新型コロナウイルス感染症(コロナ19)の感染者は世界的に8万人を超え、増加し続けている。中国をはじめとして、死亡者も2700人を越えた。韓国政府は新型コロナの危機警報を最高水準に引き上げた。だが、まだ新型コロナがどのような結果に達するのかは予測できない。
2003年重症急性呼吸器症候群(SARS)のように弱くなって結局消える可能性も、中東呼吸器症候群(MERS)のように高危険群集団で断続的に発病するパターンになる可能性もある。インフルエンザのように、今回のウイルスも人類に適応するのか、突然変異能力と哺乳類(コウモリ・人間など)の間に伝播する能力で変種が生まれ、季節性のものとして今後も繰り返し発生するのか、これすらも予測できない。ある人たちはすでに世界的な大流行(Pandemic)に達したと主張しているが、この用語は集団的な恐怖感を考慮するとき用心深く使われなければならない。
何よりもまず存在する脅威が何かを正確に把握しなければならない。まだ完全な情報はないが、新型コロナはMERSやSARSより伝播力は強いが、2つの感染病に比べて致命率は低い。また、はしかに比べれば伝播力が確かに低い。感染者の周辺数メートル以内の飛沫を通じてこそ伝播が可能だ。感染者との接触や空気中の飛沫によって汚染された物体の表面を通じても伝播する可能性がある。
SARSやMERS、鳥インフルエンザ・エボラなどは過去20年間で我々に多くの教訓を与えてくれた。感染病が発生するたびに、科学界には「一体いつ頃ワクチンが開発できるのか」という質問が殺到した。だが、5~10年かかるという返事に大衆は失望した。残念ながら、メディアの関心が低くなるとワクチンと治療剤に対する研究費は消える。そのため同じ伝染病が再び登場すると、我々は依然と持っている武器がない状態となる。
ワクチンや治療剤の開発と臨床試験、普及には時間が必要だ。映画やドラマのようにそんなに簡単に開発できるわけではない。数年間の研究・開発と数百億ウォンの投資が必要な医薬品だ。このような課題は、投資に対して大きな収益の創出の可能性が低く新型感染病はまた発生するかどうか不確かなので、どの国もワクチン開発に大切な税金を投資しようとしない。
幸い、複数の国家や慈善団体の共同資金支援で集団的な対策ができた。西アフリカで吹き荒れたエボラ事態の教訓により設立された「伝染病蔓延対策の革新のための連合(CEPI)だ。CEPIは世界各国と機関・慈善団体から10億ドル(1105億円)に達する後援支援金の投資を受けている。ワクチンの開発を専門とする研究者で構成されたこの連合体は、MERSやラッサ熱、ニファウイルス、チクングニア熱に対するワクチン開発を目標としている。この連合体の趣旨は、新型伝染病に対するワクチン開発と備蓄が迅速に行われるようにして、もし次にまた伝染病が発生したらすぐに投入できるようにしようというものだ。
今回、新型コロナが出現すると、CEPIは事前に準備していたおかげですぐに適用が可能な技術保有企業など4カ所に直ちに資金を支援した。そのうち1カ所はウイルス塩基配列確保から3時間で候補ワクチンをデザインした。初夏までにこれらワクチンの臨床試験が行われる見通しだ。新型コロナの流行が続く場合、いくつかのワクチンは効能立証に向けたテストまで行うだろう。通常10年かかる場合もある過程を考慮すれば、これは「事前の備え」の重要性を雄弁に語るものだ。
突然の伝染病発生による非常事態に共同で備えて、世界が一定部分のリスクを分担するべきだという主張が説得力を持つ。韓国をはじめアジア諸国はCEPIに参加し、ワクチン開発支援を模索する必要がある。2015年に韓国はMERS事態で100億ドルの社会・経済的損失を強いられた。途方もない代償を支払って教訓を得たが、再び高額の教訓を得る必要はない。
ジェローム・キム/国際ワクチン研究所(IVI)事務総長、医師
2003年重症急性呼吸器症候群(SARS)のように弱くなって結局消える可能性も、中東呼吸器症候群(MERS)のように高危険群集団で断続的に発病するパターンになる可能性もある。インフルエンザのように、今回のウイルスも人類に適応するのか、突然変異能力と哺乳類(コウモリ・人間など)の間に伝播する能力で変種が生まれ、季節性のものとして今後も繰り返し発生するのか、これすらも予測できない。ある人たちはすでに世界的な大流行(Pandemic)に達したと主張しているが、この用語は集団的な恐怖感を考慮するとき用心深く使われなければならない。
何よりもまず存在する脅威が何かを正確に把握しなければならない。まだ完全な情報はないが、新型コロナはMERSやSARSより伝播力は強いが、2つの感染病に比べて致命率は低い。また、はしかに比べれば伝播力が確かに低い。感染者の周辺数メートル以内の飛沫を通じてこそ伝播が可能だ。感染者との接触や空気中の飛沫によって汚染された物体の表面を通じても伝播する可能性がある。
SARSやMERS、鳥インフルエンザ・エボラなどは過去20年間で我々に多くの教訓を与えてくれた。感染病が発生するたびに、科学界には「一体いつ頃ワクチンが開発できるのか」という質問が殺到した。だが、5~10年かかるという返事に大衆は失望した。残念ながら、メディアの関心が低くなるとワクチンと治療剤に対する研究費は消える。そのため同じ伝染病が再び登場すると、我々は依然と持っている武器がない状態となる。
ワクチンや治療剤の開発と臨床試験、普及には時間が必要だ。映画やドラマのようにそんなに簡単に開発できるわけではない。数年間の研究・開発と数百億ウォンの投資が必要な医薬品だ。このような課題は、投資に対して大きな収益の創出の可能性が低く新型感染病はまた発生するかどうか不確かなので、どの国もワクチン開発に大切な税金を投資しようとしない。
幸い、複数の国家や慈善団体の共同資金支援で集団的な対策ができた。西アフリカで吹き荒れたエボラ事態の教訓により設立された「伝染病蔓延対策の革新のための連合(CEPI)だ。CEPIは世界各国と機関・慈善団体から10億ドル(1105億円)に達する後援支援金の投資を受けている。ワクチンの開発を専門とする研究者で構成されたこの連合体は、MERSやラッサ熱、ニファウイルス、チクングニア熱に対するワクチン開発を目標としている。この連合体の趣旨は、新型伝染病に対するワクチン開発と備蓄が迅速に行われるようにして、もし次にまた伝染病が発生したらすぐに投入できるようにしようというものだ。
今回、新型コロナが出現すると、CEPIは事前に準備していたおかげですぐに適用が可能な技術保有企業など4カ所に直ちに資金を支援した。そのうち1カ所はウイルス塩基配列確保から3時間で候補ワクチンをデザインした。初夏までにこれらワクチンの臨床試験が行われる見通しだ。新型コロナの流行が続く場合、いくつかのワクチンは効能立証に向けたテストまで行うだろう。通常10年かかる場合もある過程を考慮すれば、これは「事前の備え」の重要性を雄弁に語るものだ。
突然の伝染病発生による非常事態に共同で備えて、世界が一定部分のリスクを分担するべきだという主張が説得力を持つ。韓国をはじめアジア諸国はCEPIに参加し、ワクチン開発支援を模索する必要がある。2015年に韓国はMERS事態で100億ドルの社会・経済的損失を強いられた。途方もない代償を支払って教訓を得たが、再び高額の教訓を得る必要はない。
ジェローム・キム/国際ワクチン研究所(IVI)事務総長、医師
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