を宣言する」とし、「全国封鎖令」を下した。欧州ではイタリアに次いで2番目の全国封鎖だ。スペイン国民は食料品購入などきわめて一部の場合を除くと外出が禁止される。非常状況に備えて軍隊も待機する。欧州では事実上「戒厳令が下された」という話まで出てきている。
フランスのフィリップ首相もこの日「薬局と食料品店を除いたすべての商店が休業しなくてはならない」と発表した。ドイツのベルリンも飲み屋、クラブ、バーなどの営業を一時中断する措置を取った。
トランプ米大統領は13日に国家非常事態を宣言した。14日には欧州発の入国制限対象に英国とアイルランドを追加した。
欧州と米国が相次いでシャットダウンに入ったのは新型肺炎の状況が深刻なためだ。欧州では感染者が4万人を超え、米国は14日の1日だけで500人以上増加して3000人に迫った。世界保健機関(WHO)は「欧州が新型肺炎の新たな震源地」と指摘した。
韓国の産業界はサムスン電子や現代自動車など主要企業の売り上げの半分以上が米国と欧州から出るだけに業績に大きな打撃を受けると懸念している。ある大企業関係者は「いまは世界市場に商品を売るところがない」と話した。
◇「物を売るところがない」…世界の消費市場に「コロナ直撃弾」
「だれが店にきて製品を触れてみますか。米国と欧州までふさがれば売り上げが半減するほかありません」(電子企業最高経営責任者)
新型コロナウイルスによる肺炎が米国・欧州に拡散して海外市場依存度が高い韓国企業が四面楚歌に陥っている。中国発の生産支障で始まった新型肺炎の余派が需要萎縮にともなう「販売の崖」に続きかねないためだ。サムスン電子と現代自動車など韓国主要企業の米国・欧州市場売り上げ割合は50%を上回る。産業界は「目標達成どころか生き残れるかが心配」としながら非常経営体制に入った。
◇テレビと自動車、欧米の売り上げ比率50%
市場調査会社IHSマーケットは15日に新型肺炎の余派により1-3月期の世界のテレビ販売台数が昨年より8.7%減った4725万7000台にとどまると予想した。世界最大市場である米国など北米が29%減、2番目に大きい中国が20%減と直撃弾を受けたためだ。
6月のサッカー欧州選手権大会(ユーロ2020)と7月の東京五輪開催の可否が不透明になった点も悪材料だ。サムスン電子とLGエレクトロニクスは大型スポーツイベントが開かれる年には前年より良い業績を収めた。スポーツ中継を見たい消費者が新しいテレビを購入するためだ。だが今年の大会は延期や中止の可能性まで提起されている。昨年2億2000万台規模だったテレビ市場で米国を含んだ北米が24.2%、欧州が22.8%を占め、全体の半分に迫る47%に達する。IHSマーケットは4-6月期のテレビ販売台数も前年より500万台以上減ると予想した。
第5世代(5G)移動通信時代開幕とともに成長が予想されたスマートフォン市場も新型肺炎の直撃弾を受けた。市場調査会社ストラテジーアナリティクス(SA)は1-3月期のスマートフォン販売台数が前年より26.6%減ると予想した。また別の市場調査会社オーバムも「今年の5Gスマートフォン出荷台数は予想値の2億5000万台より20%減少するだろう」と発表した。新しいスマートフォン「ギャラクシーS20」を発売したサムスン電子もやはり今年の販売台数は6~7%減るだろうとSAは分析した。テレビとスマートフォンの販売減少は韓国の輸出の20%を占める半導体産業の不振につながる可能性が大きい。市場調査会社ICインサイツは「新型肺炎により半導体産業がL字型不況に陥る可能性が高い」と予想した。
現代自動車も中国に続く世界2位と3位の市場である米国(2019年1710万台)と欧州(1580万台)で赤信号が灯った。昨年米国で71万台、欧州が56万台の127万台を販売した現代自動車の米国・欧州売り上げの割合は51.7%に達する。フランスとイタリアなどで商店休業令が相次ぎ、欧州国民の所得急減にともなう販売減少の可能性が提起される。新型肺炎により中国国内の営業店が閉鎖された現代自動車の先月の中国卸売販売台数は1007台で昨年の3万8017台より97.4%の急減となった。
サムスン電子と現代自動車など韓国企業は新型肺炎の感染拡大への懸念から海外出張を中断したため積極的マーケティングも展開できない状況だ。ある電子企業の海外事業担当役員は「米国・欧州のオフライン家電店舗の販売が急減している。海外に行くこともできず手足が縛られた状態」と吐露した。
◇原油安のせいで受注産業も非常灯
新型肺炎に石油価格急落まで重なった韓国の造船・建設業界も「受注の崖」の恐怖感に包まれた。造船海運市況分析機関クラークソンリサーチによると、1~2月の世界船舶発注量は117万CGT(標準貨物船換算トン数)で昨年より76%急減した。
原油安が長期化すれば海洋プラント(原油・ガスボーリング設備)だけでなく、現代重工業と大宇造船海洋、サムスン重工業の韓国造船大手3社の主力である液化天然ガス(LNG)運搬船発注まで途絶えかねないという懸念が出ている。原油価格下落で中東産油国の財政が悪化すれば海外建設の「ホームグラウンド」と呼ばれた中東地域で韓国の建設会社の工事代金回収が遅れ発注も取り消される可能性が大きい。今年に入り13日までの中東建設受注は57億ドルで全海外受注額95億ドルの60%に達した。
