武漢は「中国のシカゴ」と呼ばれる四通八達の先端工業都市からコロナウイルスの温床に転落した。習近平1人統治システムの「封鎖」決定で死闘中の巨大都市の民心は荒々しい。1世紀前の1911年、「滅満興漢」の旗を揚げた「武昌蜂起」がまさに武漢の偉業だったという事実を記憶するならば習近平政権は夜も寝られないだろう。
2200年前の始皇帝以来の君主制を終わらせ孫文を中華民国臨時大総統にした共和制を発進させた辛亥革命のエネルギーは武昌の反逆で生成された。反逆の叫び声で清の戦意を折った不穏な革命の都市武漢の世論を全世界が注視している。
1912年3月に公布された臨時約法(憲法)2条は「中華民国の主権は国民全体に属する」と宣言した。封建の古い呪術に捕らわれた臣民が自己決定権を行使する近代的主権者として再誕生する瞬間だった。ところが社会主義中国の政府は疫病発生を隠して放置し2000人以上を死亡させたとすれば主権在民の原則を破壊したものだ。在米中国人教授は「14億人民より党を優先視する共産党独裁が維持される限り危機対応に脆弱にならざるをえない」と批判する。中国人は毛沢東が農民革命で建設し、習近平が統治している中華人民共和国の存在理由を問い質している。
コロナウイルスが荒れ狂った韓国の執権勢力も問題は深刻だ。感染者数世界2位になったのは政権が権力を恣意的に行使したためだ。大韓医師協会は6回にわたり中国からの全面的な入国禁止措置を建議した。政府が国民の生命と安全を最優先していたなら彼らの非政治的な判断を尊重すべきだった。しかし中国の顔色をうかがった政府は握りつぶした。疾病管理本部の権限も萎縮した。結果的に多くの国民の意思と利益は無視された。主権在民の共和制の原則は否定され、権力は国民ではなく青瓦台(チョンワデ、大統領府)から出ている。「大韓民国の主権は国民にあり、すべての権力は国民から出る」という憲法1条2項はどこに消えたのだろうか。
文在寅大統領は習近平に「中国の困難はわれわれの困難」と話した。相手を配慮した慰労だ。しかし中国の顔色をうかがい韓国の国民を犠牲にさせるのは韓国大統領がすべきことではない。中国は韓国内の患者が186人にすぎなかった中東呼吸器症候群(MERS)流行時に事実上の旅行制限措置を取り、観光客が韓国旅行を取り消した。
中国の累積感染者は22日までで7万7041人で、死亡者は2445人だ。米国など41カ国が中国全域に対し入国禁止措置を取った。中国と血盟である北朝鮮とロシアまで国境を封鎖している。イスラエルやバーレーンなどは韓国が危険水位に上がったとみて入国禁止措置を取った。これでも運命共同体としながら中国に対し全面的入国禁止をしないのは理解できない行動だ。
安全先進国という日本も崩れた。安倍首相は積極的に対応しようという厚生労働省の意見を握りつぶし東京五輪を守ろうとしたが災いを呼んだ。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の内部を調べた感染症専門家は「エボラウイルス流行当時のアフリカよりはるかに深刻だ。(中略)カオス状態だった」と指摘した。英国では「五輪をロンドンで開催しよう」という嘲弄が出ている。
韓国はアジアで市場経済と民主主義、言論の自由の最優等生だ。中国と日本の防疫網が崩れ、この機会に優れた医療水準で「アジアのパリ」になることができた。ところが上半期訪韓を推進中の習近平を通じ南北関係の突破口を開こうとしたがしくじった。韓国医療陣と専門家で構成された中央臨床委員会は「国民の40%が感染し2万人が死亡する可能性がある」と警告している。中国旅行者入国を全面禁止しなければ悪夢が韓半島(朝鮮半島)を襲いかねない。
中国は感染者統計も操作しているという疑いをかけられている。そのような国とは利益共同体は可能でも運命共同体になることはできない。スターリンは「1人の死は悲劇だ。しかし100万人の死は統計上の数字にすぎない」とした。全体主義国で存在の個別性や固有性は無視される。人権は贅沢だ。封鎖された都市で放置された人々が死んでいく現在の中国も同じだ。韓国には民主主義と国際規範、人権を守る文明国との関係がもっと大切だ。
ウイルスは人間になんらの敵意がない中立的な存在だ。病気も伝染させるが細菌を殺して増殖を抑制したりもする。地球上には約160万種が存在するがわれわれが知っているのはわずか1%だけだ。したがって防疫は政治や宗教でなく科学でアプローチすべきだ。そうするならば先に中国リスクを減らさなければならない。専門性と経験が豊富な鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理本部長を「防疫大統領」と考え全権を与えなければならない。
4年前にMERS白書は「MERSの宿主はラクダではなく大韓民国の保健医療体系」と慨嘆した。いまコロナウイルス白書を書くならば「最高の宿主はコウモリではなく文在寅政権の中国の顔色うかがい」と書くべき状況だ。いま大韓民国はどこへ進み、主権はだれにあるのだろうか。
