韓国の輸出主力産業が「パーフェクトストーム」(複数の悪材料が重なった超大型経済危機)に巻き込まれる危機を迎えた。新型コロナウイルス感染症が世界の実物経済に影響を及ぼしているからだ。米国・欧州・アジアの消費市場は冷え込み、グローバル素材・部品サプライチェーンは次々と停止している。構造的に対外依存度が高い韓国産業の打撃が大きくなるしかない。
国内自動車産業は「生産および販売の崖」が現実になっている。韓国自動車産業協会(KAMA)によると、2月の国内自動車5社の生産台数は前年同月比26.4%減の18万9235台だった。2月基準では1999年以降最も少ない。中国工場が閉鎖して部品の供給が中断し、国内企業も工場の稼働を停止することになった。先月の国内販売台数も8万1722台と、前年同月比21.7%減少した。最大市場の米国は今年の自動車販売台数が前年比9%減と予想される(モルガン・スタンレー)など、輸出にも暗雲が漂っている。ジェネシスG80やアバンテなど新車発表にも支障が生じた。
キム・ピルス大林大自動車学科教授は「新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による需要減少で、今年の自動車生産規模は350万台(昨年395万台)まで減少するかもしれない」とし「生産自動車4台のうち3台を輸出する韓国は、今年の輸出と内需ともに最悪の一年になりそうだ」と懸念を表した。
さらに韓国経済を支えてきた電子・半導体も良くない。まず、新学期と結婚を準備する春季特需が消えた。国際的にも流動人口の減少と消費の沈滞で需要が減少した。ストラテジーアナリティックスは今年の世界スマートフォン市場規模が前年比で10%減少すると予想した。1-3月期のテレビ販売は前年同期比9%(IHSマーケット)減、ノートブックは同比26%減(トレンドフォース)となる見込みだ。さらに7月に開催される東京オリンピック(五輪)が延期される可能性が出ている点も悪材料だ。ユジン投資証券のイ・スンウ研究員は「主要製品の開発および発売の遅延が懸念される」とし、iPhone9の発売遅延を例に挙げた。
これを受け、韓国の輸出の約20%を担う半導体産業でも不安感が感知されている。半導体は情報技術(IT)機器に使用される部品であるため、こうした生産減少で半導体の需要が減るドミノ現象が表れるということだ。市場調査会社ICインサイツは「2020年初めには、半導体産業が2019年の不振を乗り越えて確実な回復傾向を見せると予想されていた」とし「しかし新型コロナの拡大で半導体産業も影響を受けるはず」と伝えた。続いて「事態が短期間に終わればV字型・U字型回復を見せるだろうが、現在はL字型不況の可能性を高いとみるのが合理的」と説明した。証券業界はサムスン電子、SKハイニックス、LGエレクトロニクスの上半期の業績見通しを下方修正している。
韓国産業の一つの軸を担う石油化学・石油精製業界も厳しい。さらに国際原油価格も下落している。昨年10月から損益分岐点水準の1バレルあたり4ドル台以下に落ちた「精製マージン」は年初に回復の兆しが表れたが、今月第1週には1.4ドルに落ちた。販売するほど損失が出るということであり、景気沈滞による売上減少だけでなく収益性も崩れたということだ。石油化学業界は世界的な需要急減が深刻であり、短期的な衝撃が懸念されている。
造船業など韓国のほかの代表的産業も新型コロナの射程圏に入っている。クラークソンリサーチによると、2月の世界船舶発注量は30万CGT(標準貨物船換算トン数、18隻)と、1月(87万CGT、33隻)に比べて66%減少した。
関連産業の鉄鋼業界は供給過剰、原材料(鉄鉱石)価格の上昇などで経営環境が良くない。沈滞が長期化すれば、鉄鋼の需要はさらに減少すると予想される。中国国内の鉄鋼材料の在庫が増え、世界鉄鋼企業の生産と販売価格も影響を受ける見込みだ。
昨年の海外建設受注が13年ぶり最低となった建設業界は今年も回復の兆しが見えない。海外建設協会のキム・ジョングク対外協力室長は「通常、海外建設受注実績は原油価格と共に動く」とし「主に中東産油国からの石油化学プラント受注が多いが、原油価格が下落すれば長期的に発注額が減る可能性がある」と説明した。国連貿易開発会議(UNCTAD)は新型コロナの影響で世界の輸出額が先月500億ドル減少し、うち韓国は38億ドルの輸出減少被害が生じたと分析した。
欧州連合(EU)、米国、日本に次いで4番目に被害が大きい。韓国は国内総生産(GDP)に対する輸出の比率が40%台と高い。輸出が減少すれば企業が投資を減らし、このため消費が冷え込んで雇用が減少する連鎖効果が表れる構造だ。経済予測機関が韓国の成長率を0-1%台に下方修正している背景だ。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は韓国企業の格下げ圧力が強まっていると明らかにした。S&Pは「韓国は感染者数が多く、企業の貿易と輸出依存度が高いため、格付けに及ぼす影響が広範囲に表れるはず」とし「今年上半期に業績が低下する企業は多いだろう」と予想した。最も大きな被害が予想される業種は旅行・レジャー・航空産業であり、石油精製・化学・鉄鋼・流通・自動車・電子業種なども大きなリスクに露出していると判断した。