スペインのサンチェス首相は14日、「2週間の国家非常事態を宣言する」とし、「全国封鎖令」を下した。欧州ではイタリアに次いで2番目の全国封鎖だ。スペイン国民は食料品購入などきわめて一部の場合を除くと外出が禁止される。非常状況に備えて軍隊も待機する。欧州では事実上「戒厳令が下された」という話まで出てきている。
フランスのフィリップ首相もこの日「薬局と食料品店を除いたすべての商店が休業しなくてはならない」と発表した。ドイツのベルリンも飲み屋、クラブ、バーなどの営業を一時中断する措置を取った。
トランプ米大統領は13日に国家非常事態を宣言した。14日には欧州発の入国制限対象に英国とアイルランドを追加した。
欧州と米国が相次いでシャットダウンに入ったのは新型肺炎の状況が深刻なためだ。欧州では感染者が4万人を超え、米国は14日の1日だけで500人以上増加して3000人に迫った。世界保健機関(WHO)は「欧州が新型肺炎の新たな震源地」と指摘した。
韓国の産業界はサムスン電子や現代自動車など主要企業の売り上げの半分以上が米国と欧州から出るだけに業績に大きな打撃を受けると懸念している。ある大企業関係者は「いまは世界市場に商品を売るところがない」と話した。
◇「物を売るところがない」…世界の消費市場に「コロナ直撃弾」
「だれが店にきて製品を触れてみますか。米国と欧州までふさがれば売り上げが半減するほかありません」(電子企業最高経営責任者)
新型コロナウイルスによる肺炎が米国・欧州に拡散して海外市場依存度が高い韓国企業が四面楚歌に陥っている。中国発の生産支障で始まった新型肺炎の余派が需要萎縮にともなう「販売の崖」に続きかねないためだ。サムスン電子と現代自動車など韓国主要企業の米国・欧州市場売り上げ割合は50%を上回る。産業界は「目標達成どころか生き残れるかが心配」としながら非常経営体制に入った。
◇テレビと自動車、欧米の売り上げ比率50%
市場調査会社IHSマーケットは15日に新型肺炎の余派により1-3月期の世界のテレビ販売台数が昨年より8.7%減った4725万7000台にとどまると予想した。世界最大市場である米国など北米が29%減、2番目に大きい中国が20%減と直撃弾を受けたためだ。
6月のサッカー欧州選手権大会(ユーロ2020)と7月の東京五輪開催の可否が不透明になった点も悪材料だ。サムスン電子とLGエレクトロニクスは大型スポーツイベントが開かれる年には前年より良い業績を収めた。スポーツ中継を見たい消費者が新しいテレビを購入するためだ。だが今年の大会は延期や中止の可能性まで提起されている。昨年2億2000万台規模だったテレビ市場で米国を含んだ北米が24.2%、欧州が22.8%を占め、全体の半分に迫る47%に達する。IHSマーケットは4-6月期のテレビ販売台数も前年より500万台以上減ると予想した。
第5世代(5G)移動通信時代開幕とともに成長が予想されたスマートフォン市場も新型肺炎の直撃弾を受けた。市場調査会社ストラテジーアナリティクス(SA)は1-3月期のスマートフォン販売台数が前年より26.6%減ると予想した。また別の市場調査会社オーバムも「今年の5Gスマートフォン出荷台数は予想値の2億5000万台より20%減少するだろう」と発表した。新しいスマートフォン「ギャラクシーS20」を発売したサムスン電子もやはり今年の販売台数は6~7%減るだろうとSAは分析した。テレビとスマートフォンの販売減少は韓国の輸出の20%を占める半導体産業の不振につながる可能性が大きい。市場調査会社ICインサイツは「新型肺炎により半導体産業がL字型不況に陥る可能性が高い」と予想した。
現代自動車も中国に続く世界2位と3位の市場である米国(2019年1710万台)と欧州(1580万台)で赤信号が灯った。昨年米国で71万台、欧州が56万台の127万台を販売した現代自動車の米国・欧州売り上げの割合は51.7%に達する。フランスとイタリアなどで商店休業令が相次ぎ、欧州国民の所得急減にともなう販売減少の可能性が提起される。新型肺炎により中国国内の営業店が閉鎖された現代自動車の先月の中国卸売販売台数は1007台で昨年の3万8017台より97.4%の急減となった。
サムスン電子と現代自動車など韓国企業は新型肺炎の感染拡大への懸念から海外出張を中断したため積極的マーケティングも展開できない状況だ。ある電子企業の海外事業担当役員は「米国・欧州のオフライン家電店舗の販売が急減している。海外に行くこともできず手足が縛られた状態」と吐露した。
◇原油安のせいで受注産業も非常灯
新型肺炎に石油価格急落まで重なった韓国の造船・建設業界も「受注の崖」の恐怖感に包まれた。造船海運市況分析機関クラークソンリサーチによると、1~2月の世界船舶発注量は117万CGT(標準貨物船換算トン数)で昨年より76%急減した。
原油安が長期化すれば海洋プラント(原油・ガスボーリング設備)だけでなく、現代重工業と大宇造船海洋、サムスン重工業の韓国造船大手3社の主力である液化天然ガス(LNG)運搬船発注まで途絶えかねないという懸念が出ている。原油価格下落で中東産油国の財政が悪化すれば海外建設の「ホームグラウンド」と呼ばれた中東地域で韓国の建設会社の工事代金回収が遅れ発注も取り消される可能性が大きい。今年に入り13日までの中東建設受注は57億ドルで全海外受注額95億ドルの60%に達した。
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