イ・ハギョン/主筆
2200年前の始皇帝以来の君主制を終わらせ孫文を中華民国臨時大総統にした共和制を発進させた辛亥革命のエネルギーは武昌の反逆で生成された。反逆の叫び声で清の戦意を折った不穏な革命の都市武漢の世論を全世界が注視している。
1912年3月に公布された臨時約法(憲法)2条は「中華民国の主権は国民全体に属する」と宣言した。封建の古い呪術に捕らわれた臣民が自己決定権を行使する近代的主権者として再誕生する瞬間だった。ところが社会主義中国の政府は疫病発生を隠して放置し2000人以上を死亡させたとすれば主権在民の原則を破壊したものだ。在米中国人教授は「14億人民より党を優先視する共産党独裁が維持される限り危機対応に脆弱にならざるをえない」と批判する。中国人は毛沢東が農民革命で建設し、習近平が統治している中華人民共和国の存在理由を問い質している。
コロナウイルスが荒れ狂った韓国の執権勢力も問題は深刻だ。感染者数世界2位になったのは政権が権力を恣意的に行使したためだ。大韓医師協会は6回にわたり中国からの全面的な入国禁止措置を建議した。政府が国民の生命と安全を最優先していたなら彼らの非政治的な判断を尊重すべきだった。しかし中国の顔色をうかがった政府は握りつぶした。疾病管理本部の権限も萎縮した。結果的に多くの国民の意思と利益は無視された。主権在民の共和制の原則は否定され、権力は国民ではなく青瓦台(チョンワデ、大統領府)から出ている。「大韓民国の主権は国民にあり、すべての権力は国民から出る」という憲法1条2項はどこに消えたのだろうか。
文在寅大統領は習近平に「中国の困難はわれわれの困難」と話した。相手を配慮した慰労だ。しかし中国の顔色をうかがい韓国の国民を犠牲にさせるのは韓国大統領がすべきことではない。中国は韓国内の患者が186人にすぎなかった中東呼吸器症候群(MERS)流行時に事実上の旅行制限措置を取り、観光客が韓国旅行を取り消した。
中国の累積感染者は22日までで7万7041人で、死亡者は2445人だ。米国など41カ国が中国全域に対し入国禁止措置を取った。中国と血盟である北朝鮮とロシアまで国境を封鎖している。イスラエルやバーレーンなどは韓国が危険水位に上がったとみて入国禁止措置を取った。これでも運命共同体としながら中国に対し全面的入国禁止をしないのは理解できない行動だ。
安全先進国という日本も崩れた。安倍首相は積極的に対応しようという厚生労働省の意見を握りつぶし東京五輪を守ろうとしたが災いを呼んだ。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の内部を調べた感染症専門家は「エボラウイルス流行当時のアフリカよりはるかに深刻だ。(中略)カオス状態だった」と指摘した。英国では「五輪をロンドンで開催しよう」という嘲弄が出ている。
韓国はアジアで市場経済と民主主義、言論の自由の最優等生だ。中国と日本の防疫網が崩れ、この機会に優れた医療水準で「アジアのパリ」になることができた。ところが上半期訪韓を推進中の習近平を通じ南北関係の突破口を開こうとしたがしくじった。韓国医療陣と専門家で構成された中央臨床委員会は「国民の40%が感染し2万人が死亡する可能性がある」と警告している。中国旅行者入国を全面禁止しなければ悪夢が韓半島(朝鮮半島)を襲いかねない。
中国は感染者統計も操作しているという疑いをかけられている。そのような国とは利益共同体は可能でも運命共同体になることはできない。スターリンは「1人の死は悲劇だ。しかし100万人の死は統計上の数字にすぎない」とした。全体主義国で存在の個別性や固有性は無視される。人権は贅沢だ。封鎖された都市で放置された人々が死んでいく現在の中国も同じだ。韓国には民主主義と国際規範、人権を守る文明国との関係がもっと大切だ。
ウイルスは人間になんらの敵意がない中立的な存在だ。病気も伝染させるが細菌を殺して増殖を抑制したりもする。地球上には約160万種が存在するがわれわれが知っているのはわずか1%だけだ。したがって防疫は政治や宗教でなく科学でアプローチすべきだ。そうするならば先に中国リスクを減らさなければならない。専門性と経験が豊富な鄭銀敬(チョン・ウンギョン)疾病管理本部長を「防疫大統領」と考え全権を与えなければならない。
4年前にMERS白書は「MERSの宿主はラクダではなく大韓民国の保健医療体系」と慨嘆した。いまコロナウイルス白書を書くならば「最高の宿主はコウモリではなく文在寅政権の中国の顔色うかがい」と書くべき状況だ。いま大韓民国はどこへ進み、主権はだれにあるのだろうか。
イ・ハギョン/主筆
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