韓国の検察が新興宗教団体「新天地イエス教会」の教祖イ・マンヒ総会長（８９）に対し、新型コロナ疫学調査で虚偽の資料を提出した疑いで捜査に着手した。

水原（スウォン）地検は２８日、全国新天地被害者連帯（全被連）が感染病予防法違反と特定経済法違反横領・背任の疑いでイ総会長を告発した事件を刑事６部に割り振ったと明らかにした。また水原地検はこの日午後、全被連のシン・カンシク代表とパク・ヒャンミ政策局長、ホン・ヨンホ顧問を告発人として呼んだ。告発人側は新天地が偽装教会と秘密センター（秘密裏に進める布教場所）４２９カ所、布教センターを修了した入教待機者７万人と要人の名簿は公開しないなど、組織保護のために政府の新型コロナ疫学調査を妨害していると主張した。最高検察庁の関係者は最近、「水原地検が新天地の本部所在地を含む京畿道（キョンギド）南部圏域を管轄する点と事案の重大さを考慮した」と明らかにした。

一方、秋美愛（チュ・ミエ）法務部長官はこの日、新型コロナ拡大状況に関連し、疫学調査の妨害や拒否など違法行為がある場合、家宅捜索など強制捜査で強く対処するよう検察に指示した。法務部は保健当局などの疫学調査を意図的または組織的に拒否・妨害・回避するなど違法事例が発生すれば、関係機関の告発や捜査依頼がなくても検察が警察・保健当局・地方自治体などと緊密に協力して直ちに強制捜査に着手するよう指示した。また、感染病予防法を違反したり偽計公務執行妨害事件など当局の公的業務に支障をもたらす場合には、原則的に拘束捜査をするなど厳正に対処するよう注文した。


法務部は▼感染源と感染経路把握および感染拡大防止に必須の信徒名簿がまともに提出されていない▼接触動線を虚偽供述した▼感染が疑われる場所や施設に関する位置情報がすべて公開されず迅速な疫学調査ができない▼マスクなど保健用品の不当な暴利行為で流通秩序を乱して国民の健康が深刻に脅かされている－－と明らかにした。

新天地はこの日、立場を表明し、「意図的に信徒数を隠したり資料提出を拒否するという内容は全く事実でない」と主張した。