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【現場から】「すまない」の一言もなく嘲弄する中国、何も言い返せない韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
本当にあきれる。筆者は先月末から毎日、北京から新型コロナウイルス感染症(コロナ19)による中国の状況の深刻性を韓国に伝えてきたが、1カ月を経て状況が逆転した。今は中国メディアが韓国内の新型コロナの感染者と死亡者数を前日と比較しながら韓国の状況がどれくらい深刻なのかを報じることに熱を上げている。

このように中国メディアが変身したのは今月21日からだ。この日、「韓国200突破!」という速報が流れた。韓国における新型コロナ感染者が200人を超えたということだ。「346!韓国の増加ペースが速い」(23日)、「韓国、一日で231人増えて833人」(24日)などの表現を使って、中継でもするかのように報じている。

北京駐在の韓国記者が湖北省武漢を訪れて取材をしたように、今はソウル駐在の中国記者が大邱(テグ)を訪れる珍風景も演出されている。中国メディアの環球時報とGlobal Times(グローバルタイムズ)は25日、共同社説で「韓国政府は依然として新型コロナが局部的であるという希望を持っているようだ」とし「新型コロナが拡散中の国では、もっと断固として行動しなければならない」と助言した。


さらにあきれるのは、韓国ではまだ中国人入国禁止問題で内輪もめしている渦中に、当事者である中国人は今や韓国に行けといっても行かないようにしている点だ。韓国への入国を断念する中国留学生が増加している。むしろ韓国から中国に行こうとする中国勤労者が増えて、飛行機券価格が高騰していると香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」が25日、伝えた。

それだけではない。中国としては今や韓国から来る人もありがたくない。今月23日夕方から、吉林省延吉市の延吉朝陽川国際空港が、韓国人の乗客を対象に用意した専用通路が代表的な例だ。「新型コロナ輸出国」である中国が、韓国からウイルスが逆流入するのではないかと考えて非常措置を取ったのだ。北京では最近、韓国人がアパート団地を出入りするためには新たに出入証を発行してもらわなくてはならない。24日から、韓国から戻ってきた韓国人は、2週間、自宅に留まり、異常がないことが確認されてからでないと出入証を発行してもらえない。

山東省に比較すると、これもまだ良心的なほうだ。山東省青島市は24日から韓国から来る人に対する入国検疫手続きを大幅に強化した。すべての入国者に対して14日の隔離観察を実施する。これに対して、中国産業経済情報網は「青島市が疫病を避けて中国に来て隠れようとする韓国人を対象に措置を取った」というタイトルの記事を掲載した。韓国政府は中国側のこのような措置に、事実上、何の対応もしないでいて、低姿勢論争が起きている。外交部は、イスラエルやモーリシャス、ヨルダンなどが事前協議なく入国統制をした時は、遺憾の表明と同時に強く抗議した。

問題はこのような現場の変化が、以前のTHAAD(高高度ミサイル防衛体系)配備に対する報復と同じような手口で行われる可能性が高いということだ。韓国がTHAAD報復撤回を要求すると、中国は「報復したものがないので撤回するものもない」という。中国の中央政府が文書ではない口頭形式で、各部署がそれとなく分かるように指針を下して公式化しなかった結果だ。

今回の韓国人入国制限措置も中央政府の政策ではないと中国は説明するだろう。実際、中国外交部の趙立堅報道官は24日の記者会見で「韓国に旅行注意報の発令を考慮しないでいる」と話した。

さらに一歩前に出て、中国が韓国を助けるという。中国メディアは韓国が中国の防疫手段と経験を参考にするようにと露骨に書く。中国が「困ったときに共にする」といった韓国を助けたということを国内外的に宣伝したいためだ。

中国は実にユニークな国だ。助けを云々する前に、最初にこのように全世界を荒廃させたことに対する謝罪などの遺憾表明をするべきなのではないか。しかし、新型コロナ事態以降、毎日中国メディアの報道に目を通しているが、まだどのメディアもそのようなことを言っても書いてもいない。

ユ・サンチョル/北京特派員



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