カン・ソンジン高麗大経済学科教授は「内需景気がすでに悪化した状況で、新型コロナの世界的大流行が公式化した」とし「内需と輸出が同時多発的に打撃を受け、韓国経済の沈滞が長期化するだろう」という見方を示した。
国内自動車産業は「生産および販売の崖」が現実になっている。韓国自動車産業協会(KAMA)によると、2月の国内自動車5社の生産台数は前年同月比26.4%減の18万9235台だった。2月基準では1999年以降最も少ない。中国工場が閉鎖して部品の供給が中断し、国内企業も工場の稼働を停止することになった。先月の国内販売台数も8万1722台と、前年同月比21.7%減少した。最大市場の米国は今年の自動車販売台数が前年比9%減と予想される(モルガン・スタンレー)など、輸出にも暗雲が漂っている。ジェネシスG80やアバンテなど新車発表にも支障が生じた。
キム・ピルス大林大自動車学科教授は「新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による需要減少で、今年の自動車生産規模は350万台(昨年395万台)まで減少するかもしれない」とし「生産自動車4台のうち3台を輸出する韓国は、今年の輸出と内需ともに最悪の一年になりそうだ」と懸念を表した。
さらに韓国経済を支えてきた電子・半導体も良くない。まず、新学期と結婚を準備する春季特需が消えた。国際的にも流動人口の減少と消費の沈滞で需要が減少した。ストラテジーアナリティックスは今年の世界スマートフォン市場規模が前年比で10%減少すると予想した。1-3月期のテレビ販売は前年同期比9%(IHSマーケット)減、ノートブックは同比26%減(トレンドフォース)となる見込みだ。さらに7月に開催される東京オリンピック(五輪)が延期される可能性が出ている点も悪材料だ。ユジン投資証券のイ・スンウ研究員は「主要製品の開発および発売の遅延が懸念される」とし、iPhone9の発売遅延を例に挙げた。
これを受け、韓国の輸出の約20%を担う半導体産業でも不安感が感知されている。半導体は情報技術(IT)機器に使用される部品であるため、こうした生産減少で半導体の需要が減るドミノ現象が表れるということだ。市場調査会社ICインサイツは「2020年初めには、半導体産業が2019年の不振を乗り越えて確実な回復傾向を見せると予想されていた」とし「しかし新型コロナの拡大で半導体産業も影響を受けるはず」と伝えた。続いて「事態が短期間に終わればV字型・U字型回復を見せるだろうが、現在はL字型不況の可能性を高いとみるのが合理的」と説明した。証券業界はサムスン電子、SKハイニックス、LGエレクトロニクスの上半期の業績見通しを下方修正している。
韓国産業の一つの軸を担う石油化学・石油精製業界も厳しい。さらに国際原油価格も下落している。昨年10月から損益分岐点水準の1バレルあたり4ドル台以下に落ちた「精製マージン」は年初に回復の兆しが表れたが、今月第1週には1.4ドルに落ちた。販売するほど損失が出るということであり、景気沈滞による売上減少だけでなく収益性も崩れたということだ。石油化学業界は世界的な需要急減が深刻であり、短期的な衝撃が懸念されている。
造船業など韓国のほかの代表的産業も新型コロナの射程圏に入っている。クラークソンリサーチによると、2月の世界船舶発注量は30万CGT(標準貨物船換算トン数、18隻)と、1月(87万CGT、33隻)に比べて66%減少した。
関連産業の鉄鋼業界は供給過剰、原材料(鉄鉱石)価格の上昇などで経営環境が良くない。沈滞が長期化すれば、鉄鋼の需要はさらに減少すると予想される。中国国内の鉄鋼材料の在庫が増え、世界鉄鋼企業の生産と販売価格も影響を受ける見込みだ。
昨年の海外建設受注が13年ぶり最低となった建設業界は今年も回復の兆しが見えない。海外建設協会のキム・ジョングク対外協力室長は「通常、海外建設受注実績は原油価格と共に動く」とし「主に中東産油国からの石油化学プラント受注が多いが、原油価格が下落すれば長期的に発注額が減る可能性がある」と説明した。国連貿易開発会議(UNCTAD)は新型コロナの影響で世界の輸出額が先月500億ドル減少し、うち韓国は38億ドルの輸出減少被害が生じたと分析した。
欧州連合(EU)、米国、日本に次いで4番目に被害が大きい。韓国は国内総生産(GDP)に対する輸出の比率が40%台と高い。輸出が減少すれば企業が投資を減らし、このため消費が冷え込んで雇用が減少する連鎖効果が表れる構造だ。経済予測機関が韓国の成長率を0-1%台に下方修正している背景だ。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は韓国企業の格下げ圧力が強まっていると明らかにした。S&Pは「韓国は感染者数が多く、企業の貿易と輸出依存度が高いため、格付けに及ぼす影響が広範囲に表れるはず」とし「今年上半期に業績が低下する企業は多いだろう」と予想した。最も大きな被害が予想される業種は旅行・レジャー・航空産業であり、石油精製・化学・鉄鋼・流通・自動車・電子業種なども大きなリスクに露出していると判断した。
カン・ソンジン高麗大経済学科教授は「内需景気がすでに悪化した状況で、新型コロナの世界的大流行が公式化した」とし「内需と輸出が同時多発的に打撃を受け、韓国経済の沈滞が長期化するだろう」という見方を示した。
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