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【時視各角】これが「一度も経験したことがない国」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国の国民が文在寅(ムン・ジェイン)政権に生命と財産を任せて33カ月が経過した。「国民を統合して国らしい国をつくる」という約束に序盤の支持率は90%も可能なほどだった。ところが現在、大韓民国の国民が踏んで生きていく経済・外交・安全保障がすべて危機だ。2015年6月当時、文在寅・新政治連合代表は「MERS(中東呼吸器症候群)のスーパー伝播者は政府だ。政府の硬直性と無能・無責任が国民の生命を危険にする」と述べた。現政権の発足後にも前政権の積弊清算に没頭した。それだけに安全と防疫は徹底的にすると思われたが、これさえも例外なく失敗に帰着した。

その結果、大韓民国全体が不安を感じている。大韓医師協会が6度も中国発入国者を防ぐよう勧告したが、「遠からず終息する」として新型コロナ感染経路を開いておいた。国民は「じっと待機すべき」という指針のために何もできず犠牲になった旅客船セウォル号の乗客の立場と変わらない状況ではないだろうか。人々が集まるところでは恨みの声が続く。圧巻は忠清南道牙山(アサン)の市場の商人の嘆きだ。文大統領に景気を尋ねられたこの商人は「最悪」と答えると、文大統領の猛烈な支持者集団から「我々の文在寅大統領に失礼だ」と波状攻撃を受けた。

この狂乱を見ながら過去3年の歳月が脳裏をかすめた。文大統領は常に平等・公正・正義を話してきた。しかしチョ・グク・ソウル大教授のように執権勢力の姿は偽善と虚勢、無能の祭りだった。そして国民は現在、致死率1%の恐怖の前に立っている。この恐怖が襲撃すると、商人の一言はさらに強く感じる。「最悪」と述べたのは暗鬱な現実の前で表れた絶望感ということだ。商人の直感は正確だった。統計庁の「2019年10-12月期の家計動向調査結果」で全国2人以上世帯の事業所得は89万2000ウォンだった。2018年10-12月期から5期連続でマイナスだ。


中国発の新型コロナ事態までが発生し、自営業者は崖っぷちに追い込まれた。現政権は「経済は良くなる」という言葉を繰り返すが、事実ではない。最低賃金の急上昇など反市場的政策実験で人件費が上がり、企業は投資と雇用を避けている。さらに週52時間制の施行で企業は海外に目を向け、晩の会食は減り、自営業は危機を迎えた。経済の体力が弱まっている中で新型コロナの感染が拡大し、自営業は無防備でカウンターブローを受けた。

文大統領をはじめとする政治家と100万人の公務員、大企業の職員は景気がいくら下降し、新型コロナ事態が悪化しても、給料を定められた日に受ける。天が崩れ落ちないかぎり生活に問題はない。市場で黙々と生業を営む商人は違う。一日の売り上げが減っても生計に打撃を受ける。今のように外出と集会を自制するほど苦痛は大きくなる。

そうであるほど街の中では「最悪」という恨みの声が増える。そうなるしかないのは経済自体が息切れしているからだ。主要国のうち唯一韓国だけが法人税を引き上げた結果、昨年の税収が予想より7兆ウォンも少なくなった。投資心理が冷え込んでお金が回っていないのだ。現政権は新型コロナ対応のために補正予算を準備中だ。わらでもつかむ思いだろうか、政策の転換がなければ経済の活力は戻らない。

現政権に入って水を使うように財政を投入し、国家負債はすでに100兆ウォン増加した。まさに「寄生虫(パラサイト)」のように30、40代の未来にストローをさした。積弊清算を言いながら政治は混沌の連続で、米国・日本との友邦関係も不安定だ。北朝鮮の核問題も悪化し、中国とは「新型コロナ運命共同体」になってしまった。それでもうまくやることを望んだが、生命まで危うくなった無能政治を見ていると、これが「一度も経験したことがない国」なのかと思う。本当に苦々しさばかり感じる時期だ。責任者なら失敗を認めて謝罪からするのが道理だ。それがこの巨大な混沌をリセットする出発点となる。

キム・ドンホ/論説委員



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